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【第61回】本多 和典

本多 和典のイメージ

本多 和典

愛知県がんセンター薬物療法部医長

所属・役職は取材当時(2026年4月23日)のものです。

腫瘍内科医として「経済毒性」の研究を国内でリードする

がん治療の進歩はめざましく、特に新しい抗がん剤の登場などによって、治療の選択肢が広がり、大幅な予後の改善も期待できるようになった。一方で、新規の薬剤(免疫チェックポイント阻害薬や分子標的薬など)は、一般に高額で、かつ予後の改善で治療期間が長期化し、その結果、がん患者の経済的な負担増を招いて問題になっている。愛知県がんセンター薬物療法部医長の本多和典(ほんだ・かずのり)医師は、国内における「経済毒性(Financial Toxicity)」に関する研究の第一人者。Financial Toxicityは、いわばがん治療による「お金の副作用(懐が痛む)」のことで、2013年にアメリカで提唱され、悪心、脱毛といった身体的な副作用(治療関連毒性)と同列に扱われている、がんとともに生きることを難しくする「新しい毒性」だ。経済毒性の何が問題なのか。公的保険制度がある日本で経済毒性は患者にどんな影響を及ぼしているのか。経済毒性を軽減するためにどんな取り組みを具体的に始めているのか。そして、経済毒性の本質的な原因は? 同センターに本多氏を訪ね、一つひとつ教えてもらった。

プロフィール

2005年山梨大学医学部卒業。名古屋大学医学部附属病院研修医、国立がんセンター中央病院 内科レジデント・がん専門修練医、名古屋第一赤十字病院化学療法内科、名古屋大学医学部附属病院医員を経て、16年4月から愛知県がんセンター薬物療法部シニアレジデント、18年4月から現職。16年名古屋大学医学部大学院卒業。医学博士。18年度日本臨床腫瘍学会奨励賞受賞。

本多 和典氏の経済毒性に関する論文

  • Prospective Survey of Financial Toxicity Measured by the Comprehensive Score for Financial Toxicity in Japanese Patients With Cancer(筆頭著者)
    ascopubs.org/journal/jgo on May 9, 2019:DOI https://doi.org/10.1200/JGO.19.00003
  • Socioeconomic and financial factors associated with financial toxicity in Japanese cancer patients: a cross-sectional study
    Japanese Journal of Clinical Oncology, 2026, 1–10 https://doi.org/10.1093/jjco/hyag035
  • Development of a visualization tool to estimate out-of-pocket costs for systemic cancer therapy in Japan and claims-based agreement evaluation:theVEST-Ca study (筆頭著者)
    Japanese Journal of Clinical Oncology, 2026, 1–7 https://doi.org/10.1093/jjco/hyag061

公的保険制度がある日本にも経済毒性は存在する

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