開業事例

喜島クリニック

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喜島クリニックサムネイル
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喜島クリニック

開業タイプ 継承開業
科目 外科、内科、消化器科、乳腺科、リハビリテーション科
所在地 〒880-0051 宮崎県宮崎市江平西1-4-19
TEL TEL:0985-31-8777
URL https://kijima-geka.jp

インタビュー

開業のきっかけは何でしょうか。

宮崎の高校を卒業後、栃木県の獨協医科大学へ進学し、卒業後は同大学病院の第二外科へ入局しました。手術や診療を続けながら大学院でも勉強し、いろいろな病院などへ派遣もしました。そんな忙しい日々を過ごす中、いつの頃からか「故郷の宮崎に戻って自分のクリニックを構え、患者さんとより近い関係で医療を提供したい」と考えるようになり、徐々に開業を意識するようになりました。

大学時代から栃木にいたため宮崎には医師の知り合いがいませんでしたので、宮崎の医療情勢を学びながらいろいろな医師とネットワークをつくるためにも、宮崎県立宮崎病院に2年間勤務し、2018年に喜島クリニックを開業しました。

喜島クリニックのイメージ
院長 喜島 博章 氏

開業までは順調でしたか。

総合メディカルにクリニックを譲りたい先生を見つけていただき、建物や機器をそのまま引き継ぐ、いわゆる継承の形での開業となりました。前クリニックの院長の専門は脳神経外科で、クリニックの2階でリハビリもしておりました。閉院は2018年6月末の予定と聞きましたが、総合メディカルから、患者さんをそのまま引き継ぐには、休診期間を出来るだけ短くすることが良いとのアドバイスをいただき、休診期間を2018年7月から、開院の8月8日までの約1ヵ月間と決めました。前院長の方針で、閉院する6月に入ってから職員や患者さんに告知することになったため、6月と7月の実質2ヵ月間で継承開業の準備を進めました。

6月の1ヵ月間は前院長とともに診療に入り、患者さんの引き継ぎを行いました。職員募集も2ヵ月間に限られていたため、急ピッチで進めなければなりませんでした。新しいクリニックのコンセプトを「元気で明るく活気がある雰囲気」「医療側が病気を治してあげるのではなく、患者さんが病気を治そうとするためのサポートをしていく医療」と決め、職員面接の際にはこのイメージに合う人を採用していきました。前クリニックから受付1人、看護師2人に残っていただき、女性検査技師と理学療法士を含む6人を新しく採用し、計9人のオープニングスタッフで開業しました。

建物は、2階のリハビリ室はそのまま使用し、1ヵ月間で1階部分のリフォーム工事を行いました。内視鏡検査機器やマンモグラフィなど新しい医療機器や電子カルテなども導入して開業に備えました。開業や経営は全く初めての経験でしたので、開業までの進行の仕方や建物の改装など、さまざまな点で総合メディカルの力を借りて、なんとか短い期間での開業を実現しました。

喜島クリニックのイメージ2
女性技師によるマンモグラフィをつかった乳がん検診。

クリニックの特色を教えてください。

当院は「内視鏡検査」「乳がんの検診と術後フォロー」リハビリテーション」の3本柱を軸にしています。

獨協医科大学病院に勤務していた頃から、胃や大腸の症例を多く経験し、内視鏡による術前検査・術後フォローなどもやっていましたので、胃カメラと大腸カメラでの内視鏡検査を当院の特徴の一つにしたいと考えました。スタッフのほとんどが内視鏡検査の経験がありませんでしたので、医療機器メーカーなどに協力を依頼して勉強会を実施し、開院までの短い期間で徹底的に訓練しました。また開業後も定期的に勉強会などを実施し、技術の向上を図っております。

胃カメラは経鼻と経口を患者さんが選べるようにし、朝食を食べていなければ予約なしで当日にも対応できるようにしています。大腸カメラは下剤を使用しますので、トイレ、洗面台、ソファ、ベッドなどを完備した個室の控室を新しく作りました。DVDプレイヤーなどを設置して、患者さんがリラックスして過ごせるように工夫しました。

