1. 大人にも昼寝は必要!午後の1時間睡眠で認知力アップ

海外医療トピックス

2017.05.29

大人にも昼寝は必要!
午後の1時間睡眠で認知力アップ

忙しい毎日の生活のなかで疲れがたまってくると、ついついうっかりミスをしてしまった……ぼんやりしてしまった……そんな経験をしたことがある人は少なくはないでしょう。「そんなときは思い切って昼寝をすれば、疲れた脳がすっきり回復する」といった話を聞くことがありますが、この「昼寝」には、一体どれくらいの睡眠時間が適しているのでしょうか。ジョンズ・ホプキンズ大学の研究結果による、オススメの昼寝時間を紹介します。

精神と体を休息させる「昼寝」

年をとって脳の機能が低下するのに伴い、人間の認知機能というものは、どうしても低下傾向になりがちです。認知症やアルツハイマーという病気が発生してしまうと、自分自身の世話ができなくなることで従来の生活に支障が出ます。それに伴い、本人や家族にとって多くの問題が発生するようになります。

これまで「脳」に関するさまざまな研究が世界中の科学者や医師によって行われてきましたが、脳の仕組みにはまだまだ未知の部分がたくさんあります。過去の研究結果に基づくと、精神・肉体を健康に保つことが脳の健康状態を良いものに保つための秘訣のひとつであるということがわかっています。今回ご紹介する研究では、精神や肉体を休息させるうえで効果がある「昼寝」に焦点を当て、午後に昼寝を取ることが脳の認知能力にどのような結果を与えるのかということを確認しています。

昼寝の長さと認知力の関係を調査

今回の調査を行ったのは米国メリーランド州にあるジョンズ・ホプキンズ大学のJunxin Li博士とそのチームメンバー。調査の内容は、昼食後の昼寝(自己申告制)と認知力の関係について調べるというものでした。

調査対象となったのは2,974人の中国人(65歳以上)で、調査対象者は普段の昼寝時間により「昼寝をしない:1,257人」「30分未満(short):286人」「30~90分(moderate):1,041人」「90分より多い (extended):390人」の4つのグループに振り分けられました。対象者の年齢は、中間層で71.4プラスマイナス5.4歳、うち48.7%が女性でした。調査対象者はそれぞれ、注意力、エピソード記憶、視空間能力など、さまざまな項目に関する調査を受けました。

認知力が最も優れていたのは?

今回の調査では対象者の57.7%が昼食後の昼寝を行っていると申告しており、その平均昼寝時間は63分でした。調査結果をグループごとに比較した場合、昼寝時間が39~90分の“moderate”グループが、昼寝をしないグループや“extended”グループより全体的な認知力が優れているという結果になりました。また、昼寝をしないグループと“short”グループを比較した場合、昼寝をしないグループの認知力が著しく低いという結果も出ています。

また、TICS(電話ベースの認知症診断)でも“moderate”グループが昼寝をしないグループ、“extended”グループの両方と比べて有意差のある高得点を得ました。言語記憶の項目でも昼寝をしないグループより“moderate”グループが、有意差のある高得点を得ています。

しかし、これらの情報はあくまでも「観察」結果であり、昼寝と認知力の正確な関係性については、より詳しい調査を続けていく必要があるというのが、今回調査に携わった人々の見解です。まだまだ奥の深い「脳」の世界。さまざまな視点から脳の働きを調査し、究明していくことは、認知症の予防法や治療法の発見だけでなく、社会人の仕事効率化や、子供たちの学習効率化にもつながっていくかもしれません。

まとめ

脳の疲れの回復や脳の老化防止に「最適」な脳の休息時間がわかれば、生活のルーティンの中に「昼寝」を組み込むというアイデアが定着するかもしれません。高齢者はもちろん、子どもを含むさまざまな年齢の人々にとって「昼寝」がどのようなメリットを与えるのかも、今後非常に興味深いテーマとなりそうです。

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