「明日」を見つけた先輩医師からのメッセージ 私たちの流儀

長年、医療系の取材を続けてきた経験から、「時代を見据え、転機をつかんだ」数多くの先生と巡り会いました。そんななかで、自分の流儀をもつ医師、研究者をご紹介したいという思いが強くなり、機会を得てこの連載をスタートすることになりました。連載の特徴は、主に40~50代の若手に比較的近い先生にできるだけ多く登場いただく点です。【DtoDコンシェルジュ】を閲覧されるさまざまな世代の先生にとって、医師としてノブレス・オブリージュを果たしていくうえで、その人を身近に感じつつ、それでいて将来のヒントが見つかり、モチベーションアップにつながる一助になれば、とてもうれしいです。

記事一覧

  • 水谷 和郎(神戸百年記念病院心大血管疾患リハビリテーションセンター センター長)

    【第21回】水谷 和郎(神戸百年記念病院心大血管疾患リハビリテーションセンター センター長)

    医療現場の貴重な映像と証言を用い
    阪神・淡路大震災の体験を語り継ぐ

    阪神・淡路大震災の発災時に、兵庫県立淡路病院(現・県立淡路医療センター)で当直をしていた内科医の水谷和郎医師は、被災地の医師として戸惑いながら手探りでおこなった災害医療の体験を医療者らに伝えるため、ビデオ映像と自らが手がける証言集を携え、今も各地に出向いて地道に講演活動を続けている。

  • 山梨 啓友(長崎大学病院 総合診療科講師)

    【第20回】山梨 啓友(長崎大学病院 総合診療科講師)

    両立を目指す国内診療と国境なき医師団の活動

    山梨啓友医師は、これまでに二度、「国境なき医師団(MSF)」のスタッフとして、途上国での医療活動に参加している。最初はパプアニューギニアで結核の治療にあたった。次がバングラデシュで、ロヒンギャ難民キャンプで集団発生したジフテリアに対応した。

  • 勝沼 俊雄(東京慈恵会医科大学附属第三病院 小児科教授)

    【第19回】勝沼 俊雄(東京慈恵会医科大学附属第三病院 小児科教授)

    クラウドファンディングで臨床研究の再開を実現

    インターネットを通じて不特定多数の人から資金を募る「クラウドファンディング」。この手法を用いて再開にこぎつけた臨床研究がある。勝沼俊雄医師らが、当初は国から研究費を得てスタートを切った、乳幼児喘息の慢性期治療で薬を減らせるかどうかを調べる比較試験だ。

  • 齊藤 祐子(国立精神・神経医療研究センター病院 臨床検査部臨床検査科 医長)

    【第18回】齊藤 祐子(国立精神・神経医療研究センター病院 臨床検査部臨床検査科 医長)

    神経病理医としてブレインバンク活動に打ち込む

    国立精神・神経医療研究センターが、献脳生前同意登録による「神経疾患ブレインバンク」の運用を始めて、今秋で11年になる。ドナー登録者は、10年の歳月を経て、250人を超えるまでになった。

  • 横山 太郎(横山医院 緩和ケア内科・腫瘍内科医師)

    【第17回】横山 太郎(横山医院 緩和ケア内科・腫瘍内科医師)

    市民を交えたがん患者への意思決定支援
    その着想がCo-Minkanに結びつく

    横山太郎医師は、腫瘍内科医で緩和ケア医。それまでの勤務医の仕事にピリオドを打って、2018年が始まるといっしょに、実家の横山医院で訪問診療に力を注ぐようになった。ただ、実は、横山氏には“別の顔”もある。「Co-Minkan普及実行委員会共同代表」だ。

  • 【第16回】宗 未来(慶應義塾大学医学部 精神・神経科学教室 助教)

    【第16回】宗 未来(慶應義塾大学医学部 精神・神経科学教室 助教)

    精神医療の現場でAIの応用に挑戦
    薬物療法と同じ比重で精神療法にも取り組む

    人工知能(AI)が驚異的な勢いで進化し、人間の生活に影響をおよぼし始めている。医療への応用も現実的になりつつあるなか、宗未来医師は、「人工知能で、ヒトのこころは癒せるか?」という、とても興味深いテーマを掲げ研究に取り組んでいる。

