2012(平成24)年10月、翌年6月の創立35周年に向けた企画検討を広報グループで開始。会議を重ねるなか、当社の歩みを知る資料だった「総合メディカル30周年記念誌」に、あるエピソードを見つけました。
総合メディカル30周年記念誌
澁江めぐみさま
澁江家の記念写真
継承に関わる方々への取材が始まりました。 まずは、福岡県久留米市の澁江めぐみさまのお宅へ。 終始にこやかに取材に対応されるめぐみさまのお話から、夫である澁江義朗先生への優しい思いが伝わってきました。 頑固だが、強いリーダーシップがある。医師としての使命やビジョンを大切にする。代診は頼まず自分が診療するという方針や、新築移転の決断も、すべては患者さん第一の思いが根底にあったからだと感じました。 そして義朗先生が亡くなったあと、めぐみさまの強い思いがきっかけとなり、篠﨑俊郎先生の気持ちが動いたこと。「澁江整形外科」で篠﨑俊郎先生が故・義朗先生の医療への思いに出会うことで二人の志がつながる、運命的な継承が実現したエピソードに感動。 「診療所をお譲りした気がしない。お預かりしていたものを、お返ししただけ」という言葉がとても印象的でした。 そして、先代の院長夫人・篠﨑順子さまのお人柄を語るさまざまなエピソードから、めぐみさまと順子さまとの素敵な関係を知ることができました。 二つの家族がつながることで、地域医療を今も支えていることを実感しました。
次に、吉井町にある「しのざき整形外科クリニック」へ。
しのざき整形外科クリニック院長
篠﨑俊郎さま
篠﨑夏子さま
篠﨑順子さま
泉典子(いずみのりこ)さま
(スタッフ)
現在もこのクリニックには、俊郎院長の父・正俊先生や澁江先生の頃からの患者さんも多くお見えになり、その時代の話に花が咲くとのこと。また、お父さまの代から継続して働くスタッフの方もいらっしゃるなど、この地域になくてはならない医療機関だと感じました。 順子さまから語られた先代の正俊先生は、患者さんとすぐ打ち解けて、診療の合間にもいろいろな相談に乗っていらした様子。そして何より一途で、徹底して患者さん第一だったお人柄が、地域の人びとに愛された理由であったことがわかりました。 正俊先生が最初に開業した「篠﨑整形外科」の場所には、現在デイサービスの施設が建ち、今も地域の人びとを支えているとのこと。 そして俊郎院長が継承を決意されたときの確固たる意志、「そのとき、人生の岐路を感じた。ふるさとであるこの場所で、二人の医師の志を継ぐべき者は、私をおいて他にはいない」という言葉がとても印象的でした。 「父の代からの歩みを整理して物語としてまとめていただくことは、家族の歴史として貴重な財産となり、とてもありがたい」との言葉をいただき、広報グループメンバー全員が感激。 取材終了後は、元気なお子さんたちと一緒に待合ロビーで記念撮影。
澁江めぐみさま、「しのざき整形外科クリニック」の皆さまの取材後、次は当社の考え方や取り組みについての社内取材をスタート。当時の継承に携わった者はもちろん、地域医療貢献への思いをカタチにした「DtoD」に関わりのある者へ、その思いを語ってもらいました。 この取材をとおして、当社の経営理念である「社是・社訓」「わたしたちの誓い」が、すべての事業や取り組みの原点となっていることを改めて確認。これまで歩んできた道は確かに未来へと続いていました。 わたしたちは、医師ではありません。しかし、医師や医療機関の志を支えることはできます。それは、地域医療を次の時代へつなぐことであり、それが「DtoD」に込められた思いと誇り。 創業以来かわることのない、総合メディカルの存在意義であり、「よい医療を支え、よりよい社会づくりに貢献する」という使命そのものなのです。
2013年12月
総合メディカル株式会社
経営戦略本部 経営戦略部
広報グループ