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眼科クリニックの新規開業と生存戦略!失敗しないためのポイントとは?

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「眼科を開業したいが、競合が多くて失敗しないか不安……」
「眼科の開業で押さえるべきポイントがわからない……」

このような不安を抱える眼科医の方は多いのではないでしょうか。この記事では、失敗しない眼科クリニックの開業の方法についてまとめました。

眼科クリニックの開業を失敗しないために、ぜひ参考にしてください。

眼科をとりまく動向

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厚生労働省の「令和4(2022)年医師・歯科医師・薬剤師統計の概況」によると、眼科医は1万3,554人、医療施設に従事する医師全体の4.1%を占めています。そのうち、全国で診療所に従事する眼科医は8,471人で、診療所に従事する医師全体の7.9%を占め、内科医に次いで診療所で働く医師が多い診療科となっています。
また診療所で勤務する眼科医の平均年齢は59.1歳と、診療所の医師平均年齢60.4歳を若干下回っていることから、眼科は比較的若い年齢での開業が多いことが推察されます。
そして同調査では専門医を持つ医師の動向について、診療所に従事する眼科医8,616人のうち6,698人、約78%が眼科専門医資格を取得していると報告しています。競合に負けないためにも、眼科クリニックを開業する際はまず眼科専門医資格を取得しておくとよいでしょう。眼科専門医資格を取得していることで、専門性をアピールしやすくなります。
厚生労働省「令和5(2023)年医療施設(静態・動態)調査(確定数)・病院報告の概況」によると、全国に眼科を標榜する診療所は8,222件、全体の7.8%を占めています。
眼科の診療所数が診療所で働く眼科医数とほぼ変わらないことから、多くの眼科医が1人で診療所を経営していると考えられます。

眼科クリニック開業の資金調達から収入・資金繰りまでのロードマップ

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眼科クリニック開業を考えるうえで、初めに検討するべき問題は「資金」です。開業資金は「設備資金」と「創業資金」に分けることができます。

「設備資金」はテナント契約費や医療機器・設備購入費などです。眼科の場合、日帰り手術の有無など診療方針によって必要資金が大きく変わりますが、設計・内装工事費その他を合わせおおよそ6,500万円から2億4,000万円 が必要で、テナント契約費は賃料の約3カ月分から12カ月分が見込まれます。また、「創業資金」は人件費やリース料、医薬品などです。

開業資金

開業資金の一例として、下記の項目が挙げられます。

眼科クリニック開業に必要な開業資金

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項目(眼科:テナント開業の場合) 所要資金
テナント契約費(保証金・敷金など) 賃料の3カ月分~12カ月分
設計・内装工事費 2,000万円~7,000万円
医療機器・電子カルテ購入費 2,500万円~9,000万円
什器・備品購入費(待合設備、診察机など) 100万円~500万円
IT設備(PC、院内ネットワーク構築、オンライン予約、資格確認システムなど) 50万円~400万円
その他開業時諸費用(医師会加入、保険加入、広告・広報、医薬品購入など) 150万円~1,000万円
開業前運転資金(賃料、人件費、手元資金など) 1,700万円~6,000万円

現代の高齢化社会でいくら国が在宅医療を推進していても、眼科医が往診・訪問診療をおこなうことは難しい状況です。 昨今ではコンパクト化した新しいタイプの眼科診療機器も開発されていますが、まだ臨床で普及していません。そのため、眼科クリニックを開業する際は、どのような年代の患者さんでも来院しやすい立地であることが重要になります。

また眼科に通院する患者さんの多くが「視力が悪い状態」であるため、院内設備にはいくつかの工夫が必要です。

  • 院内をバリアフリーにする
  • 院内の動線がわかりやすいように、床にテープを貼る
  • 介助者や家族が同伴しても狭く感じないような、広めの造りにする
  • 検査ごとに待合スペースを設ける 等

さらにクリニックの運営方針によっては、来院される患者さんのほとんどが高齢者になる可能性もあります。
その場合は、車いすや杖をご利用の方が不自由なく移動できるよう、バリアフリー化への配慮が必要です。例えば、車いすの動線を妨げない設計や、杖をご利用の方が安全に移動できるような場所に手すりを設置するなどの工夫が求められます。

その他、眼科は明室検査室と暗室検査室の2種類の検査室を設置する必要があります。検査室は検査機器ごとに空間を十分取るようにし、患者さんが一つひとつの検査をスムーズに受けられるような動線の工夫が必要です。
また近年では患者さんのプライバシーに配慮し、診察室を個室としている施設も増えています。開業してから変更することは難しいため、個室にするかカーテンやパーテーションで仕切るかは、十分に検討しておきましょう。
加えて白内障手術や低侵襲、緑内障手術などの日帰り手術やレーザー治療をおこなう場合、手術室の併設も必須です。スペースをしっかりと確保し、患者さんが不自由に感じないような設計を心がけましょう。

眼圧計や眼底カメラ、静的視野計、スリットランプなど最低限揃えなければならない機器もいくつかあります。眼科の機器は他科と比べて高額なものが多く、クリニックの規模によっては1つの機器を複数台購入する必要もあります。

