失敗しない医師転職手順~医師求人・募集情報の見極め~

特定のスキルを磨きたい

「現在お勤めの病院は、自身を成長させてくれますか」。勤務先で得られることに限界を感じ、転職する方も多いもの。つまりスキルアップ、ステップアップのための転職です。

この記事では、医師のスキルアップに関する調査や、「特定のスキルを磨きたい」と転職した/転職を検討している医師の声をまとめ、その内容について解説します。

医師が転職を考える背景「専門領域への熱意とキャリアの多様化」

専門医の取得だったり、開業への経験を積んだり。スキルアップに関する転職は、その理由もさまざまです。無我夢中であれこれ吸収していた時期を経て、自身が思う「医師として生きる道」がある程度定まってきたタイミングで、転職を考える医師も多いようです。

弊社が実施した「新専門医制度に関するアンケート調査」によると、現在、専門医の認定を受けている医師は全体の74%。多くの医師が、専門領域に特化し、経験を積んできていることがうかがえます。

特定のスキルを磨きたいと考え、自身のキャリアプランを見直す際に、現在の職場や働き方が最適かどうかといった検討をするのは、当然のことと言えるかもしれません。

転職した/転職したい医師の声「特定のスキルを磨きたい」

医師の需要数変化に対応できる医療スキルを

医師の需要数変化に対応できる医療スキルをのイメージ
年齢 35
性別 男性
専門科目 整形外科
専門医/資格 本整形外科学会認定 専門医
役職 なし
所属 市中病院
年収 前職:1,300万 → 
現在:1,400万
転職回数 3

私は3年前に1回目、1年前に2回目の転職をしました。最初に働いた病院では、整形外科全般の診療や手術などを行っており、人工関節や脊椎の手術、靭帯断裂の手術など非常に症例も豊富で充実していましたが、経験を積むなかで、整形外科の中でのサブスペシャリティを決めるべきではないかと思うようになっていました。

そんな中、厚生労働省が「2032年には医師の需要と供給が一致する」との見解を発表しているのを見て「ある程度ほかの医師にできないことがないと、医師として長くやっていくのは難しいのではないか」とより具体的に考えるようになったのです。

将来的には、求人数が減る懸念もありますので、整形外科の中でも需要が多い一方、リスクが高いため敬遠されがちな脊椎外科がいいのではと考え、脊椎外科に特化して勉強できる病院を探すことにしました。

1回目の転職で選んだのは、脊椎外科の手術が多い病院です。その病院は、たまたま前任者が退職したタイミングでの求人だったので、執刀できる症例が多いと考え選びました。

ここでの診療は非常に充実していましたが、2年間勤務したころ、医師が2人増えたことに加え、もう少し別の研修もしたいという思いもあったので、再度転職することにしました。

大手転職支援会社のエージェントに相談したところ、脊椎外科の中でも、最小侵襲手術に力を入れている病院の求人があり、そちらに転職することに。

現在は転職して半年程度ですが、執刀症例数も多く、年収や勤務環境にも満足しています。

数をこなす医療から、患者さんと向き合う医療へ

数をこなす医療から、患者さんと向き合う医療へのイメージ
年齢 39
性別 女性
専門科目 内科
専門医/資格 日本内科学会認定 総合内科専門医
役職 医員
所属 市中病院
年収 前職:900万 → 
現在:1,300万
転職回数 2

私が若いころに勤務していた病院は、野戦病院のようなところでした。特に当直帯は医師が少なくなるにも関わらず、日中同様、あるいは、それ以上に多くの患者さんが押し寄せるため、救急外来は深夜であっても2時間待ちが日常的な光景で、医師に大きな負担がかかっていました。

そういう環境で過ごしたため、さまざまな手技や、忙しさの中で場を回していくスキルなどは、伸びたと思っています。しかし、医師に大きな負担を強いる環境が是正されない状況は好ましいものではありません。このような環境で、いくら立ち振る舞いが上手くなっても無価値なのでは、と考えるようになっていました。

