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【第9回】 開業申請

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建物、設備、スタッフも含め患者さんの受け入れ準備が整ったら、関係各官庁等への開業申請を行います。保健所・厚生局・福祉事務所・地区の医師会・労働基準監督署など、届け先は複数ありますし、承認されるまでは開業(診療)を行うことが出来ないものもあります。無事に承認を得るためには、申請前からの慎重な準備が必要です。

不備のない届出・申請を

■開業には様々な届出・申請が必要

いくら先生が医師免許をお持ちだからといって、「クリニックを建てたので明日から診療します!」と宣言するだけでは、当然ながら開業は認められません。正式な開業のためには、以下にまとめたように様々な届出や申請が必要となってきます。

今回は、独立を目指す先生の多くが関係することとなる「診療所開設届」と「保険医療機関指定申請」を取り上げ、注意すべきポイントをお伝えしていきます。なお、本コンテンツの「クリニック」とは、無床、あるいはベッド数19床以下の医療機関を指します。ベッド数20床以上の医療機関の開設手続きとは異なるのでご注意下さい。

諸官庁への主な届出・手続き
  • 診療所開設届(保健所)
  • 保健医療機関指定申請書(厚生局)
  • 診療所使用許可申請書※有床の場合(保健所)
  • 診療用X線装置備付届(保健所)
  • 麻薬管理者・施用者免許申請書(保健所)
  • 生活保護法指定医療機関指定申請書(福祉事務所等)
  • 母体保護法指定医師指定申請書(地区医師会)
  • 結核予防法指定医療機関指定申請書(保健所)
  • 労災保険指定医療機関指定申請書(労働基準監督署)

※診療科目や診療内容によっては上記以外にも手続きがあります。


■診療所開設届は事前相談が肝心

新規にクリニックを開業する際、提出しなければならないのが「診療所開設届」です。医療法第8条によれば、開設した日から10日以内に所管の保健所へ届け出ることになっていますが、実際のところはもっと前に窓口へ足を運ぶ必要があります。それは、事前相談なしにいきなり開設届を提出しようとしても、すんなり受理されることが少ないからです。

相談時にはかなり高い確率で院内レイアウトなどについての指導が入るため、それらの作業を開始する前、つまり内装工事前に一度は相談を済ませておかなければなりません。またクリニック名称についても、すでに近隣に同名あるいは似たような名前のクリニックがある場合は、保健所から変更依頼があることも。看板も建て、開業チラシを配布したその後になってから「名前が使えない!」と青くなる前に、名称についても必ず相談しておきましょう。

なお事前相談では、開設届の書き方指導や添付書類の説明もしてもらえるよう働きかけてください。少々しつこいぐらいに担当者へ質問をするなどして、スムーズな受理を目指しましょう。


■保険医療機関指定申請は締切日のチェックを

診療所開設届が無事に受理されれば、医療法上は歴としたクリニックです。

しかし、それだけでは自由診療しか行えません。公的医療保険による診療、つまり保険診療を行うためには、保険医療機関としての指定を受ける手続きがさらに必要となってくるのです。こちらは開業地を管轄する厚生局の事務所に「保険医療機関指定申請書」を提出することになりますが、ここで注意しておくべきは受付の締切日。締切日自体は各県により異なるものの、保険医療機関としての指定は原則毎月一日付けとなっています。

すなわち、締切に間に合えば翌月初めから開業し保険診療を行えますが、もし間に合わなかった場合には丸々一ヶ月以上も先延ばしになってしまいます。開業に向けて資金を吐き出してしまっているこの時期に、たとえ一月でも無収入の時期があると大きな痛手となりかねません。イザとなって慌てることのないよう、開業地が決まった時点でその地域の申請スケジュールを確認しておきましょう。

もちろんこの保険医療機関指定申請についても保健所への開設届同様に、書類の事前チェックを受けておくことをお勧めします。一生に一度のことになるかもしれない、大切な開業のための手続きです。スケジュールや書類に不備がないか、確認作業を慎重に行って下さい。

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