「患者さんが理解しやすい言葉を使って説明するよう心がけています」と話す。
MRIを操作する技師も、優しい声掛けで患者さんを安心させる。
患者さんの多くは、私の親と同じくらいの世代です。父とは照れくさい部分もあり、あまり話をしませんでしたが、患者さんと話していると、「年をとると、こんな風に考えるのか」など、気づかされることがたくさんあります。親とあまり話していない分、患者さんといろいろな話をしたいと思っています。
患者さんに接する際、特に気をつけているのが、分かりやすい言葉への言い換えです。脳梗塞ではなく、脳の血管が詰まっていると言い換えると、患者さんは理解しやすくなり、また、患者さんが話しやすい雰囲気を作ることで、患者さんからも話してくれるようになりました。患者さんの訴えをきちんと聞くことで、適切な診断につながると思います。
めまいがあるとき、患者さんは脳神経外科を受診したらよいのか、耳鼻咽喉科なのか、悩まれるようです。お話をうかがい、当院で担当すべきか、他科を紹介すべきか、適切な診療科につなげられるよう水先案内人になれるといいなと思います。
幼いころ、祖父母から私まで、家族全員を診察してくださっていたかかりつけ医の先生は、大人になってうかがうと、もともとは産婦人科だったといいます。この先生や、映画「三丁目の夕日」で三浦友和さんが演じた医師のように、私もオールマイティに診療できる医師を目指したいと思います。
また、当院は「適切な検査、適切な診断、適切な治療」をモットーにしています。MRIは1.5テスラの機器を導入し、動脈硬化の程度を調べるABI検査、めまいの状態を見る重心動揺記録計も取り入れています。中でもMRIは、脳神経外科専門病院の導入機器と同等の精度で、検査の際大きな力となっています。
頭痛を訴えて当院を受診された方で、くも膜下出血や脳出血を発見し、救急車で手術のできる提携病院に転送した方もいらっしゃいます。「頭痛くらいで脳神経外科病院を受診していいのかしら」「病院は待ち時間が長い」と感じている患者さんに気軽に当院を受診してもらいたいと思います。
夏場は、脱水を原因とする頭痛やふらつきで受診される方も多くいらっしゃいます。我慢せずに気軽に、受診していただけるクリニックにしていきたいと思います。