1. 今後のキャリアに関係する?いまさら聞けない「病床再編」(3/3)

今後のキャリアに関係する?いまさら聞けない「病床再編」(3/3)

「病床再編」って聞いたことあるけれど…
医療費削減に向けた政策として2012年2月に閣議決定された「病床再編」。2025年に向け、医療提供体制を見直すこの政策は、医師にとっても患者さんにとっても大きな転換期になると言われています。
しかし、「病床再編」とはどのようなものなのか、誰にどんな影響があるのか、あまり認知されていないのが実情かもしれません。「病床再編」という言葉は耳にしたことがあるけれど、この政策が進むとどうなるのか、疑問を抱いている医師も多いと思います。
今回は、現場で働く医師に「病床再編」に関しての疑問質問をヒアリングし、それについて回答していきます。

「病床再編」スケジュールは?

病床再編は医療費削減のために考案された政策で、6~7年前から再編に向けた動きが始まっています。しかし、当初の予定通りには再編が進んでいないのが現状です。これは、収入を確保するために「7対1」の状態を維持したいと考える病院が多く、適切な変更が進んでいないためです。2025年は、団塊の世代がちょうど後期高齢者に該当する頃と言われていることから、「将来を見据えて2025年までに」という期限目標を置いていたましたが、現状のままでは実現が難しいと判断され、最近、厚生労働省の中にある「日本の医療の方向性を決める社会保障審議会」により、「2035年を目処に」と期限を延ばすと発表がありました。

ポイント
  • 病院側との意識のずれから「病床再編」は計画通りに進んでいない
  • 「2035年」まで期限が延長された

「病床再編」が進まないと、今後の日本はどうなるのか?

病院の診療点数は、病院にいる看護師の数で決まります。経営者は医師なのに、病院の評価は看護師の数で決まるというゆがんだ構造が「病床再編」を推進できない原因の一つであると考えられます。実際、有名な医師が揃っており、質の高い医療を提供していても、看護師さんが集まらず「7対1」病院として申告できていない病院もあります。

今後「病床再編」が進まないと、患者さんを受け入れる病院や働く医師、そして治療を受ける患者さんにとっても良い結果にはならないと思います。診断士の立場から言わせていただくと、お互いの機能を分け、病院同士が連携して患者さんを治療していくような流れができれば、収入に大きな影響が出ることはないと考えます。かかりつけ医など、総合診療機能の窓口を設けることは必要となりますが、一つひとつの病院が専門性を持つことで、患者さんとしてはより質の高い医療を受けることが実現するのです。

ポイント
  • 診療点数は看護師の数で決まってしまうことが、「病床再編」を推進できない原因の一つに
  • お互いの機能を分け、病院同士が連携することが必要
  • それぞれの病院が専門性を持つことで、患者さんとしてはより質の高い医療を受けることができる

医療現場にいても経営者でなければあまり実感が湧かないのが現実のようです。しかし、「病床再編」は今後の医療業界にとって重要な政策であることは間違いありません。医師として現在の状況維持だけではなく、今後の医療業界の発展を見据える目を持つことが重要になるでしょう。

また、転職・開業を検討している医師にとって「病床再編」など厚生労働省が打ち出す政策に関する情報は、今後の方向性を決めるための重要な判断材料となります。日々の診療に追われ、情報をキャッチするのがなかなか難しい時は、業界事情に詳しい転職・開業コンサルタントに業界のリアルな事情を聞いてみることが近道になることもあります。