- 全体的に中小規模病院・診療所が充実も、5つの医療圏ごとにトレンドが異なる
- 近畿地方の内陸県であり、日本屈指の歴史を持つ奈良県。
奈良県の病院数は約75施設、一般診療所数は約1,100施設となっています。病院数では人口10万人当たりの病院数で全国平均を下回りますが、診療所数では全国平均を上回り、小・中規模病院が充実している県であるといえるでしょう。少ない病院のなかにも奈良県立医科大学附属病院をはじめ、心臓血管外科で有名な近畿大学医学部奈良病院など最先端医療に携われる病院も多く見つかります。
求人の種類は多彩なので、自分好みの職場を見つけることができるでしょう。近畿地方に位置する奈良県は、奈良医療圏と西和医療圏、東和医療圏、中和医療圏、南和医療圏の5つに分けることができます。医師が充実しているのは東和医療圏、中和医療圏などでいずれも全国平均を上回る水準になっています。こういった地域では医療スタッフが充実している職場が多いので、ワークシェアリングなど余裕をもった働き方が実現できるでしょう。反対に、医師不足が進んでいる地域は南和医療圏や西和医療圏です。これらの地域では医師不足から求人も頻繁に募集されており、職場を見つけるのが比較的容易だといえます。そして、県庁所在地の奈良市がある奈良医療圏は、全国平均よりも若干水準が下回る地域となっています。
奈良県の病院数は約75施設、一般診療所数は1,070施設です。これは全国的に見ても少なめの数字になっていますが、一般診療所の人口10万人当たりの施設数で見ると81.6施設と、全国平均(77.6施設)を上回っています。診療所やクリニックの求人は、日勤や常勤の仕事を探している医師の方にとても人気があります。
大規模病院があるのは、近畿大学医学部奈良病院がある生駒市と奈良県立医科大学附属病院がある橿原市をはじめ、奈良県立奈良病院のある奈良市、天理よろづ相談所病院がある天理市、秋津鴻池病院のある御所市など、各地に中枢病院が点在しています。
奈良県は「奈良」「東和」「西和」「中和」「南和」の5つの二次保健医療圏で構成されます。このうち最も面積が広いのは県の半分を占める南和医療圏ですが、同県では最も人口が少ない医療圏です。
同県の医療施設に従事する医師数は、平成 26 年 12 月末時点で3,105 人であり、平成24年度より約1%増加しています。しかし、人口10万人当たりの医師数は225.7 人で、全国平均が233.6人であることをふまえると、依然として医師不足です。
また、奈良県は医師の高齢化が問題となっています。40 歳未満の医師が全体の27%で、40歳以上60歳未満の医師が49%を占めています。県は現在、キャリア形成のための支援や、働きやすい職場環境の整備、医師の負担軽減などを図り、若手医師の確保を行っています。出産や育児などで離職した女性医師の復帰支援を行っている病院もあり、若手はもちろん、女性にとってもキャリアを形成しやすい環境といえます。常勤・非常勤の求人募集も活発なので、時期を問わずに転職できることが魅力です。