アメリカで臨床留学し、世界に羽ばたこう

【第6回】 合格には何が必要?

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アメリカに臨床留学に赴くにはUSMLE®に合格することが必要ですが、合格するために考えておかなければならない点をまとめておきましょう。

1. 学習ツール

多くの方が関心を持っているのは、STEP1, 2CK, 3についてどんな教材を使って学習すればよいかという点ですね。

■ 英語で出題範囲の総復習

何にプライオリティを置くかによって方向性が決まると思います。安く済ませるのであれば、McGraw-Hill出版のFirst Aid for the USMLEシリーズの教材でしょう。ただし、英語で医学教育を受けている人向けという印象がありますので向き・不向きがあるようです。この教材で合格された方もいますし、一方で、徹底的に最後までやりきれなかったという方もいます。
First Aidで知識の整理をして、Kaplan QbankやUSMLE Worldのオンライン演習に取り組むのが最も安く済むと思います。

上記のFirst Aidが不向きな方は、英語による講義形式で知識を整理するのが適切です。そうなると、費用が高くても効率よく学習できる教材が必要になりますので、KAPLAN MEDICALのUSMLE対策コースがベストになります。STEP1やSTEP2CKのオンライン学習なら、ビデオ講義を視聴しながら科目ごとに英語で知識を整理しながらの学習となります。例えば、STEP1ではBasic Scienceの出題範囲は広く、かなりの量になりますが、学習のペースを週20時間ぐらいで一定に維持できれば半年ぐらいで学習できます。正しい医学用語の発音やリスニング力も向上するし、他の教材を参照する必要もなくこの教材のみで完結するので、最も効率の良い学習ツールに出来上がっていると思います。

受講料は安くはありませんが、アクセス期間中はインターネット接続の自宅PCでいつでも学習できるので、日本国内で英会話学校などに通学するよりは安いのではないかと。

英語講義を聞く上でリスニング力がどの程度要求されるかを聞かれます。日本語で必要な知識は学習済みなので、初期の段階では、英語でテキストを読んだ上で、学習済みの知識で補いつつ自分の得意分野から聞いていけばそれほど負担にはならないでしょう。将来、臨床留学を考えるのであれば、何にしてもリスニング力は鍛えなければならないし、英会話やTOEFLを学習準備してからUSMLE対策に移るのでは、耳に英語を慣らすのに時間がかかりますので、それならば先にご自分の専門分野を英語で聞く練習をしてからの方が効率は良いですね。


■演習問題はオンラインで

USMLE的な応用問題を解くためには、出題範囲の知識や理論を英語で整理・復習しながら、またはその後で演習問題に当る必要があります。選択肢式英語長文問題がほとんどで、線を引きながら英文を読む練習ならばKaplan Qbook(Amazon等のオンラインショップで購入可能)を使うのはありです。ただし、心音を聞いたり、画像を見て解答するマルチメディア系の問題もあり、実際の問題はパソコンの液晶画面で読みますので、オンラインで演習を行うのは必須です。

オンライン演習ならば、Kaplan QbankかUSMLE Worldを使うとよいでしょう。各社適宜問題を入れ替えたりしているようなので、どちらが良いかはわかりません。

さらに、制限時間内で解きながらどれほどのスコアが取れるかは、National Board of Medical Examiners (NBME)のSELF-ASSESSMENT SERVICES(有料)を試してみて下さい。3時間150問(3 Blocks)の短いバージョンですが、数種類あり、スコアの信頼性は高いという受験生のコメントを聞いていますので、時間的余裕があるのであれば何度か受験して自分のデータを取ってどこが弱いか確認してみるのも良いでしょう。

2. ECFMG®への受験手続

学習ツールはそれなりに定番があるのでそれを学習すればよいのですが、IMGsにとって厄介なのは、STEP1, STEP2でのECFMG®への受験手続き、STEP3のFSMBTM への受験手続きで、受験生によっては相当時間がかかることもありますので上手く対応する必要があります。注意していただきたいのは、TOEFL®とかTOEIC®などの試験を申し込む感覚で簡単に申し込めるものではないという認識を持っていただきたいということです。

英語で手続きを理解し、結果としてスムーズに申し込める方もいますが、だから自分もスムーズに申し込めるかというと、何とも書類を提出してみないとわかりません。何か問題が発生した場合、代理で第三者が問い合わせるとかはできませんので、ご自身で直接ECFMG®なりFSMBTMに英語で問い合わせつつ時間をかけながら処理していくことになります。先方では不正行為の可能性がありそうな申込は排除していく傾向が見受けられますので、そのつもりで準備してください。別に日本人だからとかいうのではなく、世界中から受験の申し込みが入るアメリカの国家試験ですし、国家政策とも関わる面もありますから、どんな不正も見過ごすわけにはいかない試験なのです。

それほど神経質になる必要はありませんが、まずは、それぞれのサイトで年度毎に告知しているInformation Booklet(PDF版で約60ページ)を読み込んだ上で受験手続きを行わなければなりません。学習が終わってから受験手続きを始めるのではなく、ある程度学習が進行してから手続きを並行していくことになります。

