1. 【事例】米国テキサス州で小児患者に!内服型のメディケーションセンサーを導入

海外医療トピックス

2016.09.21

【事例】米国テキサス州で小児患者に!
内服型のメディケーションセンサーを導入

小児患者にとって、処方された薬を指示に従い正しく服用することは時として容易ではありません。また日常生活の忙しさのなかで、親もついうっかり服用させるのを忘れてしまうこともあるでしょう。

しかし、病気をしっかり治すためには、医師の指示に従って正しく薬を服用することが必要不可欠。その対策の一環として、テキサス州ダラス市の小児病院「Children's Health」では、肝臓や腎臓の移植を行った小児患者に内服型のメディケーションセンサーを使用する計画を発表しました。

内服型メディケーションセンサーの仕組み

今回の計画で使用されるメディケーションセンサー「Proteus Discover」は、Proteus Digital Health社の商品です。同社は、ITと医療を組み合わせた製品やサービスの提供を行う企業で、テクノロジー、ヘルスケア、薬剤の各部門を専門とするスタッフがおり、保持している特許の数は300を超えています。

「Proteus Discover」は内服型の極小センサーで、服用薬と一緒に体内に取り入れます。センサーは腹部に到達したのち、患者さんが胴体に貼っているパッチに向かってシグナルの発信を始めます。パッチで採取されたデータはモバイル端末上のアプリで見ることができます。これらのデータはProteus社のクラウドシステムに送信され、医師や患者さんのお世話をしている介護者が確認することも可能となっています。

アプリでは患者さんの薬の服用状況のほかに、歩数、アクティビティ、休息、心拍数、血圧、体重などを確認することができます。また患者さんは自分の服用薬に合わせて複数の服用スケジュールを登録したり、薬の服用時間に合わせたリマインダー通知を受け取ったりすることができます。

患者の生存率・安全性の向上へ

先にも述べたように、小児や若年層の患者さんにとって「言うことを聞いて正しく薬を飲む」というのは決して容易なことではありません。しかし、患者さんが臓器移植の手術を受ける場合、免疫抑制剤を正しく服用することは、生死にかかわる問題にもなり得ます。患者さんの薬の服用状況を正しく把握しその情報を管理することは医師やスタッフにとって重要なことですが、実際それを一人ひとりの患者さんに対して行うには多くの労力を費やすことになります。

そこで、Children’s Healthでは、「Proteus Discover」を導入することでこの課題をクリアし、患者さんの安全性の向上を図る計画を立てています。患者さんが手術前・手術後に薬を服用する際に当センサーを一緒に飲み込むことで薬の追跡を行い、移植の成功率を上げます。また、実際に患者さんが薬の服用を忘れてしまった場合、その理由の把握や改善への取り組みにも役立ちます。なぜ(どういった状況で)忘れたのかを把握し、今後忘れないように対策を考えるといったサポートシステムを作り上げることができるからです。

当プロジェクトは75名で開始予定ですが、参加患者数はその後も増えていく予定となっています。プロジェクトに参加する患者さんの数が増えれば、薬の服用に関するより多くの情報が採取できるようになります。そうなることで、患者さんの薬服用に関するパターンや傾向がよりクリアに見えてくるかもしれません。「Proteus Discover」導入後に、いったいどのような効果・改善が見られるのか、非常に興味深いものです。

多くの患者さんにメリットをもたらす可能性

薬と一緒に実際に体内にセンサーを送り込む「Proteus Discover」は、小児患者さんはもちろん、高齢の患者さんや自己管理の難しい状況にいる患者さんにとっても大きなメリットを生み出す可能性を秘めています。今回のテキサスでの試みがどのような実績・結果を生み出すのか、ぜひ今後も注目していきましょう。

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