1. 2017年登場予定:IoT注射器で自宅投薬をより正確・簡単に

海外医療トピックス

2017.01.20

2017年登場予定:
IoT注射器で自宅投薬をより正確・簡単に

近年になり、さまざまな医療機器がインターネットにコネクトされるようになってきました。それらの機器には病院で使われるものだけでなく、家庭での健康管理に使う計測器も含まれています。今回ご紹介するのは、患者さんが自宅での服薬に使う注射器をインターネットにつないだIoT注射器で、2017年に発売が予定されているものです。自宅での服薬状況を、リアルタイムでモニターすることができるこの注射器のシステムについてご紹介します。

シリンジ用・カートリッジ用の2タイプで多種類の投薬が可能

今回ご紹介する「Si」と呼ばれるスマートインジェクターを開発したのは、デジタルヘルスケア企業のQuiOです。Siにはシリンジベースの「Si One」とカートリッジベースの「Si Pen」の2種類があります。Si Oneはシリンジタイプの薬ならばどの薬にでも使えるインジェクターとなっており、薬ごとにインジェクターを変える必要がなく便利です。Si Penはカートリッジ形式の薬に対応しているため、自宅での服薬だけでなく外出中の服薬にも使えます。仕事をしていたり外出したりすることが多い生活をしている患者さんで、1日に複数回注射が必要なケースにとても便利なインジェクターです。

リアルタイムでデータ送信

IoTデバイスの中には、デバイスとスマートフォンやタブレット、パソコンなどの端末を同期させることで、採取したデータを抽出できるものが数多くあります。そうすると患者さんが同期をしてデータを転送するのを忘れてしまったり、同期がうまくいかなかったりすると、医師はデータをタイムリーに活用することができません。

しかし今回のシステムは、同期の必要なくリアルタイムでデータ送信が行われるため、ユーザーへの負担がありません。インジェクター自体がデータ送信を行えるので、患者さんがスマホを保持している必要がないのもうれしい機能です。インジェクターから送信されたデータはクラウド上に保存されるため、医療関係者は患者さんの薬の使用状況を、パソコン上のダッシュボードでリアルタイムに確認することができます。

患者さんの自己管理がより正確になる

当システムはリアルタイムで服薬に関するデータをクラウド上に送信することで、服薬量の間違いや服薬忘れを予防できるようデザインされています。データに基づいた通知機能もあり、患者さんがスマホを持っていれば、薬の飲み忘れを知らせてくれるテキストメッセージが届いたり、薬の副作用に関する質問に答えてくれたりもします。医師や病院のスタッフが患者さんの服薬情報を逐一確認する必要なくこういった管理ができるので、医師や病院の負担を減らすことが可能になります。また、デバイスがデータを記録するため、間違ったデータが医師に渡ることがなくなり、薬の効果をより正確に判断できるようにもなります。

病院向けダッシュボードで患者さん管理

当システムでは、データをインターネット上に保管するクラウドベースのダッシュボードが使われています。これにより、担当医や医療スタッフは、患者さんの服薬データを病院にいながらリアルタイムでモニターすることが可能となります。データをクラウド経由で収集できるようになることで、医師が的確なタイミングで正確な情報を入手できるため、より効果の高い診断や治療を提案できるというメリットが生まれます。またそのほかにも、例えば臨床試験を実施するうえでより正確なデータが取れたり、不必要にかかっていた医療費をカットしたりすることが可能となります。

まとめ

自宅で継続的に薬を服用する患者さんにとって、「必要な時間に正しい薬を指示されたとおりに服薬する」というのは決して負担が少ない行為ではありません。今回ご紹介したIoT注射器はその負担を減らし、より良い状況で自宅治療を行うことを可能にしてくれます。また、患者さんが注射や投薬のために病院を訪れる必要がなければ、病院や医師にとっても労働時間やコストの削減につながるため、多くのメリットをもたらしてくれるでしょう。テクノロジーをうまく活用することで、医療はより良いものへと進化していく……そんなことを証明してくれるアイテムです。

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