1. 空気汚染の現状:その原因と解決策は?

海外医療トピックス

2017.02.06

空気汚染の現状
その原因と解決策は?

私たちが生活していくうえで、地球上では大気汚染や水質汚染といった多くの問題が発生しています。こういった汚染は解決策を生み出さなければ悪化していく一方であり、そのことが私たちやこれからの世代を担う子どもたちにどのような影響をもたらすのか、心配事はつきません。中でも大気汚染が私たちの健康に与える害については、長年にわたり多くの警告が発せられています。そして、この度WHOやユニセフが発表したデータを見ると、のんびりと構えているわけにはいかなそうです。

世界の92%は健康に良くない空気の中で生活している

2016年9月にWHOが公表した、世界の大気質の解析調査によると、世界人口の92% は「Unhealthy(健康に良くない)」とされる空気を吸いながら生活しており、これは世界全体の健康状態にとって危険な兆候であると述べられています。1年間に死亡する人々のうち300万人は、こういった大気汚染が原因となって引き起こされた「心臓血管」や「肺」に関連した病などを含む非伝染性疾病が原因であると考えられ、こういった死亡者の3分の2近くは東南アジア地域や西太平洋諸国に集中しています。

シンガポール国立大学のBalasubramanian氏は「自分の家やアパートの窓から外を見たとき、空気の中を漂う小さな粒子が目に見えるわけではない。だから、空気はきれいだという印象を受けてしまう」と述べています。私たちは毎日の生活で体内に外気を吸い込んでいるわけですが、確かに大気汚染は目に見えないために、「常にその危険性を意識している」状態でいることは難しいものです。

3億人の子どもが毒を吸い込んでいるという現状

2016年10月のユニセフの発表によると、現在およそ3億人の子どもが高度の毒素を含む空気を日常的に吸い込んでいるそうです。3億人中、約2億2千万人は南アジア地域に集中しており、この地域の大気汚染のレベルはWHOが「安全」と考える汚染量の6倍にも上ります。こういった子どもたちの肺はまだまだ成長段階にあるため、汚染された大気を日常的に吸い込むことが、生涯にわたって影響を及ぼしてしまいます。

また、日本でもその影響が大きく注目されているPM2.5も、肺を経由して血液中に入り込むため、心臓病を悪化させ、心不全や脳卒中のリスクを高めるだけでなく、ぜんそくや肺炎といった呼吸器系の健康障害を引き起こす要因となり得ます。ユニセフが別途に行った調査では、大気汚染が子どもたちの認知機能にも影響を与える可能性が示唆されており、子どもたちの未来に大きな影響を及ぼす恐れがあるということを私たちは認識していかなければなりません。

きれいな空気を取り戻すためにできること

工場や車から排出される汚染により一度汚れてしまった空気は、もちろん簡単には浄化することができません。世界各国が自国の大気汚染の状況を把握し、それに対する策を講じるのはもちろん、一般の人々にも正しい知識を与えて、普段から自分が吸い込む空気について意識することを促すことも重要です。

また、大気汚染を減らすためにできることを明確にし、ゴールを設定していくことも大切です。「エネルギーの節約」「自動車の排気ガスを減らす努力」「環境に優しい洗剤や化学品の使用」など、世界中の人々が足並みをそろえて実施できる対策はたくさんあります。それぞれが自分にできることをしっかりと考え、日々の生活の中でこういった対策を行っていくことが、今後の空気汚染環境改善のために欠かせない要素となっていくのです。

まとめ

このまま大気汚染が悪化すれば、地球上で暮らす人々の健康状態は確実に悪くなるばかりです。空気という私たちが生きるうえで欠かせない要素を、いかにきれいにし、その状態を保つかを考えるのは私たちの重要な義務です。今回のWHOとユニセフの発表を真摯(しんし)に受け止め、普段から大気汚染のことを意識するようにしていきたいものです。

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