1. ドローンが医療物資を配達する時代に!ルワンダで医療向けの配達計画進行中

海外医療トピックス

2016.08.02

ドローンが医療物資を配達する時代に!
ルワンダで医療向けの配達計画進行中

世界には医療システムの発達が遅れている地域や、患者さんに必要な医療物資を届けるのが困難な地域があります。このような状況への対策としてさまざまなテクノロジーが活用されていますが、今回はそのひとつとして「ドローンを使った医療物資の配達システム」の開発に取り組んでいるルワンダ共和国の事例を紹介します。

ルワンダ共和国とは

ルワンダ共和国はアフリカ大陸の内陸部に位置し、首都キガリは標高約1,500メートルの高地にあります。フツ族、ツチ族、トゥワ族などで構成される、人口1,210万人(2014年時点)の国の経済を支えているのは農業で、主にコーヒーやお茶を栽培しています。
ルワンダ共和国内の湖は水質が悪く有害ガスを発生させるため、水や食物を介しての消化器感染症が多く、マラリアへの感染にも注意が必要です。HIVの感染率が高いほか、遅れている医療技術と医薬品の普及、衛生問題など、多くの医療課題を抱えています。

ドローンで課題解決を図るZipline社

ルワンダ共和国で医療環境改善の一環として2016年7月に開始される予定となっているのが、米国カリォルニア州のスタートアップ、Zipline社によるドローン「Zip」を活用したサービス。ルワンダ政府の要請で開始されるこのサービスは、緊急用医薬品をドローンで素早く届けるというものです。これまでは数週間から数か月を要していた配達が、1日で達成できるようになります。

サービスの展開に協力しているのは、ルワンダ共和国とGavi (ワクチンと予防接種のための世界同盟)、Zipline社、そして国際輸送サービスを展開するUPS社。患者さんの治療にワクチンや抗生物質、輸血用の血液が必要だと判断された場合、医師や看護師、医療スタッフがZipline社にテキストメッセージを送ると、30分以内に物資が届けられるといいます。

ドローンが輸送できる物資の重さは1.5kgまでですが、飛行可能距離は120km以上。物資はパラシュートを使って投下されます。これまで15時間かかっていた輸送がわずか30分以内で完了できるようになるとZipline社はいっており、このシステムの運用が成功すれば、物資の面で医療環境の改善が予想され、より多くの患者さんの命を助けられるようになるはずです。

ドローン専用の空港設立予定も

ルワンダ共和国には、2020年を目標に「droneport(ドローン専用空港)」が作られる予定となっています。設立目的は道路環境の整っていないエリアへの物資運搬で、山や湖、急流の川などの付近に大規模な物的インフラを新たに建てることなく運搬を可能にします。

運用されるドローンは「ブルーライン」と「レッドライン」の2種類に分けられ、ブルーは電気系やハードウェアなど重量があるもの、レッドは軽量の薬の運搬に使われる計画です。

アフリカで、設備の整った道路から1.6km以内に住んでいる人は人口のわずか3分の1。2050年には人口が今の倍にまで増えると予想されているアフリカにとって、膨大な費用をかけてインフラ設備を整える代わりの方法を見つけることは重要であり、ドローンテクノロジーに大きな期待がかかっています。

日本の医療界にもメリットを

ドローンのテクノロジーは、地理的条件の課題をクリアする手段として利用価値の高いものです。今回紹介した事例のように、これは医療分野にも当てはまります。ドローンを使った医療サービスは日本の医療界にも、メリットをもたらす可能性を秘めているのではないでしょうか。ドローンを活用できる分野はないか、活用によってメリットを得る患者さんや地域がないかと、ぜひ考えてみたいものです。

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