1. ストレスや寒さで悪化する、つらい皮膚病「乾癬」減量が症状の改善を促すと判明

海外医療トピックス

2017.04.17

ストレスや寒さで悪化する、つらい皮膚病「乾癬」
減量が症状の改善を促すと判明

痒(かゆ)みを伴う皮膚病である「乾癬(かんせん)」は、赤く隆起した皮膚のはがれ落ちるその外見的な特徴から、身体的にも精神的にもつらい病気です。とりわけ空気の乾燥する冬場は、症状が悪化します。そんな乾癬について、デンマークの病院が患者さんの減量と症状との関連性を調べた研究を発表しました。

デンマーク人15万人が苦しむ乾癬と肥満の関連性

減量は乾癬の症状軽減につながるか。その研究をおこなったのは、デンマークのヘアレウ・ゲントフテ病院です。ヘアレウとゲントフテ、2つの病院が合併した同病院は、コペンハーゲン大学の各学部と共同で研究を進め、臨床栄養学の専門誌「The American Journal of Clinical Nutrition」でその結果発表にこぎつけました。
この研究の中心的な存在である皮膚科教授Lone Skov氏によると、デンマークでは現在およそ15万人が乾癬にかかっているとのことです。また、体重超過が乾癬の症状と関係していることが分かっていたといいます。肥満の患者さんほど、症状の重い傾向があるのです。
乾癬については、遺伝やストレスなどが発症の大きな原因と言われており重症度も人それぞれですが、発症部も多岐にわたり、顔やうなじなどに発疹が出てしまう場合もあります。そうした他人の目につく場所に乾癬の症状が出ることで余計なストレスが溜まり、そのせいでさらに症状が悪化するケースもあるようです。

体重10~15%の減量により乾癬の症状が軽減

今回実験の被験者となったのは、肥満の乾癬患者60人です。乾癬の症状に対する減量の長期的な影響を調べるため、研究チームは、食事療法による減量期間とフォローアップ観察という前向き研究を計画・実施しました。
被験者はまず、2012年におこなわれた16週間にわたる減量プログラムにおいて、平均15kgの減量に成功しています。これはプログラム開始時の体重から計算すると、10~15%の減量です。そして、1年後のフォローアップ時点の被験者は、減量プログラム終了時よりも体重が約5kg増えていたものの、実験開始時と比べれば10kg軽い体重を維持していたといいます。
ダイエット経験者ならば誰しも経験から理解しているとおり、減量はその過程だけでなくその後の維持もまた困難です。そのため、このフォローアップ結果については、研究者らも驚き感銘を受けたと語っています。また、最初の減量後に体重をここまで維持できた背景には、明らかに減量による乾癬の症状軽減や生活の質向上があり、それを気にかけた結果だということです。

乾癬と肥満に共通する問題点と減量の重要性

乾癬と肥満には、「冠動脈疾患」「高血圧症」「高コレステロール血症」「糖尿病」などの合併症を発症しやすいという共通点があります。そこで、肥満の乾癬患者さんに減量してもらいその体重を維持できれば、健康や生活の質向上に効果が出る可能性があると考えられたようです。
内服療法や光線療法など、乾癬の治療法にはいくつかの選択肢があります。通常は塗り薬から始め、効果が十分に出なければ次の方法に進めるのが一般的です。しかしながら、今回の研究結果を受け、コペンハーゲン大学の栄養・運動・スポーツ学科のArne Astrup教授は「体重過多の患者さんに対しては、まず減量を促すのが乾癬の症状軽減に効果的かつ重要な選択肢である」という見解を述べています。

減量して皮膚病を改善。乾癬の治療はもちろん、同時に合併症の予防にもつながることを考えると、難しい減量に力を入れる意義は十分にありそうです。日本でも多くの患者さんが悩まれている乾癬ですが、もしも体重過多の患者さんが治療法に迷われている場合は、減量指導を取り入れてもいいかもしれません。

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