世界各国で日々、研究者たちがさまざまな医療研究に取り組んでいます。そのひとつとして、今回はISS(国際宇宙ステーション)で始動される「Five Organs-on-Chips」と呼ばれる、実験プロジェクトについて紹介します。一体どのような目的でどういった内容の実験が行われるのでしょうか?
1998年に建設が開始され2000年11月に始動した「ISS」は、実験・研究、地球や天体の観測などを行うことを目的とした有人宇宙ステーションです。ステーションに滞在するクルーは通常約6ヶ月ごとに交代しており、米国、日本、カナダ、欧州各国、ロシアなどを含む15ヶ国の科学者たちが、宇宙環境下で科学や技術の進歩のために日々さまざまな取り組みを行っています。
国際社会において、宇宙はこれまで「どの国が先を行くか」という競争の場となってきました。しかしISSの実現により、世界各国がお互いの技術や研究を持ち寄り協力し合う「国際協力の場」が誕生しました。これにより宇宙は世界が協力して、今後の世界の発展を助けるための努力を行う場へと変わったのです。
今回ご紹介する「five organs-on-chip」と呼ばれるプロジェクトは、CASIS(Center for the Advancement of Science in Space)とNIH(National Institutes of Health)の一部の組織であるNCATS(the National Center for Advancing Translational Sciences)のコラボレーション・プロジェクトです。このプロジェクトは4年にわたり実施される予定となっており、Microgravity(微小重力)が人体に与える影響に関して調査する研究5種を含んでいます。この5つのプロジェクトにおいて、最初の2年間の資金である600万ドルをNCATSが支給します。
NCATSのdirectorであるChristopher P. Austin医学士は「CASISの協力によりISSでtissue chipの科学研究を行えることは、病気への理解を深めたりヒトの健康を向上させたりするための素晴らしい機会である」と述べています。当プロジェクトの成果を出すことができれば、将来的には動物実験を行わずとも、より良い治療薬や治療法が見つかるようになるかもしれません。
このプロジェクトで行われる5つの研究テーマは以下のとおりです。
世界中の人々の健康状態の向上に向けてさまざまな研究を行う今回のプロジェクトは、その結果に対する関心が非常に高いものです。それぞれの研究結果が病気に関する世間の理解をより深め、それが人々の健康を改善していくための大きな成果となるよう願います。
DtoD会員約33,000名対象にアンケートを実施しました。
ドクターライフをより快適にするための情報や、患者さんとのコミュニケーションに使えるお役立ち情報を紹介します。
全国500名のドクターの本音を大公開。市中×医局ドクター「ぶっちゃけトーク」満載のスペシャル座談会です。
医療マンガの著者に苦労やエピソードを語って頂きます。