成功する開業テクニック

クリニック経営、成功するタイプ失敗するタイプ

これから開業しようとするとき、気になるのは「自分がクリニック経営に向いているかどうか」ということ。発想法や性格、人付き合いの良し悪しなどから開業に「成功するタイプ」か「失敗するタイプ」かを考えてみます。

計画を立てて目標を達成するタイプか?

開業する時期の決定、月々の集患数、年間の売上高と収益など、実際にクリニックを開業・経営するとなると、さまざまな目標を立て、達成していかなければなりません。そうした目標を達成するために重要なことは、「計画性を持っているかどうか」です。

「勤務医が嫌になった」「人間関係に疲れた」などの理由で、計画性もなく突然開業しても成功するのは難しいでしょう。あらかじめ家族に開業の意思を伝えておく、開業資金を積み立てるなど、計画的に実践しなければならないことが多くあります。

自分が計画性のあるタイプかどうかを自己診断してみることは、開業医で成功するタイプかどうかを判断する一つの目安になります。たとえば、1年間あるいは1カ月間の目標を設定して、それをクリアするためのスケジュールを組んでいるか、立てた計画を実行できているかなど、これまでの自分を振り返ることが大切です。

責任を担うことができるタイプか?

クリニックの開業を決心することは、「起業家」を選択したことを意味しています。勤務医であれば、何か問題が発生したときには、上司や同僚と問題の対処について話し合ったり、自身で解決が難しい場合は、最終的に上司や組織が責任を取ることもあります。

しかし、開業医になると医療に関してはもちろんのこと、経営に関しても責任を負うことが求められます。赤字経営にならずにクリニックを継続させる責任も問われてきます。 開業後に生じるさまざまな責任をおそれることなく担えることが開業医に求められます。

人脈をつくることが得意か?

開業医になると地域医療を推進する行政関係者、ケアマネジャー、介護士、高齢者住宅の経営者などまで、地域の中で活動する多くの人との出会いがあります。こうした人々との人脈をつくり、積極的に関わることができないと、開業医にとって重要な任務である地域医療に参加することもできません。

これまで自分がどんな人脈をつくってきたのかを振り返ってみるとよいでしょう。名刺交換した人の数、年賀状の枚数、1日のメールの本数などは、人脈を数値化できるツールです。これらを知人、医療関係者、行政関係者、趣味の付き合いなどに分類すると、ネットワークがどんな分野に広がっているのかを知ることができます。

人脈をつくることが得意か?のイメージ

人との付き合いが少なく、ネットワークの幅も狭いようなら自ら進んでコミュニケーションを図り、人脈をつくっていくことが必要になるでしょう。

好奇心が強く、勉強意欲を持っているか?

勤務医の場合には、職場にいれば学会や医療技術の動向など、最新情報に触れる機会が豊富にあります。

しかし、開業医になると、入手できる医療情報の量は限られてきます。世界の医療動向、最新の治療技術や薬理学情報など、開業医としても知っておくべき情報は多くあります。

そうした情報を入手するためには、好奇心が強く、勉強意欲が旺盛でなければなりません。人脈を広げてできるだけ多くの情報が入りやすい環境をつくり、現状に満足せず、新しい知識を習得する意欲を持つことが必要です。

好奇心が強く、勉強意欲を持っているか?のイメージ

他人の意見を素直に聞けるタイプか?

開業医は医院の経営のすべてにおいて物事を決定することが求められます。したがって、決断力に優れていることが重要な資質ですが、決断力に優れていることは独善的であることとは異なります。他人の意見にきちんと耳を傾けることができる度量の大きさも求められます。

例えば、看護師や医療スタッフから職場環境についての改善案が出された場合など、その提案が合理的であり、納得性の高いものなら採用して、より働きやすい環境をつくることも大切です。

完璧でなければ気が済まないタイプか?

開業医は、クリニックに関するすべてに責任を取る立場であるため、あらゆることを完璧にしなければならないと考えがちです。自分の考え方や、やり方と異なる事柄があると口を挟みたくなるかもしれません。

しかし、あまりにも完璧でありすぎると職場は窮屈になり、ぎすぎすした雰囲気になりかねません。医療に直結する問題がない限り、多少のことは受け入れる寛容さを身につけることが、クリニック運営を円滑に進めるためには不可欠です。

失敗を恐れない、楽観的なタイプか?

開業医の経営がすべてうまくいくとは限りません。トラブルが発生することもあるでしょう。しかし、そこで毎回深く落ち込んでしまうようでは、成功はおぼつかないでしょう。少しくらいの失敗にはめげずに、前向きに捉えるだけの精神力を持っていることが、開業に成功する条件の一つです。悲観主義ではなく、どちらかといえば楽観的なタイプの方が開業に向いていると言えるでしょう。

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