1. 飲酒レベルをウェアラブルで察知!その仕組みとは?

海外医療トピックス

2016.08.23

飲酒レベルをウェアラブルで察知!
その仕組みとは?

重大な事故につながりかねない飲酒運転は、世界各国で社会的な問題とされ、さまざまな取り組みが行われています。今回は、そんな取り組みのひとつとしてアメリカのブレサライザー(アルコール検知器)企業、BACtrack社が開発を進めている、アルコール検知機能を持つウェアラブル(※)「BACtrack Skyn」を紹介しましょう。

※ウェアラブルとは一般的に、ブレスレットや腕時計、メガネのように、身につけることができる形のコンピュータデバイスを指します。

大学生のアイデアがBACtrackを生んだ

腕にはめているだけで血液中のアルコール濃度を検知してくれる、ハイテクなアルコール検知器を開発したBACtrack社が設立されたのは2001年のこと。当時、米国ペンシルべニア大学経済学部4年生であったKeith Nothacker氏の、「『数字』を見せることで人々の飲酒傾向に変化をもたらしたい」というアイデアからBACtrack Skynは生まれました。

それ以前のアルコール検知器は、警察を含む法執行機関のみが使うものと認識されていましたが、BACtrack社は「一般消費者」が自分の血液中のアルコール濃度を確認できるシステム「BACtrack」の開発に注力しました。
2004年に自社開発の消費者向け酒気探知機が初めてFDA(米国食品医療品極)の審査をクリア。2008年になると、BACtrackは人気のあるテレビ番組や雑誌で取り上げられるようになり、2013年にスマホと連携させることに成功。2014年にはCostcoや家電量販店、ドラッグストアを含む2万を超える店舗で、BACtrack社の消費者向け酒気検知器が取り扱われるまでになりました。

The BACtrack Skynの仕組みとは

BACtrack社が開発を進めているBACtrack Skynは、リストバンド形式のウェアラブル酒気検査器。経皮的モニタリングによって、血液中のアルコール濃度を調査・追跡できるようになっています。


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ウェアラブルに取り付けられたセンサーが継続的に血液中のアルコール濃度を検知し、スマホやスマートウォッチ上のアプリと同期させることで、データを活用できます。例えば、血液中のアルコール濃度が0.04%を超えるとスマホに通知を送るように設定しておくことで、通知を確認したユーザーは「飲むペースを落とさなければ」「そろそろ飲むのをやめなければ」と意識できます。

BACtrack Skynは2015年3月にNational Institutes of Health (米国国立衛生研究所)によって開催された、ウェアラブル形式のアルコールバイオセンサーを対象としたコンペティションで優勝し、賞金20万ドルを獲得しました。このコンペティションの目的は、既存のテクノロジーを進化させると同時に、一般消費者にその魅力をアピールできる自然な(目立たない)デザインを開発すること。参加条件は「デバイスが酒気レベルを検査できる」「データを解析・保管できる、またはスマホやほかのデバイスにワイヤレスでデータを送信できる」ことでした。

The BACtrack Skynの活用目的

The BACtrack Skynの使用目的のひとつに、ユーザーの飲酒歴や飲酒傾向を正確に把握し、アルコール依存症の改善や健康状態の管理に役立てるというものがあります。ユーザーのアルコール濃度が0.00%を少しでも越えて検出されると家族のスマホに通知が入る設定にできます。

その為、本人の意思だけでは難しい「禁酒」に周りの人が協力できるようになる、あるいは、医師が肝臓の調子が悪い患者の飲酒状況を知りたい場合、こういったウェアラブルから採取された正確で信頼できるデータがあれば、より的確に治療や指示を行えるようになるというわけです。

正確なデータ採取がこれからの医療にとってのプラスに

アルコール依存症や肝臓に問題を抱える患者さんの治療にあたり、患者さんの飲酒に関する正確な情報を把握することは重要です。数値で信頼できるデータを得られれば、検査にかかるコストや時間を省き、効率よく治療を行えます。今回ご紹介したBACtrack Skynのようなシステムが完成することは、消費者はもちろん、医療関係者にとっても大きなプラスとなるでしょう。

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