  • 【第15回】髙橋 康二(旭川医科大学放射線医学講座教授・旭川医科大学病院放射線部長)

    【第15回】髙橋 康二(旭川医科大学放射線医学講座教授・旭川医科大学病院放射線部長)

    多系統萎縮症を患いながら、
    放射線科のトップとして組織運営に力を注ぐ

    第31回日本腹部放射線学会が、2017年6月30日から2日間にわたり北海道旭川市で開かれた。会長を務めた髙橋氏に会うため、旭川医科大学を訪ねたのは、夏の学会から2か月近くあとのこと。

  • 【第14回】林 和彦(東京女子医科大学 がんセンター長 化学療法・緩和ケア科教授)

    【第14回】林 和彦(東京女子医科大学 がんセンター長 化学療法・緩和ケア科教授)

    国を挙げて「がん教育」がスタートするなか、
    がん専門医が教員免許を取り出張授業を展開

    2017年度を皮切りに、全国の小・中・高等学校で「がん教育」が本格的にスタートする。学校の教員が子どもたちに座学でがんを教えるだけでなく、がん専門医や学校医、開業医ら医師の登壇も大いに期待される、国を挙げての事業だ。

  • 【第13回】菅原 俊一(仙台厚生病院 副院長・呼吸器内科主任部長)

    【第13回】菅原 俊一(仙台厚生病院 副院長・呼吸器内科主任部長)

    免疫チェックポイント阻害薬の副作用に
    多職種チームを立ち上げ、先手を打ちながら対応

    免疫チェックポイント阻害薬「オプジーボ」が、切除不能な進行・再発の非小細胞肺がんの患者に使えるようになった直後、院内に「先端免疫療法チーム」を発足させ、投与を開始した。

  • 【第12回】 中村 朋子(このはな産婦人科 院長)

    【第12回】 中村 朋子(このはな産婦人科 院長)

    地方自治体と大学との連携事業の一端を担う、
    新しいタイプの産婦人科クリニックを運営

    全国的に産婦人科医が足りない状況が続くなか、2016年10月、山梨県甲斐市に新しいタイプの産婦人科クリニックが誕生した。

  • 髙田 哲也(医療法人社団なかよし会 日吉メディカルクリニック理事長・院長)

    【第11回】 髙田 哲也(医療法人社団なかよし会 日吉メディカルクリニック理事長・院長)

    開業医のレベルアップにつなげるため
    いくつもの“秘策”を打ち出し手堅く実行

    慶應義塾日吉キャンパスにある協生館の1階。玄関を入りカフェやパブを横目で見ながら進んで行くと、少し奥まった場所に複数の診療科を備えた日吉メディカルクリニックがある。

  • 矢吹 拓(国立病院機構 栃木医療センター 内科医長)

    〔第10回〕矢吹 拓(国立病院機構 栃木医療センター 内科医長)

    関心が高まる高齢者の「ポリファーマシー」。
    その問題に切りこむため、ポリファーマシー外来の新設を自ら提案。
    多職種チームで活動を展開中

    高齢者を取り巻くひとつの大きな問題として、最近、「ポリファーマシー(多剤併用)」がしばしば取り上げられる。高齢者の場合、年齢とともに抱える慢性疾患の数が増え、ポリファーマシーが生じやすい。

  • 石井 正(東北大学病院 総合地域医療教育支援部教授)

    〔第9回〕石井 正(東北大学病院 総合地域医療教育支援部教授)

    東日本大震災の最大被災地に組織された「石巻圏合同救護チーム」
    そのリーダーが今、取り組むのは、東北地区の地域医療体制の再構築

    石巻医療圏内で唯一の災害拠点病院だった石巻赤十字病院で、医療社会事業部長をしていた石井正医師は、1か月前に宮城県災害医療コーディネーターを委嘱されたばかりだった。

  • 武永 賢(中井駅前クリニック 院長)

    〔第8回〕武永 賢(中井駅前クリニック 院長)

