1. 子どもの肥満・虫歯対策に!砂糖の量は「小さじ」表示 -イギリス-

海外医療トピックス

2016.07.12

子どもの肥満・虫歯対策に!
砂糖の量は「小さじ」表示 -イギリス-

イギリス自治体協議会が乗り出す

子どもにとって、自分の食生活や1日の摂取カロリーを管理するのは非常に困難なことです。しかし、肥満や虫歯が社会問題となっている時代、肥満や虫歯対策の知識を子どもに与えたり、興味を持たせたりすることはとても重要ではないでしょうか。

イギリスの自治体協議会(LGA)では、子どもの肥満や虫歯への対策として、炭酸飲料を販売する会社に対し、砂糖の量を「小さじ○杯」といったわかりやすい形で表示するよう求める動きがあります。今回はこの事例を紹介しましょう。

どのくらいの砂糖が含まれているか?

炭酸飲料には砂糖がたくさん入っているものがあるとは知っていても、その量を把握できている人はどれほどいるでしょうか。これは子どもに限ったことではなく、把握しているという人は大人でも決して多くないかもしれません。

炭酸飲料に含まれる砂糖の量を気にせず、大量摂取を続けていれば肥満や虫歯の原因の1つになりかねません。スポーツ飲料や炭酸飲料には、1日の砂糖摂取基準(大人)の3倍以上にも及ぶ砂糖が含まれていることもあり、これを1日に何回も口にしていたら、カロリーオーバーになるのはもちろん、口内環境の悪化につながるのも納得です。

ちなみに、イギリスでは3歳以下の小児の虫歯率が非常に高く、実に12%が歯の健康に問題を抱えているのが現状です。2012~2013年の1年間で虫歯を抜くために入院した、19歳以下の患者の数は6万人を超えたとされており、そのうち半分は9歳以下の子どもだったそうです。

このままでは人口の73%が「肥満」に

イギリスでは、このままのペースでいくと、20年後には成人人口の73%が肥満になってしまうと予測されています。消費者の食生活への意識は向上し、飲料業界でも「砂糖を減らす」傾向が見られつつあるものの、今必要なのはより素早く的確な、対策を行っていくことでしょう。

その対策の一環として提案されたのが、今回のテーマである「砂糖の量は小さじ表示で」という案。この対策の中心となっているのは「消費者が買い物をする際に、目の前の商品を購入するかどうかを決めるのにかけるのは15秒」というデータです。このように短い時間であれば、砂糖の量をイメージのわきにくい正確な数値で記載するよりも「小さじ◯杯」と表示するほうが早く理解できるでしょう。瞬間的に砂糖の量の把握や的確な判断が可能になります。

小さじ表示にすることで子どもにもわかる

今回LGAが基準にしたリサーチによると、エナジードリンクやスポーツ飲料には1缶(500ml)あたり、実に小さじ20杯の砂糖が含まれていることがあるそうです。砂糖は小さじ1杯で4g程度(日本の小さじ1杯は約3g)。缶への表示が80gとなっていても、ピンとこない人も、「小さじ20杯」と目にすれば、その缶の中にどれほどたくさんの砂糖が入っているかを、意識しやすくなります。

砂糖について意識するようになれば、その摂取量に関する知識が付くことになり、それが結果として肥満や虫歯の予防につながっていく……ということも期待できます。小さい頃から知識を付けることは、その時点だけでなく今後の長い人生にもプラスになるでしょう。

「社会全体で積極的な取り組み」が重要に

体や歯の健康に対する取り組みは、個人はもちろん社会全体が意識して行っていくべきものです。現状を把握することに始まり、その対策をいかに行っていくか。企業や自治体が積極的な取り組みをみせることが、人々の健康やこれからの医療を変えるきっかけになるのではないでしょうか。

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