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難聴者との音声コミュニケーション ~伝える、聴こえるをデザインする~

【第1回】 聞こえのバリアフリー社会実現のために

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わたしたちのコミュニケーション方法は時代とともに進化し、スマートホンなどのメールによるコミュニケーションが浸透していますが、ほとんどの方は音声を中心としたコミュニケーションを行っています。
しかし近年、加齢による老人性難聴のほかストレスやヘッドホンの過大出力による騒音性難聴などにより、声や音が聞き取りにくいと感じる人が増えてきていると言われます。

難聴者の聴力特性は様々ですが、傾向的に高音域の聴力レベルが低下している方々が多く、子音が聞き取りにくい状態となっています。比較的高い周波数成分をもつKやSなどの音でこの傾向が強く、例えば「加藤」と「佐藤」といった聞き分けが難しくなり「音は聴こえるが、言葉として聞き取れない」という状態になってしまいます。

その場合、音量を大きくすれば聞き取れるわけではなく、言葉の明瞭度が非常に重要となります。
健聴者は、こうした難聴者の聞こえ方がイメージできないため、「大きな声で話せば聞こえるはず」と考えている人が少なくありません。難聴者とのコミュニケーションでは、大声で話をすると難聴者本人は「怒っているのでは?」「私のせいで迷惑をかけてしまっている」と感じて、結果として会話ではなく「壊話」を作り出してしまいます。

しかし、根底には、健聴者側も「言葉を伝えたい」「会話を楽しみたい」という強い思いがあることを、研究を進めていて気がつきました。
この気づきから難聴者本人だけの努力で聴こえを改善するのではなく、話者側も歩み寄りコミュニケーションを支援するための機器「comuoon」(コミューン)を開発しました。話し手側でも難聴の方の聞こえを改善して行くことが可能となるのです。
難聴は「軽度」「中等度」「高度」「重度」の4段階に分けられます。
コミューンは全体の7割を占めるとされる「軽度」「中等度」の9割の難聴者に対して有効性であることが、「第115回日本耳鼻咽喉科学会総会・学術講演会」で九州大学大学院医学研究院 耳鼻咽喉科分野チームにより、「外来診療時の難聴の患者さんとのコミュニケーションにおいて有用である」と報告されました。
現在、病院はもちろん、全国の自治体で導入が進められています。

「聞こえにくい」ことは聴く側だけで解決できる問題ではなく、話す側との双方で歩み寄る事が解決する第一歩であり、普通の声の大きさでコミュニケーションができることの大切さの理解が進む事を願っています。
2020年には東京オリンピック・パラリンピックが開催されます。「聞こえやすい技術」は注目されるテーマであると感じていますし、開催がきっかけとなり「聞こえのバリアフリー社会」が実現していくものと考えています。

現在、全国のろう学校や難聴学級で学ぶ難聴の子供達へcomuoonを寄贈する「きこえのあしながさん」や、全国で開催をしている「聞こえのセミナー」を通じ健聴者への難聴の正しい理解をすすめています。
この研究と開発を通じ「『働く』ということは、『人』が『動く』と書きますが、私は『人』の『重し』になるものを取り除くために『力』を尽くすこと。それが『働く』ことであると強く思うようになりました。
聞こえで苦労をされる人々がもっと安心して安全にくらせる世の中になるようこれからも貢献していきたいと考えています。

記事提供
中石 真一路
(慶應義塾大学SFC研究所 所員、広島大学 宇宙再生医療センター 研究員、日本聴覚医学会 準会員)

ユニバーサル・サウンドデザイン株式会社

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