    合法難民としてベトナムから来日。日本人医師となり、自らのあらゆる経験を糧に、患者の不安を和らげる診療を貫く

    1994年、ベトナム難民として来日していた一人の青年が医師となり、その同じ年、彼は日本国籍を取得した。もともとの名前は「ヴー・ダン・コイ」。

  • 岩瀬 博太郎(千葉大学大学院法医学教室教授・法病理医)

    〔第7回〕岩瀬 博太郎(千葉大学大学院法医学教室教授・法病理医)

    法医学は国を癒すための医学。その目的に向かい、日々、死因究明に取り組み、後進の育成に心血を注ぐ

    医学生のころは、法医学者になろうなどと、考えもしていなかった。本音を言うと、今でも、自分の仕事を辞めたいと思う時がある。

  • 勝俣 範之(日本医科大学武蔵小杉病院 腫瘍内科教授)

    〔第6回〕勝俣 範之(日本医科大学武蔵小杉病院 腫瘍内科教授)

    腫瘍内科医として、患者ががんとよりよい共存を目指せるような“ナビゲーター役”に徹する

    日本の腫瘍内科医は近年、増加傾向にあるものの、欧米諸国に比べると圧倒的に数が足りず、あらゆる部位のがんを診ることができる腫瘍内科医の少なさも指摘されている。

  • 羽田 丈紀(おなかクリニック おしりセンター部長)

    〔第5回〕羽田 丈紀(おなかクリニック おしりセンター部長)

    肛門外科医のスキルアップを図り、市民に快適なおしり生活を送ってもらうため「おしり解放運動」にまい進

    初めから肛門外科医を目指したわけではない。大腸がんの開腹手術に明け暮れるうちに、肛門疾患に自分の関心が向いていき、おしりの悩みを抱える人々の診療に「100%のめり込みたくなった」のだという。

  • 関根 龍一(亀田総合病院疼痛・緩和ケア科部長)

    〔第4回〕関根 龍一(亀田総合病院疼痛・緩和ケア科部長)

    多死社会が迫る中、ニードが高まる緩和ケア
    「全入院患者に緩和ケアを」という目標に向かい実践を積む

    超高齢社会の次に来ると想定される日本の多死社会。80歳以上の人口が1000万人を超えた今、この多死社会が現実味を帯びてきている。

  • 藤本 直規(藤本クリニック院長)

    〔第3回〕藤本 直規(藤本クリニック院長)

    認知症専門のクリニックで、患者や家族、専門職への総合的な支援を展開
    院長の強力な伴走者は、看護師とケアスタッフ

    政府が2015年1月に発表した認知症国家戦略「新オレンジプラン」。柱の一つになった若年認知症施策の強化を、滋賀県は全国に先駆けて進めてきた。

  • 川名敬(東京大学病院産科婦人科准教授)

    〔第2回〕川名敬(東京大学病院産科婦人科准教授)

    乳酸菌で子宮頸部前がん病変に対する飲む治療ワクチンを開発
    世界に知られるHPV研究者は根っからの臨床医

    2014年9月、医学専門誌『Vaccine』にある臨床研究の成果が発表された。子宮頸部前がん病変に対する飲む治療ワクチンの有効性を示す結果だ。

  • 高杉紳一郎(九州大学病院リハビリテーション部診療准教授)

    〔第1回〕高杉紳一郎(九州大学病院リハビリテーション部診療准教授)

    30代でリハビリテーション医に転身
    エンターテインメントに着目し、異色のリハビリ用ゲーム機を開発

    整形外科医として自分の腕が着実に上がっている――。そう実感していたさなか、高杉紳一郎氏は、リハビリテーション医になる決心をし、メスを捨てた。

ライター

成島香里(なるしま・かおり)

上智大学社会福祉学科卒業。山梨日日新聞社、保健同人社を経て、現在は、医療・健康を中心に取材するフリーライター。著書に「医者は自分の病気を治せるか」、インタビュアーとして「知らなかったあなたへ―ハンセン病訴訟までの長い旅」(ともにポプラ社)がある。東京理科大学非常勤講師。