1. たった1日気を抜くだけで?不健康な食事が睡眠の質に影響-米研究

海外医療トピックス

2016.04.05

たった1日気を抜くだけで?
不健康な食事が睡眠の質に影響-米研究

当直の際につい手軽なファーストフードを食べてしまったり、忙しくて空腹に長時間耐えたあと思わず食べすぎてしまったりすることはありませんか?多忙な医師にとって、毎日欠かさず健康的な食事を取るのは難しいことです。
しかし、なんとたった1日食事に対する気のゆるみがあるだけでも、睡眠の質に影響する可能性のあることが判明しました。米国睡眠医学会の学術誌で発表されたその研究を、海外の医療系情報サイト「メディカル・ニュース・トゥデイ」が取り上げています。

不健康な食事が睡眠に及ぼす影響とは?

食事の内容は健康に深く関連しており、疾病予防のために何を控え、何を摂取すべきか医師が患者さんに助言する機会もたくさんあるかと思います。
ニューヨークにあるコロンビア大学医療センターのマリー・ピエール・セント・オンジェ博士が中心となって行った新しい研究では、日々の食事が睡眠にも影響するという結果が出たと話題になりました。その研究結果から考えられる、食事が睡眠に及ぼす影響は以下の通りです。

飽和脂肪が高く、食物繊維が乏しい食事
徐波睡眠の量が減る
糖分の高い食事
睡眠が中断される

セント・オンジェ博士ら研究者たちは、この分野のさらなる研究が必要であること、また、健康的な食事が睡眠障害に悩む5~7千万人のアメリカ人の助けになるかもしれないことを示唆しています。

食事内容と睡眠の関係を調べる臨床試験を実施

食生活と睡眠の関係を調べるため、研究者たちは正常な体重の成人26人を被験者として臨床試験を行いました。被験者の平均年齢は35歳、男女各13人です。
睡眠研究室で5泊してもらう間、被験者は毎晩午後10時から午前7時までの9時間をベッドで過ごし、平均睡眠時間は7時間35分でした。
最初の4日間、被験者は栄養士によって調整された食事を取りました。飽和脂肪が低く、タンパク質の高い食事です。そして5日目は、各自で好きな食事を選んで食べました。すると結果は予想に違わず、最初の4日間に栄養士が計算したものよりも飽和脂肪や糖分が高く、食物繊維の低い食事となったそうです。

研究者は、3日目の夜から睡眠ポリグラフ検査で被験者の睡眠の質を調べました。睡眠ポリグラフ検査は、睡眠障害の有無を確認するために行われるもので、脳波、血中酸素濃度、心拍数、呼吸、目や脚の動きなどを記録します。

たった1日気を抜いただけで影響が出ると判明

臨床試験の結果、被験者が各自で好きな食事を取った最終日にだけ睡眠の乱れが確認されました。栄養士の管理下で食事をしていた際、被験者たちは平均17分で眠りについていたのに対し、最終日は29分かかったといいます。
また、心身の回復に重要とされている深い眠り「徐波睡眠」の量が、食事を自由に選んだ最終日だけ少なかったそうです。これについても研究者は、飽和脂肪の高い食事が関係しているのではないかと考えています。さらに、糖分の高い食事は睡眠の中断と関連があることもわかったようです。

「寝付きにくい」「寝ても疲れがとれにくい」「夜中に目が覚める」。誰しもそのような不調を経験したことがあるかと思います。それも、たった1日の食事内容による影響なのでしょうか? 研究者の見解が正しければ、上質な睡眠をとるカギは「飽和脂肪や糖分が低く食物繊維の豊富な食事」であり、こうした食事を取らなかったのであれば、食事の内容が原因で不調が現れたとも考えられるでしょう。

忙しい日々を送るなかでも、その日の睡眠の質に直結すると思えば、食事に気を遣おうという気持ちが今まで以上に強まるかもしれません。

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