学習スケジュールを立てる際には、①集中して学習できる時間を半年ほど捻出できるか、②いつまでに受験するのか、を決めておきましょう。クラブ活動、CBT、ポリクリ、卒業試験、交換留学、国試準備、初期研修、業務スケジュール、専門医に向けての準備、住居先の異動などで計画が立てられないように見えながらも、その中でうまくスケジュールを組んで受験・合格されている方はいますので、何とか工夫してみて下さい。

また、テストセンターを管理しているのはプロメトリック株式会社に受験手続きについて問い合わせても回答は期待できませんので、あくまでも公式サイトに記載されている問い合わせ先に連絡する必要があります。もうすでにECFMG®やFSMBTMには登録を済ませた後での問合せでしょうから、ご自身のIDやInquiry IDなどを忘れないように伝えましょう。また、何を依頼したいのかを誤解が生じないように、簡潔に伝えましょう。(例えば、先に質問なり問い合わせたいことを言ってから、その理由や状況を説明して下さいね。日本語的に、先に状況説明してから文末で質問を書かないよう英文の構成には配慮しましょう。)

3. 動機

どんな学習ツールを使おうとそれなりに分量があります。受験手続きも速やかに行っても時間がかかったり面倒なことが起きたりすることもあります。どちらにしても辛抱強さが要求されますので、自分はどうして合格したいのかをしっかりと考えておきましょう。私は絶対にアメリカで臨床経験を積みたいでもよいし、臨床経験を積みながら自分の専門分野での研究を深めていきたいでもよいでしょう。受験にはしっかりとした動機付けが必要で、それを辛抱強く維持しないと、予期せぬことが発生したり、日々の学業・仕事で疲労し途中で断念してしまうようなことはよく見受けられます。最後までやり抜けば合格できると自分を信じることが大切ですし、その気持ちを維持するためにも約半年ほどの間で短期速習できるタイミングを見計らって一気に集中学習することが肝要です。長い時間かけてじっくり学習することはお勧めできません。(その間に合格スコアが上がったり、試験内容に変化が起きたり、学習ツール内容も改訂されたり、お仕事の分量が急増したり、時間の経過とともに何かと思い通りにいかなくなるものです。)

4. 環境

USMLE®対策のための勉強は孤独を強いられることがよくあります。(理由は何となく想像していただけるのではないでしょうか。)お互いに励ましあえる友人、激励してくれる先輩、先生、経験談(できれば失敗談)を語ってくれる受験経験者がいてくれると良いのですが、周囲にそのような方がいない場合には、日本人に限る必要はないのでSNSで海外に住んでいる仲間を見つけるのも良いでしょう。個人ブログについては、情報が古いこともありますので掲載年月日のチェックは忘れないで下さい。

また、数は少ないと思いますが、カプラン御茶ノ水センターのみならず、公益財団法人日米医学医療交流財団やある大学では臨床留学やUSMLE®に関するセミナーなど実施していたりしますので、実施会場や懇親会などで知り合いを作るのも良いですね。

国際病院や米軍基地内の病院に勤める機会があれば、USMLE®受験経験者や受験を意識している方も多いかと思いますので何かの機会に何気なく話題にしてみるのもありです。

もしアメリカのKAPLANに語学留学に行く方がおりましたら、New YorkのMidtown校(New JerseyにあるKaplan MedicalのNewark校にも電車で近いです)、Chicago校、Washington DC校、FloridaのMiami (Coral Gables)校はKaplan MedicalのUSMLE®対策ライブコース実施会場にもなっているので、医学生や医師の受講生と知り合いになるチャンスもあります。
海外医療活動に関心がある医学生の方は、IFMSAやAMSAの活動や参加を通じてよき理解者に出会えるかもしれません。
 
同じ目的意識を持っている人に出会えると「自分だけではない」という想いを経験されると思います。同じ悩みを抱えていることが分かったり、自分の失敗が他の方にとって有意なアドバイスになったりします。どんな職業でも人間関係の難しさはありますが、USMLE®について気さくに話せる環境があると良いですね。

参照元:Kaplan Medical
http://www.kaptest.com/medical-prep/usmle
公益財団法人日米医学医療交流財団
http://www.janamef.jp/
International Federation of Medical Students' Associations(IFMSA、日本語名:国際医学生連盟)
http://ifmsa.jp/
Asian Medical Students’ Association (AMSA、日本語名:アジア医学生連絡協議会)
http://amsa-j.sakura.ne.jp/

記事提供

株式会社 シェーンコーポレーション カプラン御茶ノ水センター

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KAPLAN Test Prep International Inc.とZHホールディングス(株)とのプロバイダー契約に基づき、グループ企業である(株)シェーンコーポレーションが運営しています。KAPLAN御茶ノ水センターでは、Kaplan Certified Education Center (KCEP)として、世界共通基準であるKAPLAN Test Prep の優れた各種試験対策コースを提供しています。

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