ありかわクリニック(宮崎県)の医院開業事例


外観


内装

開業タイプ 新規開業
所在地 宮崎県宮崎市
科目 脳神経外科、リハビリテーション科
病床数 なし
ありかわクリニック
〒880-0933 宮崎県宮崎市大坪町西六月2210-1
TEL:0985-86-7272

インタビュー

開業のきっかけを教えてください。

院長 有川 章治氏 宮崎医科大学(現・宮崎大学)の学生時代、教授や助教授など2~3人の教官に、学年の垣根を超えた10人程度の学生が指導していただく、担当教官制度がありました。そこで私は、脳神経外科の木下和夫教授に出会いました。先生はとても理知的で、学生に接するときは常に笑顔で接していらっしゃいました。先生のもとで働きたいと思い、脳神経外科を志しました。

入局直後にも拘らず木下先生は、朝のカンファレンスで、私のような新人医局員に対し、あいまいな説明を許さず、厳しく指導してくださいました。先生に教えていただいた「人の言うことをうのみにするな。自分の目で確かめろ」という言葉は、医療にたずさわる中で、常に肝に銘じてきました。

また、都城市郡医師会病院では、脳神経外科のほかに救急外来も担当させていただきました。頭部外傷はもちろん、熱傷、急性薬物中毒、循環器疾患、感染症など、多岐にわたる疾患の経験ができました。その後9年間お世話になった宮崎市の潤和会記念病院は、救急医療や脳神経外科領域で中心的な役割を果たしてきた病院です。

脳外科だけで年間1000人の入院患者さんがおり、そのうち6割が脳血管障害、いわゆる脳卒中の患者さんでした。くも膜下出血などの出血性疾患の手術をたくさん経験させていただき、一般的な手術技量を身につけました。加えて、同院は現・名誉院長の呉屋先生が脊椎手術を得意とされており、県内はもちろんのこと、九州管内からも多くの患者さんが来られていたため、私も脊椎の手術をたくさん経験させていただきました。

長年、手術や救急現場を中心に活動し、外科医として救急対応、手術、当直に明け暮れる日々を過ごしておりましたが、50歳を目前に、徐々に体力の衰えを感じ始めました。その半面、外来で患者さんたちといろんな話をすることが面白くなり、医療のことから趣味、政治・社会などについて話すことで、患者さんたちとの距離が縮まっていくことを実感しました。また、脳卒中の原因となる高血圧症・糖尿病・高脂血症などの基礎疾患、喫煙などの嗜好への十分な管理が必要なことを感じると同時に、地域医療への関心も高まっていき、開業を決意しました。
開業までに苦労はありましたか?
宮崎市内でいろいろと土地を探しましたが、最終的には現在の土地に決めて良かったと思っています。このあたりは、以前田んぼだったのですが、5年前に市内へのバイパス道路が開通し、人通りが増えた地域です。それに伴い、クリニックの進出も増えており、当院のほかに循環器科、耳鼻咽喉科、整形外科、小児科、皮膚科などが開設されています。いずれも宮崎大学医学部関連の先生方ですので、医師会の勉強会を通じて各科との情報共有や知識も増やすことができます。まさに“メディカルビレッジ”のような感覚で、患者さんの紹介も進んでいます。

当院は2015年の開院で、当初、患者さんは少なかったのですが、今では70歳代を中心に少しずつ増えています。雑誌のインタビューを受けたり、ホームページを開設したりもしましたが、やはり口コミの力が大きいと感じています。

  • 待合室で体調の悪そうな患者さんがいれば、看護師がすぐに駆けつける。

  • 診察の前に看護師が問診することで、患者さんが話しやすい雰囲気に。

  • 患者さんに優しく説明する有川院長。
クリニックの特色を教えてください。

「患者さんが理解しやすい言葉を使って説明するよう心がけています」と話す。

MRIを操作する技師も、優しい声掛けで患者さんを安心させる。
患者さんの多くは、私の親と同じくらいの世代です。父とは照れくさい部分もあり、あまり話をしませんでしたが、患者さんと話していると、「年をとると、こんな風に考えるのか」など、気づかされることがたくさんあります。親とあまり話していない分、患者さんといろいろな話をしたいと思っています。

