- 施設数の人口対比は全国水準、地域密着型の求人が多い
- 県土の約8割が山林で占められているように、多くの自然に恵まれた山梨県。山梨県の人口は約84万人と少なく、病院も診療所数も少なめです。ただ人口10万人人あたりの病院数に換算すると、全国平均と同数の6.9施設。決して少ないわけではありません。
必要非求人医師数を含めた必要医師数は1.29倍となっており、とても高い数値となっています。求人倍率が高いということは、医師が充実していることを示しており、労働環境の良さがうかがえます。関東地方に位置し、中央本線特急で甲府駅から新宿まで最短で約82分と東京に近い山梨県。治安がよく安全で、図書館数は人口当たり全国1位です。自然に恵まれた地域でもあり、暮らしやすさ、子育てのしやすさが魅力だといわれています。
甲府市や山梨市を中心として多くの病院・求人が集まります。有名な病院は甲府市にある山梨県立中央病院と山梨市にある山梨厚生病院。いずれも400以上の病床数を誇る大規模病院です。そして中央市には山梨県唯一の大学病院である山梨大学医学部附属病院もあり、研修医などにとって貴重な臨床学習の現場としての機能も担っています。この3つの病院の他では中小規模病院や一般診療所が中心となっており、地域に根ざした医療が行われています。
病院数は厚生労働省の「都道府県-指定都市-中核市別にみた医療施設数-病床数」によれば病院は60、一般診療所は662になります。これは、人口10万人当たりの病院/診療所数に換算すると、病院数が6.9で診療所数が76です。どちらも、全国平均とほぼ同数になっています。
医師の平均年齢は50歳、こちらも全国平均(49.4歳)とほぼ同年齢で、山梨県はバランスの取れた職場環境になっているといえるでしょう。
山梨県は「中北(甲府市など6市1町)」「峡東(山梨市など3市)」「峡南(市川三郷町など6町)」「富士・東部(富士吉田市など4市2町6村)」の4つの二次医療圏によって、県土をほぼ東西南北に分割する形で構成されます。人口10万人に対する病院数は7.2と全国平均の6.7をやや上回りますが、医療施設従事医師数は222.4と全国平均の233.6を下回ります。ただし、中北医療圏(282.9)と峡南医療圏(114.3)とでは2倍以上の著しい地域格差が存在し、県内には無医地区が5市町村8地区、準無医地区が7市町村12地区存在します。また、産科・小児科・救急など特定科目の医師不足も大きな問題です。
こうした問題を解消するため、山梨県では地域医療を担う医師の養成・確保に注力しており、特に地域医療に意欲のある県外在住の医師に対して、主に常勤医としての転職を積極的に推奨・支援する体制を整備しています。産科・小児科・救急はもちろん、全科目に対する求人募集も盛んです。