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難聴者との音声コミュニケーション ~伝える、聴こえるをデザインする~

【第3回】 導入事例紹介 〔九州大学病院 耳鼻咽喉科〕

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第2回では2016年4月の法律施行に向けて、医療業界で求められる「障害者差別解消法への対応」と題してお伝えしましたが、今回は実際に、「難聴の方々との対話支援システムcomuoon」を病院で使用されているドクターの声をお伝えしたいと考えています。
ぜひ音声コミュニケーションの新しいカタチを知っていただき、興味をお持ちいただければ幸いです。

歩道の点字ブロックのように、comuoonがインフラのひとつになることを期待しています。

九州大学大学院医学研究院 松本 希 先生■九州大学大学院医学研究院 松本 希 先生
九州大学大学院医学研究院 耳鼻咽喉科学教室 助教・医学博士。九州大学医学部を卒業後、ロサンゼルスの耳科学研究所や九州大学病院を経て現職。comuoonをいち早く取り入れ、日々多くの聴こえの診療に従事している。

―― comuoonをどのように使われていますか?
当院では、comuoonを4台導入しております。うち1台はワイヤレス環境での対話が可能なcomuoon connectで、ユニバーサル・サウンドデザイン社からデモ機としてお借りしています。多いときで、1日に約140人もの難聴の患者さんが来院されるので、comuoonは診療に欠かせません。

comuoonを使う際は、私なりに工夫をしています。通常、comuoonのショットガンマイクは卓上に置いて使用しますが、私の場合、マイクを逆さまにしてデスクの裏面に磁石で固定しています。すると、マイクが目立たなくなり、空間の中に溶け込みます。comuoonはもともと存在感を感じさせないデザインですが、こうした工夫によってさらに患者さんにとって自然な環境を作ることができました。部屋の間取りや空間環境によるとは思いますが、ハウリングの防止といった効果もあるので、この方法は大変お勧めです。
―― comuoonに対する患者さんの反応は?
テレビ番組や雑誌、イベントなどでの紹介や様々な有名企業で導入されるなど、comuoonは着実に普及が進んでいます。そのため、初診の患者さんが既にcomuoonのことをご存知なケースも多々あります。発売から2年近くが経過しましたし、注目度が高まっていることを診療を通して肌で感じています。

効果もさることながら印象的なデザインをしているので、難聴の患者さんはもちろん、そのご家族の方も「これはどこで購入できますか?」ととても興味を示されます。「聴こえを改善する製品=補聴器」という認識が一般的なので、comuoonは新鮮に感じられるのではないでしょうか。

また、comuoonさえあればスムーズに会話ができる患者さんも多いので、「病院の外でも使いたい」という声を頻繁にいただきます。ということは、聴こえる環境さえしっかりと整えれば、聴こえの問題は解決できるケースも多いということです。
―― comuoonを導入して変わったことは?
一言で申しますと、以前よりも難聴の患者さんのお役に立てるようになったことです。例えば以前、ある社会人の患者さんから「普通の会話なら問題なく相手の話が聴こえるけれど、会議になるとうまく聴こえなくて困っています」と相談を受けたことがありました。その方は、聴力が正常値よりは低いものの、難聴というほど耳が聴こえにくいわけではありません。

実は、こういう「狭間の患者さん」というのは一定数存在します。いままで、そういった方たちには特に有効な対策もなく、ただ励ますことしかできませんでした。しかしいまは、「こういう機器もありますよ」とcomuoonを紹介できるようになりました。これはもちろん治療行為ではありませんが、医療器具以外にも解決方法があるということになります。患者さんにとっても、ただ励まされるより役立つことだと感じています。
―― これからcomuoonに期待することを教えてください。
どの耳鼻科にも専用の診療椅子がありますが、この椅子自体にcomuoonが内蔵されることを期待します。一般的な診療室のつくりは左右非対称の場合が多いので、comuoonの置き場所や「片耳だけが難聴」という患者さんのことを考慮すると、診療椅子に取り付けるほうが、より聴こえやすくなるのではと感じています。患者さんが椅子に座った瞬間に、comuoonの電源が入るような仕組みにするのも良いのではないでしょうか。一方で、車椅子でいらっしゃる患者さんは目線の位置が低いので、そういったケースにも対応できる設備を整えていかなければなりません。

さらに病院の外に視野を広げると、将来的には駅の券売機や自動販売機など、あらゆる場所にcomuoonが内蔵されてほしいと思います。極論を言えば、補聴器なしでも難聴の方々が街中を歩き回れるようになるくらいに。歩道の点字ブロックやAED(自動体外式除細動器)のような、ひとつのインフラになってほしいですね。そのためにも、まずは私たち耳鼻科の医師や専門家が率先してcomuoonを導入し、その重要性を啓蒙していくことが不可欠だと思います。comuoonは、まだまだ大きな可能性を秘めているので、今後の広がりに期待しています。
記事提供
中石 真一路
(慶應義塾大学SFC研究所 所員、広島大学 宇宙再生医療センター 研究員、日本聴覚医学会 準会員)

ユニバーサル・サウンドデザイン株式会社

ユニバーサル・サウンドデザイン株式会社
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