成功する開業テクニック

求められるクリニックの条件とは

患者さんがクリニックに何を望んでいるのかを事前に知っておけば、開業してから患者さんに満足してもらえるクリニック運営をすることができます。地域の患者さんが求めるクリニック像がわかれば、何をしなければならないかが見えてきます。

患者さんにきちんと治療方針を伝えているか

総合メディカルが実施したアンケート結果によると、「患者が医療機関に期待すること」で最も多いのは「治療方針についての説明」となっています。治療にあたり、いくつかの選択肢の中から、その患者さんに最適と思われる治療法を選ぶのが一般的ですが、なぜ、その治療を選ぶのか、その結果はどういうことが想定されるのかなど、医師からきちんとわかりやすく説明して欲しいと期待している患者さんが多いことがわかります。

患者さんは医師から詳しく治療方針を聞くことによって安心して治療を受けることができます。日頃からどのように話したら患者さんに自分の治療方針が正確に伝わるのかを考えておくことも必要です。

患者さんが医療機関に期待すること

患者さんが医療機関に期待することのイメージ
当社「医療機関に関するアンケート調査」より

看護師、受付は親切に対応してくれるか

上記のアンケートでみると、「患者が医療機関に期待すること」で「治療方針の説明」に次いで「看護師・受付の接遇」があげられています。 患者さんが来院して最初にコミュニケーションを交わすのが受付のスタッフです。クリニックの第一印象は受付スタッフの対応で決まるといっても過言ではありません。多くの患者さんが来院するのですから手際よく、好感が持てるよう、対応することが良い受付スタッフの条件といえます。

看護師、受付は親切に対応してくれるかのイメージ

また、患者さんが、自分の病気についての不安や日々の過ごし方、薬の飲み方など、医師に言えなかったことを、看護師にポロっと打ち明ける、というのもよくある話です。だからこそ、看護師の態度、対応はそのクリニックを評価する大きなポイントになります。 受付スタッフや看護師など院内の人材教育に関しては、きちんと研修を行い、開業したその日から患者さんに「このクリニックのスタッフは親切で好感が持てる」と評価されるようにしたいものです。

なお、総合メディカルでは、クリニックスタッフの採用から教育研修までに関わり、患者さんに高く評価されるスタッフの育成をサポートしています。

患者さんを待たせすぎていないか

厚生労働省の「受療行動調査」(平成26年)の「外来患者の診察等までの待ち時間、診察時間(基本集計)」によると、診察までの待ち時間で最も多かったのは「15分未満」で全体の25.0%、次に多かったのは「15分~30分未満」で24.1%となっています。

病院で診察を受けると長時間待たされるので、クリニックで診察を受けるという患者さんも多くいます。できるだけ患者さんを待たせないよう、予約システムを導入するなど、受付業務の効率化や最適化を図ることも大切です。

患者さんを待たせすぎていないかのイメージ

患者さんを紹介できる仲間や中核病院があるか

自分の専門外や高度な治療が必要な患者さんに対しては、ほかの医療機関を紹介する必要が生じます。 信頼できる医師との顔の見える関係を日頃からつくっておき、地域の中核病院の医師とのコネクションを持っておくことで、安心して診療を行うことができますし、患者さんもより安心して診察を受けられるでしょう。

地域の健康づくりに積極的か

開業医の役割の一つが地域医療への貢献です。地域の人たちの診療行為はもちろんのこと、介護施設、高齢者住宅運営会社、ケアマネジャーなどと連携した高齢者医療への取り組み、さらには健康教室の開催、在宅診療の展開など、地域の健康づくりに積極的に関わることによって、地域の人たちの信頼を得ることができます。

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