開業事例

ないとう腎・泌尿器科クリニック

ないとう腎・泌尿器科クリニックギャラリー
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ないとう腎・泌尿器科クリニックサムネイル
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ないとう腎・泌尿器科クリニック

開業タイプ 新規開業
科目 泌尿器科、女性泌尿器科、腎臓内科
所在地 〒468-0009 愛知県名古屋市天白区元植田2-304-1
TEL TEL:052-803-7110
URL http://www.naito-unc.com/

インタビュー

開業のきっかけを教えてください。

特に大きなきっかけは無かったのですが、大学時代の先輩の影響が大きく、腎・泌尿器科を目指すようになりました。腎・泌尿器科は、腫瘍から腎移植まで幅広いジャンルに関われるのが魅力でした。また、検査から診断・治療まで、すべてを診られることも、やりがいを持てると感じました。

大学卒業後の約20年間は地域の基幹病院で、主に尿管性器がん・排尿障害・腎臓病治療に携わってきました。10年間勤務した名古屋記念病院では、泌尿器科部長として、あらゆる泌尿器疾患を治療してきました。手術では、腹腔鏡下手術・内視鏡手術を中心に7,000例を経験しました。

ないとう腎・泌尿器科クリニックのイメージ
院長 内藤 和彦 氏

そのころは、手術だけに関わることがほとんどで、検査や診断は別の医師が行っていました。大病院は患者数が多いため、分担してチームで治療することは当然なのですが、患者さんと最初から向き合っていきたいと考えるようになりました。忙しい毎日に、やりがいは感じていたのですが、泌尿器科を目指した当初の気持ちに立ち返ってみようと思ったのです。

また、腰を据えて患者さんと向き合うには、開業が早道ではないか、こんな風に考え始めました。今後は在宅患者も増えていきます。自宅でのカテーテル管理等、地域に密着した治療を行っていきたいと考えたのです。

開業からオープンまでの流れを教えてください。

名古屋記念病院に勤務していたころ、手術が終了した患者さんを自宅に帰すことに苦労したケースがありました。入院管理の必要は無いものの、かかりつけ医による継続管理が必要な患者さんです。特に、天白区には泌尿器科が少なく、逆紹介できずに困っていました。私は、開業するなら、名古屋記念病院に近い場所で、病院と連携を取って治療していきたいと考えましたし、泌尿器科の少ない天白区であれば、地域の役に立てると思い、この地での開業を希望しました。

実際に動き始めたのは、開業2年前の2011年頃です。勤務しながらの開業準備でしたので、開業支援のコンサルタントを探し、何人かの方と話をしました。その中でも総合メディカルは、土地の選定からスタッフや薬局の手配など、幅広く支援してくれるため、一番しっかりしていると感じ、開業地の選択から手伝ってもらうことにしました。

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明るく広い処置室

開業したこの地は、古くからの住宅街ながら、中学校や高校も近くにあり、あらゆる年代の人たちが暮らしています。泌尿器科にとっては、対象となる患者さんが数多くいる好立地に開業できたと思っています。

どのようなクリニックを目指していらっしゃいますか。

開業の目的である「検査から診断、治療まで、一人の患者さんに一貫してかかわっていく」という姿勢を守っていきたいと思います。
スタッフにも、この姿勢は徹底させています。そのためにも看護師の役割は重要になりますので、名古屋記念病院時代から息の合った人に来てもらいました。他のスタッフは公募ですが、幸いにも優秀な方に来ていただくことができました。看護師や事務スタッフの対応の良さも、患者さんに選んでもらえている要因だと思います。

院内は、ゆっくりと落ち着いて過ごしていただけるよう配慮しています。受付や待合室は、白を基調に木材も暖かみが伝わるような造りにしました。大きな窓から柔らかい日差しが入るようにしています。女性の患者さんが多いこともあり、女性向けの雑誌のほか、小さな子ども用の絵本なども準備しています。

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最新のレーザー機器をとり入れた手術室

また、手術室の隣には手術後の患者さんのために回復室を設けています。ベッドのまま手術室に移動できるような動線を考え、扉を大きく取っています。
当院の施設は受付から手術まで、落ち着いて受診していただけるようなコンセプトとしています。

クリニックの特色を教えてください。

「かかりつけ医の役割」と「最新治療法の提供」に力を注いでいることだと思います。
まず「かかりつけ医の役割」については、高齢者に多い前立腺肥大症や過活動膀胱など、身近な疾患で悩んでいる人が、気軽に受診してもらえるようにしています。検査や診断はもちろん、一部の内視鏡手術を含め日帰り手術で対応できるようにしています。

近年は、尿失禁や骨盤臓器脱など、泌尿器科疾患で悩む女性も増えていることから、「女性泌尿器科」も標榜しています。女性には泌尿器科は受診しづらいというイメージがあるようですので、そのようなイメージがなくなる様に、環境の整備には非常に配慮いたしました。
当初の予想では、患者割合は男性が圧倒的に多いのではないかと予想していました。けれども、女性患者もあらゆる年代の方が受診されており、女性も受診しやすいクリニックになっているのではないかと感じています。

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回復室と手術室の間の扉は、患者さんの動線を考えて広くとっている

当院の特色として、もう一つは「最新治療法の提供」を取り入れていることが挙げられます。特に前立腺肥大症の外科的治療には最新のグリーンライトレーザーを使用した「光選択的前立腺レーザー蒸散術(PVP)」を導入しています。経尿道的に肥大した前立腺組織にグリーンライトレーザーを照射し蒸散させることで尿路のつまり(閉塞)を取り除く治療法です。
伝統的な手術療法の電気メスを用いた経尿道的前立腺切除術(TURP)と同等の有効性が得られる上に、副作用が少ないという利点があります。

全国でもまだ、40台ほどしか稼働しておらす、その中でも日帰り手術として行っているのは少数の医療機関しかありません。入院費を計上できないのは、経営者としては厳しいのですが、患者さんの負担を考えると、日帰り手術での対応が適切だと考えています。
一方、入院管理が必要で日帰り手術に適さない症状の患者さんは、名古屋記念病院や赤十字病院、藤田保健衛生大学病院など、環境が整った医療機関に紹介しています。入院環境の整った医療機関との連携により、一人ひとりに最適な治療法を選択し、できるだけ患者さんの負担が少ない方法を提案しています。

今後の目標を教えて下さい。

かかりつけ医として、いつでも気軽に受診できるクリニックを目指しています。子どもからお年寄りまで、まんべんなく関われるようにしていきたいと思います。現在の1日の外来数は約40人。開業から1年ですので、まだまだ慌ただしく過ごしています。

今後は、手術件数を増やしていくことが目標です。当院は、先進的なレーザー手術を導入し成果を上げていますが、まだまだ周知が進んでいませんので、当院の取り組みを認知してもらうことが大切だと考えています。泌尿器科専門医の先生方には、学会発表等を通じて取り組みを知ってもらうようにしていきます。

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第27回日本泌尿器内視鏡学会総会ランチョンセミナーでの「日帰りPVP手術」講演風景

また、近隣の開業医の先生方にも、もっと認知を進めていきます。他科の開業医の先生方からも、「泌尿器科を受診した方がよいのではないかと思う患者さんがいます」など、当院への問い合わせが増えてきました。今後は、かかりつけ医の先生方との勉強会も必要になるかもしれません。地域に密着した医療機関として、「かかりつけ医機能の充実」と「最新治療法の提供」を進めていきたいと考えています。

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