開業事例

とじたま甲状腺・糖尿病クリニック

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とじたま甲状腺・糖尿病クリニック

開業タイプ 新規開業
科目 内分泌内科・糖尿病内科・内科
所在地 〒815-0033 福岡県福岡市南区大橋1丁目9-16
Lente FUKUOKA 2階
TEL TEL:092-554-1100
URL http://tojitama-clinic.com/index.html

インタビュー

開業のきっかけは何でしょうか。

玉井先生:
私は一度、医者とは別の道に進みましたが、糖尿病・内分泌を専攻していた父の影響を受け、34歳で医師になりました。いつかは開業したいという思いがあり、その際に武器となる専門性を身につけたいと考えたときに、父と同じ甲状腺の道に進むことを決めました。久留米市の新古賀病院で當時久保先生に出会った後、開業を視野に入れ、甲状腺の専門施設である神戸市の隈病院で経験を積んでいたころに、當時久保先生に「一緒に開業しよう」と誘われ、具体的に開業の準備を始めました。

當時久保先生:
糖尿病治療の、患者さんの人生に長く寄り添い続けるところにやりがいを感じて、糖尿病を専門にしました。糖尿病治療には栄養管理が不可欠なので、日本糖尿病学会糖尿病専門医に加えて、日本病態栄養学会病態栄養専門医などの資格も取っています。新古賀病院で糖尿病内分泌内科に勤めていたころに、同じ年で後期研修をしていた玉井先生と出会いました。玉井先生とは気が合い、長く付き合ううちに、一緒に開業したいと考えるようになりました。「一緒にやるならこの人」と思える相手だったので、共同経営での開業を決めました。

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副院長 當時久保 正之 氏(左)
院長 玉井 秀一 氏(右)

開業までにどのような準備をしましたか。

玉井先生:
開業を決めた後、親戚が勤めていた総合メディカルに相談しながら準備を進めました。開業時の資金繰りや、保険、職員採用、給与体系の構築、広報など、あらゆることを相談しました。その中でも、書類提出などは煩雑で管理が大変なため、手伝っていただいて助かりました。開業や経営に関すること以外にも様々な相談に対応してくれたので、安心して開業準備を進められました。

當時久保先生:
当院は、私と玉井院長が利益も経費も完全に折半して共同経営しています。このような経営の仕方は珍しいので、本当に実現可能か、総合メディカルや税理士とじっくり相談し、あらゆるシーンを想定してどう対応するか決めていきました。開業場所にこだわったため、開業場所を決めるまで2年間かかりましたが、その準備期間に周到に準備できたことは、よかったと思います。

クリニックの特色を教えてください。

玉井先生:
私が甲状腺、當時久保副院長が糖尿病をメインにして、甲状腺と糖尿病に専門特化している点です。特に検査機器やエコーなどを充実させ、甲状腺の免疫異常や橋本病の有無、甲状腺腫瘍の良性・悪性の診断、転移の有無など少ない待ち時間で完了することができます。
甲状腺疾患の罹患者は7割以上が女性なので、女性に配慮した工夫もあります。トイレは女性用を多く設置し、若い患者さんも多いので多目的トイレも完備しています。エコーなどの検査技師は女性を多く採用し、私たち男性に言いにくいことは、他の女性職員に気軽に相談できるよう、採用時には話しやすくて明るい雰囲気の職員を採用しました。

當時久保先生:
糖尿病の分野でも検査機器を充実させています。糖尿病の有無や種類を確定するための検査のほか、糖尿病の合併症として起こりやすい腎症や神経障害、動脈硬化の検査を院内でできるように完備し、定期的に検査しています。また、糖尿病の治療を円滑にするためには栄養管理が欠かせないので、管理栄養士が常駐し、簡単な調理指導ができる栄養指導室も設置しました。今は個別の栄養指導に注力していますが、コロナ禍を過ぎたら、患者会を本格的に始動して、患者さんと楽しみながら調理実習やハイキングなどの運動行事も開催したいです。

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検査は院内で当日中に完結するよう検査機器を充実。血算・生化学検査は40分、甲状腺ホルモンも1時間ほどで結果がわかる。
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腹部、心臓、甲状腺などのエコーの検査ができるほか、頸動脈や下肢動脈のエコーで動脈硬化を検査。
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管理栄養士による栄養指導で、糖尿病治療の効果をサポート。

開業地の決め手は何でしょうか。

玉井先生:
甲状腺疾患の診療圏は広いため、交通の拠点となる場所を探しました。当院は西鉄天神大牟田線の大橋駅に近く、福岡県随一の繁華街である天神や博多からも電車やバスでアクセスしやすい場所です。バスの路線の関係で、想定していなかった地域からも多くの来院があります。

當時久保先生:
その一方で糖尿病は診療圏が狭いです。糖尿病の患者さんは、以前に勤務していた病院から継続して診療している患者さんが多いので、前院の最寄駅である西鉄久留米駅から特急電車を利用して来院できる点でも、最適の場所でした。

開業から1年半。手ごたえはいかがですか。

當時久保先生:
開業後すぐに新型コロナウイルス感染症が流行し受診控えの影響もありましたが、患者さんが慢性的な病気を抱えながらも充実した生活ができるようにサポートし、地道に信頼関係を築いた結果、徐々に患者数も増えてきました。糖尿病と甲状腺疾患に専門特化しているので、一般内科よりも診療単価が高く、継続して計画的に来院していただける点が経営面のメリットでもあります。

現在の1日外来患者数は約30人、患者さんは全体で1,000人ほど。その半分は連携病院からの紹介で、特に近隣にある福岡赤十字病院、九州中央病院、福岡徳洲会病院からの紹介が多いです。先生方と信頼関係を築けていることが一番の理由ですが、それらの病院の待合で動画広告を流すなど、こちらからも積極的に広報活動をしています。

玉井先生:
職員採用の際には人柄を重視したので、疾患や検査機器の使用法などの専門的な教育は採用後に進めました。機器の使用法などで不明な点があれば、その都度メーカーの担当者にこちらから依頼して指導や勉強会をしてもらいました。しだいに職員も「どうしてこの検査をしたのか」など積極的にたずねてきてくれるようになり、専門的な知識も身についてきていると感じます。スタッフマネジメントの面でも共同経営のメリットがあり、私が職員を注意した時には當時久保先生にフォローしてもらったりと、役割分担ができています。

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待合室には新型コロナウイルスを考慮し、クリニックのロゴ入りのパーテーションを設置。
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糖尿病患者、女性、高齢者は骨粗鬆症にもなりやすいため、骨密度の検査機器なども設置。
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明るく話しやすいスタッフ。専門性を追求するため専門職が揃う。

今後の目標を教えてください。

玉井先生:
福岡県で甲状腺・糖尿病といえば、1番に名前が挙がるようなクリニックになりたいです。ユニークな名前も奏功して、だいぶん認知されてきたと感じていますが、これからもっと知ってもらえるよう頑張っていきたいです。

當時久保先生:
毎日真摯に診療を続けた積み重ねが、増患や増収につながると考えています。糖尿病も甲状腺も患者さんと長期的に関わる疾患なので、患者さんに当院にかかってよかったと思ってもらえるクリニックをめざします。

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病気があっても幸せな笑顔ですごせるように診療にあたる。

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