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難聴者との音声コミュニケーション ~伝える、聴こえるをデザインする~

【第2回】 法律施行まで半年、医療業界で求められる「障害者差別解消法への対応」

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佐賀県聴覚障害者サポートセンターでの活用の様子佐賀県聴覚障害者サポートセンターでの活用の様子2016年4月に障害者差別解消法が施行されます。全国の地方自治体では検討会が開かれたり、各省庁から指針が発表されたり、理解促進のためのパンフレットが配布されるなど様々な動きがでてきています。
ユニバーサル・サウンドデザイン株式会社が研究開発拠点を置く佐賀県では、「佐賀はユニバーサルデザイン」のコンセプトの元、さまざまな取り組みが進められています。私も2年ほど前から佐賀県にお伺いし、県内の市町村の福祉担当の皆様に、難聴やきこえの仕組みなどをお伝えする「きこえのセミナー」とともに、難聴の方とのコミュニケーションロスを解決する方法の一つとしてcomuoonをご提案させていただきました。佐賀県では2014年1月よりcomuoon 21台を活用いただいております。
今回は、医療現場においては具体的にどのような改善が必要なのかを事例を使ってお伝えしたいと思います。

この法律では「差別禁止」と「配慮義務」が定められています。例えば、患者さんが医療機関を訪れた際に、補聴器を装用しているのにもかかわらず「どうせあまりきこえてないから」との判断で一方的な説明を行い、相手が理解しているかも確認しないで診察を終えてしまうことなどは、障害のある人が他の人と同じように機会を得られるように必要な配慮を行わないこと、「合理的配慮の欠如」にあたる可能性があります。

■合理的配慮という考え方について
「障害者権利条約」では、「障害のある人が不平等、不利益を受けないように環境を社会の側が整えなければならない」としています。
我が国でも、2011年に改正をおこなった「障害基本法」において、障害のある人への差別の禁止と合理的配慮の欠如が差別につながると明確に規定されました。障害のない人とある人が共生する社会において、障害のある人だけが正当な理由もなく排除され、制限される結果を生む事を「差別」と定めました。

また患者さんだけではなく、医療に従事する方にも聴覚障害の方はおられます。例えば、ある看護スタッフさんが聴覚障害であり補聴器を装用していることを他の職員から聞き、「わからないときは筆談やきちんと確認をしたりしている」とのことでしたが、患者さんやスタッフとのコミュニケーションミスによる業務への影響を懸念して辞めてもらおうと考えていたとします。この場合は看護スタッフさん本人は努力をしているにも関わらず、障害があることで不当な差別を受けたことになります。

■障害のある人の「障害」に触れないように接することは配慮ではない
医療機関にお邪魔した際にお話にあがることですが、障害のある人の「障害」にあえて触れないように接することが、優しさや気遣いだと思っている方がおられます。しかし、それは単に「難聴」の知識や理解の不足による「偏見」であることがほとんどです。
まず、補聴器や人工内耳を装用した音声コミュニケーションにおいて、難聴者ご本人が機器を装用しただけでは、環境の影響もあり完全に聞こえが補完ができているわけではない事実があります。

聴覚障害をお持ちの患者さんや難聴者の方は「先生や看護師さんに迷惑をかけたくない」という思いから、聞こえたフリをされる方が少なくありません。老人性難聴の方の場合も、窓口や外来時のコミュニケーションにおいて、大きな声で話しても「意思疎通が困難な場合が非常に多い」とお会いする多くのドクターがおっしゃいます。

今回の「障害者差別解消法」については「法律への対処」だけを考えるのではなく、患者さんへのホスピタリティという視点から考えるべきだと私はお話ししています。
医療機関に行く患者さんは、病気や今後について少なからず不安を抱えておられます。難聴によりドクターや看護師さんとのコミュニケーションに困難を感じている患者さんの場合は、さらに不安が増してしまうことになりかねません。
そのような背景から、話者側で自然にできるcomuoonを活用した「音場拡声システム」(SFA:Sound Field Amplification)がさまざまな分野で注目を集めています。
次回は実際の病院における難聴者の方とのコミュニケーションの改善の具体例についてお話しします。

記事提供
中石 真一路
(慶應義塾大学SFC研究所 所員、広島大学 宇宙再生医療センター 研究員、日本聴覚医学会 準会員)

ユニバーサル・サウンドデザイン株式会社

ユニバーサル・サウンドデザイン株式会社
〒105-0022 東京都港区海岸1-9-11 マリンクス・タワー2F
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総合メディカル株式会社 医業支援事業推進部
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