クリニック・医院開業のメリット・デメリットとは？
勤務医との違いを徹底解説

メリット1：理想の医療を追求できる自由

開業医の最大のメリットの一つは、自らの理想とする医療を追求できる「裁量の大きさ」です。勤務医時代には組織の方針や設備の制約があったかもしれませんが、開業すれば診療方針、導入する医療機器、スタッフの採用や教育、クリニックの内装に至るまで、すべてをご自身の裁量で決定できます。例えば、勤務医時代には病院の方針で制限されていた先進的な治療法や、時間をかけた丁寧なカウンセリングを診療の軸に据えることも可能です。患者様一人ひとりに最適な医療を、一切の妥協なく提供できる環境は、医師としての本懐を遂げる大きな喜びとなるでしょう。

メリット2：勤務医を上回る収入への期待

自身の努力と経営手腕が収入に直結することも、開業の大きな魅力です。もちろん経営リスクは伴いますが、クリニック・医院の評判が高まり、多くの患者様に支持されるようになれば、勤務医時代を上回る収入を得られる可能性があります。

厚生労働省の第24回医療経済実態調査（医療機関等調査）によると、医療法人の院長の平均年収は勤務医の平均年収を上回るデータも出ており、経済的な成功は開業を目指す医師にとって大きな動機の一つと言えるでしょう。

横スクロールでご確認いただけます

※上記は各種手当を含む概算値であり、調査の集計方法によって多少の差異が生じる場合があります。

メリット3：主体的に設計するワークライフバランス

勤務医として多忙な日々を送る中で、「プライベートな時間を確保しにくい」と感じている先生方は少なくないのではないでしょうか。しかし、開業医になることで、この状況は大きく変わります。

開業医は、診療時間や休診日を自分で自由に設定できるため、自身のライフスタイルに合わせた働き方が可能です。例えば、以下のような柔軟な働き方を実現できます。

• 午前中のみの診療: 午後を研究や自己研鑽、あるいは家族との時間にあてる。
• 特定の曜日の完全休診: 週休2日制や、特定の曜日をプライベートな活動に充てる。
• 長期休暇の取得: お子様の学校行事への参加、平日の旅行、趣味の時間を確保する。

このようにプライベートを充実させることで、心身ともにリフレッシュでき、結果として診療の質の向上にも繋がり、良い循環を生み出します。

メリット4：地域医療や社会への貢献

医院開業は、地域医療への貢献を通じて、社会に直接貢献しているという強い実感をもたらします。患者様やそのご家族から「先生がいてくれて良かった」と感謝の言葉を直接いただく機会も多く、これが日々の診療の大きなモチベーションとなります。

「かかりつけ医」として、一人の患者様の人生に長く寄り添い、時には世代を超えてご家族全体の健康を支える存在になれることは、何物にも代えがたいやりがいとなります。患者様の健康を長期的に見守ることで、症状の早期発見や予防にも繋がり、地域全体の健康増進に貢献できます。

デメリット1：医師と経営者を両立する重責

開業医は、一人の医師であると同時に「経営者」でもあります。日々の診療に加えて、資金繰りや税務処理といった財務、スタッフの採用や労務管理、そして患者様を集めるための集患（マーケティング）活動など、これまで専門外だった業務もすべてご自身で行う必要があります。日々の診療後、疲れた体でスタッフとの面談や相談、銀行との折衝、会計帳簿の確認、ウェブサイトの更新といったタスクに追われることも珍しくありません。これらの業務に時間を取られ、最新の医療を学ぶ時間が削られてしまうジレンマに悩む先生もいらっしゃいます。

デメリット2：責任を負う経済的・精神的負担

クリニックの経営が軌道に乗るまでは、収入が不安定になる可能性があります。また、開業資金として多額の借入金を抱えるケースがほとんどであり、その返済は長期にわたる経済的なプレッシャーとなります。どんな些細な問題であっても、最終的な判断と責任はすべてご自身が負うことになります。特に経営が思うようにいかない時期には、一人でプレッシャーと闘う場面も想定しておく必要があります。

デメリット3：集患やスタッフマネジメントの困難さ

開業当初は、クリニックの認知度が低い状態です。数ある選択肢の中から自院を選んでもらう必要がありますが、他院との明確な差別化要因を見つけ出し、それを地域住民に効果的に伝えていく戦略の立案は容易ではありません。

また、理念に共感してくれる優秀なスタッフを採用し、定着してもらうためのマネジメントも重要な経営課題です。スタッフ間の価値観の相違や人間関係のトラブルなど、予期せぬ問題に対応する必要も出てくるでしょう。

デメリット4：社会的信用の再構築

大学病院や地域の基幹病院といった大きな組織に所属している場合、その「看板」が大きな社会的信用となっています。開業するということは、その看板を外し、一個人の医師としてゼロから信用を築き上げていくことを意味します。これは患者様に対してだけでなく、銀行からの融資や、他の医療機関との連携（紹介・逆紹介）においても同様です。個人の医師としての実績と人間性が、あらゆる場面で問われることになります。

ご自身の価値観との照らし合わせ

まず大切なのは、ご自身の価値観や医師としてのキャリアプランを深く見つめ直すことです。何を「メリット」と感じ、どこまでを「許容できるリスク」と捉えるかは、先生一人ひとり異なります。「安定よりも、挑戦と自由を重んじるか」「経営の責任を負ってでも、理想の医療を実現したいか」など、自己分析を通じて開業という選択がご自身にとって本当に最適なのかを判断することが、後悔しないための第一歩です。

成功の鍵は、信頼できるパートナーとの連携にあり

開業に伴う経営上のデメリットは、先生の専門外の領域です。事業計画、資金調達、スタッフ採用、集患活動…これらの複雑な課題に忙殺され、本来最も注力すべき「診療」がおろそかになってしまっては本末転倒です。

DtoDコンシェルジュとは

医師が理想の医療を実現することを目指し、専任のコンサルタントがキャリアプランやQOL（クオリティ・オブ・ライフ）を考慮しながら開業を支援するサービスです。

DtoDコンシェルジュが選ばれる3つのポイント

1. 長年の実績と豊富なノウハウを持つプロフェッショナルが、先生の理想とするクリニック開業をサポートします。新規開業はもちろん、事業承継による開業まで、先生お一人おひとりのご要望に合わせた最適なプランと物件をご提案いたします。
2. 戸建て、テナント、継承開業、クリニックモールなど、多岐にわたる医院開業プランの中から、それぞれのメリット・デメリットを丁寧に説明し、先生にとって最善の選択肢を共に検討します。
3. 日本全国をカバーする広範な営業ネットワークを活かし、開業前の綿密なご相談から、開業後の経営サポートに至るまで、一貫したワンストップのサポート体制で先生を強力にバックアップいたします。