1. 時差ぼけ解消アプリ「Entrain」で海外出張も怖くない!

海外医療トピックス

2016.10.07

時差ぼけ解消アプリ「Entrain」で
海外出張も怖くない!

学会やミーティングで海外出張となると、短期間の間に効率良く業務をこなす必要がありますよね。しかし、出張先と日本との時差が大きい場合、いかに素早く時差ぼけを解消することができるかが、キーポイントとなってきます。

今回は「いつも時差ぼけが辛くて、なかなか仕事がはかどらない……」そんな悩みを持っている医師の皆さんにぜひ使ってもらいたい、時差ぼけ解消アプリ「Entrain」をご紹介します。

Entrainってどんなアプリ?

Entrainのコンセプトは、「ユーザーの体内時計をスマホ経由でモニター(監視)することで、どのくらいの照度の光をどの時間帯に浴びたらよいかのアドバイスをして、旅先のタイムゾーンにより早く順応してもらおう」というものです。アプリの開発を行ったのはミシガン大学の研究者たち。この、「光を浴びる」スケジュールは、旅先のタイムゾーンに体を合わせるのに効果があると数学的に証明されているそうです。


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スケジュールの開発には「最適制御理論(theory of optimal control)」が使われており、ヒトの体内時計を表す方程式によって、どのように光を浴びれば、体内時計を別のフェーズに最短で動かすことができるかを割り出すものです。
ユーザーはまずこのアプリに、自分の起床時間、就寝時間のほか、出張先のタイムゾーン、到着時間など、旅行スケジュールに関する情報を入れます。するとアプリが、出張先の新たなタイムゾーンに慣れるために、どのくらいの明るさの光を何時から何時まで浴びればよいかを教えてくれるようになっています。

あとはそのスケジュールに沿って照明をつけたり、日光を浴びたりすれば時差ぼけに悩まされる期間を短くできるとのこと。もちろんアプリが設定したスケジュールどおりに光を浴びることができなくても大丈夫だそう。スケジュールからずれてしまった場合は、実際にどのくらいの明るさの光をどの時間帯に浴びたかをアプリに入力することで、その後の「光を浴びる」スケジュールを再調整してくれます。

アプリから採取されたデータも活用

当アプリは無料でダウンロードすることができますが、アプリから採取されたデータはミシガン大学での研究材料として活用されています(ユーザーが同意した場合)。ミシガン大学は2016年5月のScience Advancesで、Entrainユーザーが入力したデータを基とした、世界の睡眠に関するリポートを発表しました。性別、国別、年齢別の比較など、光と睡眠の関連性に対するさまざまな情報が含まれています。

発表されたキーファインディング(重要所見)は:

  • 女性のほうが男性より長時間寝ている
  • 地域が近かったり文化が似ている場合、平均的な起床時間や就寝時間も近い
  • 起床時間は個人の体内時計とより関係している
  • 就寝時間が遅い人のほうが睡眠時間が短い
  • 室内照明と日光のどちらを長く浴びるかを比べた場合、外で日光を浴びる時間がより長い人のほうが、就寝時間が早く睡眠時間が長い傾向になる
  • 年齢が高くなるにつれて、就寝時間が早くなる
  • 平均睡眠時間が短いのは日本とシンガポール居住者(7時間24分)で、最も睡眠時間が長いのはオランダ居住者(8時間12分)
  • 世界全体を見ると、睡眠のスケジュールがもっとも似ていたのは高齢者グループであった

といったものです。

アプリを通じて医療に役立つデータを提供する

医療関係者にとって治療や予防法の研究を行う際に、患者さんはもちろん、健康な人々のデータを集めることは重要なポイントです。今回ご紹介したミシガン大学のように、ユーザーにとって便利なサービスを無料で提供しながら、自分たちにとって貴重な情報を集める方法は、賢い選択肢のひとつと言えるでしょう。また、医療スタッフが「業務に活用できるアプリ」を導入していくことは、「今後の医療や人々の生活をより良いものに進化させるためのデータ」を提供することにもつながります。

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