また手術をするための設備投資は特に高額です。例えば、白内障手術機器一式だけでも数千万円はかかります。レーシックやレーザー治療など、手術目的や方法によっても必要な機器やスペースは変わってくるため、経営方針と予算に合わせて計画的に設備投資をおこなっていきましょう。

さらに、手術を診察と同日におこなうのか、手術のみの外来日を設定するのかで、院内のレイアウトや雇用する医師・看護師数も変わってきます。外来診療と同時に手術をおこなう場合は、自分以外に医師を雇用しなければ成り立ちません。一般外来診療を休診し手術専用外来日を設ければ、他の医師の雇用は不要です。

また手術をする場合には、前処置のための処置室やリカバリールームが複数必要になります。
手術をおこなわない、例えばコンタクトレンズの処方や視力矯正に特化する経営方針の場合、このような設備は不要です。
診療体制、診療時間、人件費やクリニック内のレイアウトに大きく影響するため、経営方針は開業コンサルタントとよく相談の上、決定しましょう。

開業後の運転資金

次に、開業後の運転資金としては、下記の項目が挙げられます。

眼科クリニック開業後の運転資金

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項目(眼科:テナント開業の場合) 概算費用(月額)
人件費 収入の15~30%
医業原価(医薬品、消耗品など) 収入の10~30%
家賃・駐車場など 立地、面積、設備等により異なる
水道光熱費 10万円~40万円
リース料 5万円~180万円(リース物件による)
その他諸経費(広告費、通信費、保険料、医師会費、租税公課など) 20万円~100万円

開業前に資金計画を立て、無理のない経営を目指しましょう。
従業員を必要以上に雇ってしまうと人件費が経営を圧迫してしまいます。開業時は最低限の従業員だけを雇用して、患者さんが増えてきたら従業員の数を増やすようにしましょう。
眼科クリニックの収入源や資金繰りについては、次の章で詳しく解説します。

眼科クリニックの収入源と資金繰り

全国の「令和7年度 保険医療機関等の診療科別平均点数一覧表」によると、眼科クリニックのレセプト(診療報酬明細書)の1件あたりの平均点数は1,077点となっています。ただし、眼科の場合、日帰り手術の有無など、診療方針によって診療単価が大きく変わります。

社会保険診療報酬支払基金「統計月報(令和4年4月診療分)」の統計によると、眼科の1件当たりの平均来院日数は1.1日で、1つの疾患に対し複数回の受診をする患者さんはあまり多くないことがわかります。初診患者さんの割合が多いため、結果として患者単価は高くなる傾向があります。
とはいえ、安定した経営を実現するためには初診患者さんだけでなく、花粉症やコンタクトレンズ処方のための視力検査などで、不定期に受診する患者さんのリピート率が重要です。

また眼科クリニックでは、受付スタッフ、看護師、視能訓練士(ORT)・眼科コメディカル(OMA)など多様な職種を雇用することが望ましいです。一日の患者数を増やすために重要なのは、視能訓練士・眼科コメディカルと連携した検査・診療の実施です。スムーズに検査・診察ができると、患者さんの在院時間が減り、回転率が上がり多くの患者さんを診察できます。

眼科クリニックの経営戦略に合わせた人材の雇用を検討しましょう。

個人開業と法人開業における収益

医療経済実態調査(令和5年実施)によると、眼科の個人開業診療所の医業収益は9,887万円、医業費用は6,483万円で、損益差額は3,404万円です。一方、法人開業診療所の医業収益は1憶4,782万円、医業費用は1憶3,653万円で、損益差額は1,129万円です。
個人開業に比べ法人開業の方が医業収益は高い一方、医療・介護費用も高くなっています。

事業規模は一般的に法人開業の方が大きいため、収益は高くなる傾向があります。また、院長給与に相当する役員報酬が費用として計上されるため、個人開業より費用が大きくなる傾向もあります。加えて、事業規模拡大に伴い各経費も増加する事が多く、結果的に法人開業は医業収益も医療・介護費用も個人開業に比べて高いことになります。

また、法人開業には法人設立や決算対応など、様々な手続きが必要ですが、法人化により節税効果を得られるほか、将来の事業継承が有利に働くことが多いというメリットもあります。分院化や業務範囲の拡大など経営計画によって、個人開業、法人開業の選択が必要です。

眼科クリニックを開業する際の注意点

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眼科クリニック開業においては、競合相手がどこの地域にも存在します。

特に都市部、人口密集地、商業地域では競合が乱立していることも多いです。眼科医の歴史は古く、江戸時代にまで遡ることができ、どこの地域にも昔からの眼科クリニックが存在しています。そのようなクリニックは地元での信頼や人気も厚いため、強力なライバルになることは間違いないでしょう。
反対に過疎地域では競合する眼科クリニックは少なくなりますが、将来的にさらなる人口減少や高齢化による通院の困難が考えられるため、経営は難しくなるといえるでしょう。