乳がんの検診と術後フォローを始めたのは、県立宮崎病院で勤務していた際にお世話になった先生が、宮崎には乳腺科のクリニックや中小病院が少ないと常々話されており、この分野で地域に貢献しようと考えたためです。宮崎県内で、まだあまり機能していなかった医療連携パスを活用させ、少しずつ病診連携を強固にされていたので、当院も連携施設に加わりました。そして、患者さんが受診しやすいよう、女性技師によるマンモグラフィを活用した乳がん検診を特色にしました。乳腺科の連携体制が整っていたおかげで、現在は乳腺関係において手術の症例数が多い病院などと患者さんを紹介し合える関係ができ、ともに患者さんを支えています。

リハビリテーションについては、継承前の患者さんを引き継ぎつつ、新規の患者さんに対してもいろいろな治療計画を立てて行っております。前院長が脳神経外科の専門だったため、脳疾患の後遺症がある方や、整形外科分野のリハビリの患者さんも多くいます。継承前からリハビリに従事していた看護師に引き続き残ってもらい、さらに新しく理学療法士も雇用して、リハビリ機能を強化しました。

当院のターニングポイントとして、企業健診を開始したことで内視鏡検査の件数が増加しました。また、2019年2月にリハビリ室に医療用ヘルストロンを設置し、それに伴った治療をすることで、リハビリ関連の新たな患者獲得にも繋がりました。その結果、開院当初では約50人であった1日の平均外来患者数が、現在は100人から120人にまで倍増しています。

喜島クリニックのイメージ3
上部消化管内視鏡検査は、当日予約なしでも受けられる。
喜島クリニックのイメージ4
理学療法士を採用しリハビリ機能を強化。
喜島クリニックのイメージ5
2階リハビリ室。右側の医療用ヘルストロンが好評で増患にも繋がった。

経営を軌道にのせるために工夫したことはありますか。

勤務医時代は診療に集中していればよかったのですが、開院後は経営についても考えなければなりません。まずは宮崎の医師とのネットワークをさらに広げるために、消化器の医師が集まって月1回症例検討を行う会に参加することから始め、その他いろいろな分野の勉強会にも参加するよう心がけました。そういう場でいろいろな開業医の先生方、専門性に優れた勤務医の先生方などと情報交換をして、診療・経営などについて相談できる関係を築きました。

また、宮崎市内には、宮崎市郡医師会の定める地域別の医師の班があります。私の所属している班は、他の地域と比較しても医師数が多く50人以上の医師が所属しております。開業医も多く、いろいろな専門分野の医師同士が連携して、検査や読影を依頼し合う関係が出来ています。

そして、職員マネジメントについては、私の妻でもある事務長が担っています。採用の際に当院の2つのコンセプトに合う、元気で明るい職員を厳選したため、仲が良く意見を言いやすい雰囲気はできました。それでも院長の私には直接言いにくいこともあると思うので、事務長が間にたって職員とのコミュニケーションを円滑にしています。

喜島クリニックのイメージ6
「元気で明るく活気のあるクリニック」のイメージに沿った職員が集う。

今後の取り組みを教えてください。

今後も「内視鏡検査」「乳がんの検診と術後フォロー」「リハビリテーション」の3本柱を強化していこうと考えています。周囲のクリニックの先生方にも、内視鏡検査とマンモグラフィ検査で存在感を示し、紹介数を増やせるようにアピールをしていきたいです。

前院から引き継いで使用している医療機器もありますが、古いものも多いため、それらを新調し、さらに機能を強化するための新しい医療機器も導入する予定です。今後も患者様ファーストの医療を提案していくよう努めていきたいと思います。当院も徐々に忙しくなってきており、昼休み返上で仕事をしてくれるスタッフもいます。そういうスタッフやバックアップしてくれる周囲のドクターなどに支えられ今の自分があると思うので、その一つひとつに感謝しながら医療を進めていきたいと思います。

喜島クリニックのイメージ7
喜島院長のモットーは“支える医療”

今後、患者数がもっと増えても、一人ひとりの患者さんとの会話や関わりを大切にして、クリニックのコンセプトである「元気で明るく活気がある雰囲気」「医療側か病気を治してあげるのではなく、患者さんが病気を治そうとするためのサポートをしていく医療」を実践し続けるクリニックであり続けたいと思います。

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