やがて、マンパワー不足と多忙に起因する事故がたて続けに起きたため、「忙しい中でやりくりするスキル」より「時間をかけて、ひとつひとつの症例に向き合い、正確な診断をつけるスキル」の重要性を感じ、転職支援サイトを通じて職場を変えました。

いまの病院に変わってからは、患者さんにしっかり向き合うことができるようになり、前医では診断がつかなかったり、誤った診断がついていた際に、正確な診断や治療が行えるようになったと感じています。

転職はかなり前のことですが、当時の転職があったからこそ、患者さんとの向き合うことができていると思います。そして、いまある環境に本当に感謝です。

経験豊富な指導医のもと、自身で手術を執刀できるように

経験豊富な指導医のもと、自身で手術を執刀できるようにのイメージ
年齢 32
性別 男性
専門科目 泌尿器科
専門医/資格 日本泌尿器科学会認定 専門医
役職 医員
所属 市中病院
年収 前職:900万 → 
現在:1,000万
転職回数 1

私が現在の病院に転職した理由は、手術に関してのスキルを伸ばせると判断したからです。前の職場では、腹腔鏡手術やロボット手術の助手を主にしてきました。

残念ながら、年齢が若く、手術を執刀させてもらえることはありませんでした。当時の上司に掛け合ってもみましたが、「まずは助手として手術に参加するのが大切だ」と諭されたのです。

手術の助手が大切な仕事であることは十分理解しているのですが、やっぱり私も人間ですので、自分が執刀するのであれば、こうやって鉗子を動かす、こういうふうに吸引鉗子を使うのに……といった気持ちが出てきます。

自分でも執刀したい、手術がしたいと考えていたところ、同様に泌尿器科を標榜する総合病院が市内にあることに気づきました。

現在の勤務先でもあるこの病院は、前の職場同様に腹腔鏡の手術やロボット手術に力を入れています。また複数の腹腔鏡認定医がおりましたので、経験豊富な指導医のもと腹腔鏡手術やロボット手術の執刀ができると判断。転職支援会社のエージェントに相談し、転職を決めました。

現在は、ほぼ毎週手術を執刀しています。助手としてではなく、自分で執刀しているため、手術も上達してきており、患者さんから「ありがとう」と言われることも増えました。勤務内容に関する満足度がとても高くなり、本当に転職して良かったと思っています。

医局・市中病院によっても異なる「特定のスキルを磨くための転職」

いろいろな世界を見て経験を積み、自分の適性や、やりたいことが少しずつクリアになってくるからこそ、「自分なりの医師人生」を叶えるための選択肢の一つとして、転職を検討するのではないでしょうか。

また、市中病院と医局どちらに所属するかによっても、スキルアップの方向性が異なるため、自身の方向性に合わせて、進路を決める必要があります。

今回の取材では、医局から市中病院に移った医師たちをご紹介しましたが、市中病院で経験を積んだ結果、研究をしたいという気持ちが芽生え医局に移ったという医師も少なくありません。

さまざまな市中病院があるため一概には言えませんが、最先端の医療や研究を極めたい方は医局、自身で多くの患者を診たいという方は市中病院を選ぶ傾向にあるようです。

「全国500名のドクターの本音を大公開!(スペシャル座談会企画)」では、市中病院と医局の違いについて医師たちにお話しいただいています。「スキルアップ&将来性編」をご覧いただければ、「特定のスキルを磨くための転職」へのヒントが得られるかもしれません。

特定のスキルを磨きスキルアップする方法は、転職が全てではありません。現在の職場でも診療方法を工夫したり周囲への働きかけによって、スキルアップの機会を増やすことができるかもしれません。

もし、その方法が転職という選択だったとしても、それは、いまの場所や環境を「諦める方法」ではありません。むしろ、「理想の医師人生を諦めない方法」を考えはじめた転機と捉えられるのではないでしょうか。

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