眼科クリニックの開業で成功するためには、十分なマーケティングとターゲティングに基づいた、クリニックの経営方針を決めることが重要です。

眼科クリニックの経営方針

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眼科クリニック開業の経営方針は、以下のようなパターンが考えられます。

眼科における経営方針の一例
  • 一般的な総合眼科で開業する
  • 地域の総合病院や専門クリニックと連携する
  • コンタクトレンズ処方に特化する
  • 白内障等の日帰り手術に特化する
  • レーシックやICLなどの近視手術に特化する
  • 子供の眼の病気や視力矯正に特化する

さまざまな眼科クリニックが特色を打ち出し差別化を図ることで成功しています。地域のニーズを十分に把握し、競合相手の特徴を踏まえたうえで、自身の診療の軸を決めていくようにしましょう。

例えば専門的な手術や治療が必要な場合は、連携している総合病院や地域の専門クリニックに紹介する経営方針を取り、地域で眼科診療を分担して行くのも有効な戦略です。特に花粉症が流行する春先や、学校で検診がおこなわれる初夏には眼科の患者さんが増える傾向にあります。

また、開業当初はコンタクトレンズ外来に特化し、その後ニーズに合わせて施設を拡大していくことも検討できるでしょう。しかしニーズによって必要な機材・人材・施設面積が大きく異なるため、開業前に十分なターゲティングをおこない、経営方針を定めることが重要です。地域のニーズに合わせた経営方針を決めると経営も安定させやすい傾向にあります。

  • 繁華街や都市部など若い世代が多い地域ではコンタクトレンズ処方に力を入れる
  • 高齢者が多い地域では白内障や緑内障の手術、レーザー治療に特化する

このように地域のニーズに合わせた経営をおこない患者さんを増やすことで、眼科診療での経営が成功しやすくなります。

眼科クリニック開業において覚えておきたい戦略3つ

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眼科クリニック開業において覚えておきたい戦略は、以下の3つです。

  • 高額になりがちな設備投資の必要性を見極める
  • 競合相手に勝つためのマーケティング戦略
  • 地域の医療機関との連携

順番に解説していきます。

ポイント1:高額になりがちな設備投資の必要性を見極める

眼科クリニックでは開業戦略に基づいた設備投資が必要です。例えば同じ手術機器でも白内障の手術のみ可能な機器を導入するか、緑内障も可能な機器を導入するかによって、費用は大きく異なります。

数千万円単位の設備投資が必要となる眼科クリニックの開業においては、地域のニーズと経営戦略に合わせた設備投資の見極めが重要です。

ポイント2:競合に勝つためのマーケティング戦略

ライバルの多い眼科クリニックの開業では、特色をどのように出すかが重要です。厚生労働省の「令和5(2023)年受療行動調査(概数)の概況」 では、医療機関にかかる時に「情報を入手している」人は外来患者の80.7%にのぼります。

その80.7%のうち「家族・知人・友人の口コミ」をもとに来院する患者さんは68.4%、「医療機関が発信するインターネットの情報」を情報源とする方は28.8%となっており、口コミもインターネットの情報もどちらも重要視しているといえます。

眼科クリニックのターゲットは子供から高齢者まで幅広い年代にわたります。特にコンタクトレンズ処方やレーシックをメインに開業する場合、大半の患者さんがインターネットの情報をもとに競合の眼科クリニックと比較・検討したうえで来院するでしょう。

一方、子供の視力低下や流行性角結膜炎・ものもらいなどの目の病気で受診する際は、インターネットの情報だけでなく地域での口コミも重要視する保護者が多くなります。

高齢者の場合は新聞や折り込みチラシ・ポスティングが効果的ですが、保護者と同じく口コミに影響を受けやすい年代です。

幅広い年代から集客をおこなうためには、ターゲットに訴求できるさまざまな方法での広告展開が必要です。

ポイント3:地域の医療機関との連携

眼科クリニックの経営において、地域の総合病院やクリニックとの連携は重要です。眼科診療をきっかけとして糖尿病や高血圧など、加療が必要な内科疾患が発覚する場合もありますし、合併症として眼科疾患を併発する場合もあります。地域の受け皿となる眼科クリニックとして、内科クリニックや病院との連携は積極的に図っていきましょう。

また眼科疾患で手術を希望される場合、合併症が多い患者さんは眼科クリニックでの対応が困難になるケースもあります。重症化するケースや対応が困難なケースの受け皿となる連携病院があることは患者さんの安心感にも繋がります。

競合相手の多い地域で生き残っていくためにも、地元で成功している他科の医師との連携は軽視できません。書面だけでなく直接挨拶に伺うなどして、開業当初から積極的に連携を図っていくようにしましょう。

まとめ

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競合が多い眼科では自身がやりたいことと、地域から求められていることを踏まえた経営方針の策定がより重要です。短期的な収益のみにとらわれず、地域の医療機関との連携も考慮して、継続的に地域から支持されるクリニックを目指しましょう。

開業に関して不明点があれば、ぜひフォームからお問い合わせください。

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