1. AIが今熱い!医療分野の未来を支えるAIスタートアップ

海外医療トピックス

2017.05.16

AIが今熱い!
医療分野の未来を支えるAIスタートアップ

インターネットの普及や医療データの電子化に伴い、患者さんや病気に関するさまざまなデータへのアクセスが容易になっています。こういったデータをもとに必要な情報を発見したり、最適な改善策を教えてくれたりする“AI(人工知能)”は現在、医療を含む多くの分野で期待が高まっているテクノロジーです。そこで今回は、AIテクノロジーを駆使した医療サービスの開発に取り組んでいるスタートアップをご紹介。医療のどういった分野でAI導入が行われているのか、現状をチェックしてみましょう。

IBM WatsonPaths

「WatsonPaths」は医師・データ・電子カルテ間のインタラクションをより自然でスムーズなものにしようというプロジェクト。米国オハイオ州クリーブランド市にあるケース・ウェスタン・リザーブ大学の医学部とIBM社のコラボレーションによるもので、「Watson」と呼ばれるIBM社のAIアルゴリズムを活用しています。

シナリオに基づいた質問にAIが回答し、医師がより素早く正確な診断を行えたり、より的確な治療法を判断できたりするようになるシステムです。WatsonのAIは「Paths」のほかに、薬品開発・患者のエンゲージメント向上・腫瘍学・ケアマネージメントといった医療分野でも活用されています。

Careskore

米国イリノイ州シカゴ市のスタートアップ「Careskore」は、医師やヘルスケアシステム向けのクラウドベースの予想解析プラットフォームです。Careskoreの目的は、Zeusと呼ばれる独自のアルゴリズムを活かし、患者さんの「臨床データ」「ラボ・データ」「人口統計学的属性」「行動データ」を組み合わせて、患者さんの再入院の可能性を予測してくれるというものです。

リアルタイムで評価が行えるのがキーポイントで、その結果を活用することで、医師や病院は患者さんに提供するケアの質を向上させることができます。またCareskoreにはリスク評価のほかにも「患者さんのエンゲージメント向上」「適切なケアプランの選択」「CCM(慢性病のケアマネージメント)」などを目的とした、各種プラットフォームがあります。

Sentrian

ロンドンのentre for Health and Human Performance Ltd(CHHP)の設立者であるJack Kreindler医師の下に発足した当スタートアップは、初の「Remote Patient Intelligence Company」です。Remote Patient Intelligenceというのは、バイオセンサーやマシーンラーニング(機械学習)といった最新テクノロジーを活用することで、遠隔地(例:自宅)にいる患者さんの入院率を低下させることが目的のシステムです。

米国では近年、慢性疾患の罹患率の上昇や慢性病に対する医療費の高騰が問題になっており、こういったシステムを導入することで、解決策を見つけていこうと試みています。

Deep Genomics

カナダ・トロント大学のBrendan Frey教授の下に設立された「Deep Genomics」は、マシーンラーニングとゲノム生物学を組み合わせたシステムです。当システムを使うことで、細胞内のDNAが自然にまたは治療を施すことによって、どのような遺伝的変異を起こすかを予想することができるようになります。

Deep Genomicsでは新たなマシーンラーニングの方法を開発。それにより大量のデータの中からパターンを発見することが可能となり、細胞がどのようにゲノムを読み取り、生体分子を生み出すのかを推測できるようになります。

まとめ

医療界のさまざまな分野でAIテクノロジーの実用化が進んでいけば、医師はより多くの情報にアクセスすることが可能となり、診断・治療の質を向上させることができます。それにより人々の健康状態も向上し、結果的には入院や治療にかかるコストを抑えたり、医師や医療スタッフの労力を削減したりすることが可能になってきます。今後の医療界を大きく進化させていくテクノロジーのひとつとして、AIはますます注目を浴びる存在となっていくことでしょう。

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