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【第5回】 英語は大丈夫ですか?

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これからUSMLE®対策の準備をする方たちから「どの程度の英語力が必要ですか」とよく聞かれますので、以下に気付いた点を記載しておきます。

1. STEP1、STEP2CK、STEP3

STEP1、STEP2CK、STEP3の設問形式は、英文パッセージを読んで選択肢から解答するリーディング中心のCBTです。STEP1の英文パッセージは50~200words。One block 44問60分なので、1問当たり80秒で180wordsぐらいの英文を読んで解答することになります(135wpm~)。STEP2CKでは少し長めになり80~250words。One block 44~45問60分なので、やはり約80秒で200wordsの英文を読むことになります(150wpm~)。STEP3で300words前後まで出てきますので、より早く読むスキルが必要になります。

英文パッセージには医療データやグラフ、写真・図表も組み合わさったものもありますので、そのような表示資料を読み解いたり、しかもそれを液晶画面上で読むので、どうしてもオンライン演習プログラムでの練習は不可欠です。
概して大学受験時代には受験英語を学習し、リーディング力と文法は十分に身に着けていると思いますし、専門英語を含んだ医学論文も英語で読み込んでいると思いますので、精読力には問題ないかと思います。むしろ、その精読力という土台の上にskimmingやscanningなどの速読リーディングスキルを身に着けていけばよいので、STEP1やSTEP2CKでの「英語」についてはそれほど恐れることはないかと思います。

単語については、医学用語を英語で覚えておく必要はありますので、英語論文等を読み慣れつつ、USMLE®対策用教材で出題範囲での専門的な概念や理論を英語で学んでおくことを意識されるとよいと思います。暗記が得意な方はUSMLE®対策用教材でflashcardsもあるようですし便利かもしれません。専門用語はギリシャ語・ラテン語が語源のことが多いので、roots(語根)はしっかりと覚え込んでおくと、北米留学で必要になるTOEFL®や公衆衛生大学院入学申請で必要なGRE®の対策にも役立ってきます。(その場合には、医療系のrootsに偏らないように注意しましょう。)

(医療系)
oss- “bone” : ossify
cardio- “relating to the heart” : cardiology
(一般)
bel- “relating to war” : bellicose, belligerent
hol-, holo- “whole” : holistic, holocaust

補足ですが、KaplanのUSMLE®対策用ビデオ教材は、英語の講義を聞いて学習するので、試験対策だけではなく医学関連でのリスニング力をアップさせるのにも役立つようです。(STEP2CK学習者からは、海外での学会に赴いた際に発音やイントネーションも含めて聞き取れるようになったのが良かったとの感想をいただいております。)

2. Psychiatry

STEP1のBehavioral ScienceやSTEP2CKでのPsychiatryでは心理学関連の英語専門用語も出てきます。専門上慣れていない方にとっては見慣れない単語や概念があり学習しずらいという感想を聞きます。例えば、「今までずっと外科医として働いてきて精神科の用語に慣れていない」とか。また、これと逆のケースもあり、「精神科なのでSTEP2CKのInternal Medicineを学習するのにかなり時間がかかってしまう」など。出題頻度から見れば、後者の方が学習上深刻になりますが、限られた時間の中で学習していると思いますので学習計画を立てる際には注意しましょう。

3. STEP2CS

STEP2CSになると、全く異なった英語力が要求されてきます。リーディング力ではなく、英語でdoctor-patient communicationをスムーズに行えるかが鍵になります。簡単に言ってしまえば「英会話」ですが、模擬患者役から病歴を聞き出したり、身体診察を行ったりする状況下での英語のコミュニケーション能力が試されます。しかも非英語圏の日本人となると、verbalのみならずnon-verbalな側面で、英語圏で通用するコミュニケーション・スキルを身に着けることも必要なので、単なる知識としての「語学」とは異なってきます。「患者さん」という素人を相手にするので、医学的な専門用語の使用は避けて、シンプルで相手に分かりやすい英語で不安を与えないように説明したり、こまめに相手の心情を英語で労わってあげる姿勢が問われます。さらに、患者さんからの視点で、患者さんからどれほどの距離をとったらよいのか、また、どの角度にポジションをとるか、視線の高さは適正かなども意識しておく必要があります。

日本にいると対策が難しい試験ですが、英語を話す習慣は急には身につかないので、まずは普段からできれば日常的に英語で話す練習を積み上げてください。ネイティブ並みの発音が必要というわけではなく、日本語訛りがあってもよいですが、要は、アメリカに住んでいる人々を相手に、簡単な英語で、支障なくコミュニケーションが行えるのがポイントと考えておくとよいでしょう。

ということは、音声面で相手から聞き返される発音とかイントネーションではよくないとうことになります。国家試験なので、強いスラングは出ないと思いますが、精神的に不安定な患者さんの発音やイントネーションを聞き取る必要は出てきます。アメリカということでいろいろな人種の方たちのアクセントに接することもあれば、若い方やお年寄りの話す英語、電話による会話という状況での英語にも慣れておくことも必要です。
また、病歴聴収や身体診察で普通に使う定型表現は完全に自分のものにし、いつでも自分の口から引き出せるようにしておきましょう。その上でアドリブで対応できる英会話力をつける練習を重ねておきます。

4. TOEFL®は必要か。

よくTOEFL®で何点ぐらいが必要か聞かれることがあります。まず、ECFMG® Certificateを取得する上では、現状では必要はありません。また、USMLE®対策でも役立つかという視点では、STEP2CSを除けば、リーディングスキルをアップさせる目的ならば役立ちますが、それだけならばQbookなどUSMLE®対策用印刷教材でも済んでしまいます。

STEP2CSでは、その場で診断結果を要約して短時間で患者役に伝えるスキルも必要なので、TOEFL® Speakingのスキルは良い練習になるとは思います。但し、TOEFL®では、様々なアカデミックなテーマが扱われるので、医療系テーマに特化したい場合には直接的な対策とは言えません。

テストというものは、何を測定するかという目的に沿って作成されているので、目的が異なるテストで他のテスト対策になるかというのはおかしい感じがしますが、総合的な英語力を向上させるという意味では、また、専門性の高い学術機関や医療機関に入れるだけの英語力の目安にするという意味では、TOEFL® iBTならば100点はほしいという印象です。厳しい言い方をすると、そのレベルに達しないまま留学すると、自分が充分に納得できるだけのものを吸収できなかったり、アメリカ社会で生活する際にコミュニケーション上の弊害がでたりすると思われます。

TOEFL® iBT 100点は、セクションのバランスにもよりますが、十分条件ではなく英語圏に留学する/働く際のスタート・ラインと考えて、日々の英語学習の目標にしましょう。

参照元:http://www.usmle.org/
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