1. 長寿に有利なスポーツ第1位は「ラケット競技」英国の健康調査を分析したランキング結果

海外医療トピックス

2017.05.09

長寿に有利なスポーツ第1位は「ラケット競技」
英国の健康調査を分析したランキング結果

冬は太りやすい季節です。その一方で、年末年始で増えた体重を元に戻すべく、新たにスポーツを始めようと抱負を固める人が多い季節でもあります。適度な運動習慣はダイエット以外にもさまざま健康上の利点が期待できますが、長寿につながるスポーツがあるとしたら一体どれでしょうか?
今回は、英国のスポーツ医学専門誌で発表された研究をご紹介します。

英国の成人8万人以上の年次健康調査を分析

今回発表された研究のテーマは、死亡率と各種スポーツの関係を調べ、どういったスポーツが最も有益であるかを調べることです。そのため研究チームは、1994年から2008年の間におこなわれた英国およびスコットランドの年次健康調査のデータを分析しています。

分析対象とした成人の平均年齢は52歳。11回分の年次健康調査データから合計80,306人について、過去4週間にどのような活動をしたか、またそれらのうちどの活動で汗をかき息が切れたかという質問結果に注目したとのことです。

この研究発表の話題を報じた海外の医療系サイト「メディカル・ニュース・トゥデイ」によると、回答者のうち、健康維持のために推奨されている身体活動レベルに達していた人は44%でした。研究チームは各人を平均9年間追跡し、その間に8,790人が死亡、うち1,909人が心臓病や脳卒中で亡くなったとのことです。

長寿に有利なスポーツランキング第1位は「ラケット競技」

今回調査したスポーツは、「サイクリング」「水泳」「エアロビクス、体操、ダンス」「ランニング、ジョギング」「フットボール、ラグビー」「バドミントン、テニス、スカッシュ」の6カテゴリーでした。

また、調査対象者が「汗をかき息を切らせた」活動の中には、スポーツ以外に「日曜大工」や「ガーデニング」などの雑用も含まれていたようです。そして、観察研究の結果、各種のスポーツをおこなっている人々の死亡率がそれぞれ異なっていることがわかりました。まったく運動をしなかった人々と比べた結果は、以下の通りです。

  1. ラケット競技(バドミントン、テニス、スカッシュ):死亡率47%低
  2. 水泳:死亡率28%低
  3. エアロビクス:死亡率27%低
  4. サイクリング:死亡率15%低(循環器疾患に対する予防効果は認められず)

上記はすべての死因について死亡率を比較した結果ですが、循環器疾患の予防効果に限った場合は「サイクリング」「ランニング、ジョギング」「フットボール、ラグビー」に効果が見られませんでした。さらに、「フットボール、ラグビー」については、季節限定で取り組むケースが多いというスポーツの性質上、健康への明確な効果が見えにくい可能性があるとのことです。

意外にもジョギングが長寿には無効という結果に

ランニングやジョギングなどは特に健康によいイメージのあるスポーツですが、今回の研究においては、長寿に関しては有益ではないという結果が出ています。もっとも、調査の過程では、運動として走っていた人の死亡率が43%低く、循環器疾患に限っては45%低いというデータがあったようです。しかしながら、交絡変数(こうらくへんすう)を調整した時点でその効果は無効になってしまったといいます。

また、スポーツの強度については、高いほど長寿に有益なものもあれば、ある一定の強度を越えたところで逆に利益の下がるものもありました。運動強度と長寿の関係性についての結果はいまだ暫定的ですが、引き続き研究が進めば健康に有益な種目と強度が明確となる可能性もあります。

各スポーツによって長寿への貢献度が異なると確認された今回、その意外な結果に驚かされた人も多いことでしょう。自分の好みややりがいを踏まえて、新たに始めるスポーツ選びの参考になりそうです。

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