患者さんに接する際、特に気をつけているのが、分かりやすい言葉への言い換えです。“脳梗塞”ではなく、“脳の血管が詰まっている”と言い換えると、患者さんは理解しやすくなり、また、患者さんが話しやすい雰囲気を作ることで、患者さんからも話してくれるようになりました。患者さんの訴えをきちんと聞くことで、適切な診断につながると思います。

めまいがあるとき、患者さんは脳神経外科を受診したらよいのか、耳鼻咽喉科なのか、悩まれるようです。お話をうかがい、当院で担当すべきか、他科を紹介すべきか、適切な診療科につなげられるよう“水先案内人”になれるといいなと思います。

幼いころ、祖父母から私まで、家族全員を診察してくださっていたかかりつけ医の先生は、大人になってうかがうと、もともとは産婦人科だったといいます。この先生や、映画「三丁目の夕日」で三浦友和さんが演じた医師のように、私もオールマイティに診療できる医師を目指したいと思います。

また、当院は「適切な検査、適切な診断、適切な治療」をモットーにしています。MRIは1.5テスラの機器を導入し、動脈硬化の程度を調べるABI検査、めまいの状態を見る重心動揺記録計も取り入れています。中でもMRIは、脳神経外科専門病院の導入機器と同等の精度で、検査の際大きな力となっています。

頭痛を訴えて当院を受診された方で、くも膜下出血や脳出血を発見し、救急車で手術のできる提携病院に転送した方もいらっしゃいます。「頭痛くらいで脳神経外科病院を受診していいのかしら」「病院は待ち時間が長い」と感じている患者さんに気軽に当院を受診してもらいたいと思います。

夏場は、脱水を原因とする頭痛やふらつきで受診される方も多くいらっしゃいます。我慢せずに気軽に、受診していただけるクリニックにしていきたいと思います。

  • めまいの状態を調べる重心動揺記録計。

  • 1.5テスラのMRIでクリアな画像を描き出す。

  • 動脈硬化の程度を調べるABI検査。
今後の目標を教えてください。

看護師、技師、事務スタッフ全員で患者さんを支えている。

リハビリルームは、古本やCDを置き、リラックスできる雰囲気。
将来的に在宅医療も視野に入れたいと思っていますが、まずは地域に浸透し、外来患者数を増やしていきたいですね。

最近、「薬物乱用性頭痛」の方が増えています。もともと、片頭痛や緊張性頭痛を持っていらっしゃる方に多いのですが、激しく痛むのが不安だからと頻回に薬を飲むことで、さらに痛みが増す症状です。そのため、頭痛外来を開設し、薬の的確な使用法なども指導していかなければいけないと感じています。

また、認知症の診断もきちんとできるようにしていきます。これまでは認知症の患者さんと接する機会があまり多くありませんでしたが、とても興味を持っています。今後更に高齢者が増え、国の施策が在宅医療へと向かっている中、地域医療の一翼を担うには認知症の方への対応は欠かせないと考えています。

もう一つ、私は当院をリラックスできる癒しの場にしていきたいと思っています。私は古本屋さんめぐりと音楽が大好きなのですが、当院のリハビリルームは、本とCDをたくさん置いています。いずれも、私が昔から集めてきた物で、貸し出しもしています。図書館のように整然としていませんが、古本屋さんには本を見つけ出す楽しみがあります。当院も、古本屋さんのようにふらっと入れて、お茶を飲みながら音楽を楽しめるようなリラックスできる場にしていきたい。患者さんではなくても、地域の人が来やすい場にしていきたいと思います。

経営者としては、やっと1年が経過したくらいですから、これからもいろいろな試練が待っているでしょう。50歳を超えましたが、第二の人生で、まだまだ成長していきたいと思っています。
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