- 施設数は全国平均を下回るも、上中下越地方それぞれに大病院あり
- 甲信越地方に位置する新潟県。JR上越新幹線が開通しており、新潟駅から東京駅まで約2時間と首都圏への交通アクセスが良好です。
新潟県の病院/診療所数は、厚生労働省の「都道府県-指定都市-中核市別にみた医療施設数-病床数」によると、137の病院、1,688の一般診療所があります。これは人口10万人あたりの病院数/診療所数でみると5.7/70.6になり、どちらも全国平均を下回っています。医師不足も続いており、求人は常勤医からアルバイトまで数多く募集されていますから狙い目の地域といえるでしょう。南北に細長い新潟県は、上越市がある上越地方、長岡市を中心とする中越地方、そして県庁所在地の新潟市がある下越地方に大きく区分されます。
この3つの地域それぞれに著名な大病院があり、上越地方にはさいがた医療センターや新潟県立中央病院、中越地方には新潟県立精神医療センター・長岡赤十字病院・長岡中央綜合病院・田宮病院・立川綜合病院があります。下越地方には県下唯一の大学病院である新潟大学医歯学総合病院をはじめ、西新潟中央病院・新潟県立がんセンター新潟病院、新潟市民病院、済生会新潟第二病院、新潟医療センターなど多数の病院がみつかるでしょう。さらに、下越地方の新潟市では中小規模病院も多数点在しています。
求人も新潟市をはじめとする都市部の周辺を中心に広がっています。病院/診療所の数は約130施設(病院)と約1,700施設(一般診療所)。これはどちらも甲信越地方の中ではトップの数となっており、多様な選択肢の中から職場を選ぶことができます。
気になる新潟県の求人倍率は、平成22年度厚生労働省の「病院等における必要医師数実態調査」によれば、現員医師数2,698.6人に対して必要求人医師数は473人、求人倍率は1.22となっています。
新潟県は日本で5番目に広い都道府県ですが、二次医療圏は7つと少なく、他県と比較してひとつひとつの医療圏が広いという特徴があります。県全体の偏差値は総病床数・一般病床数・総看護師数は50前後と全国平均レベルですが、総医師数と全身麻酔件数が全国平均をかなり下回ります。人口10万人に対する医療施設従事医師数は188.2と全国平均233.6に対して著しい不足がみられます。
なお、県庁所在地でもある新潟市を擁する新潟医療圏には県人口の39%が集中していますが、病院勤務医の集中度は52%と人口以上の集中がみられ、医療資源の地域偏在が問題となっています。
新潟県は離島・へき地を多く抱えるので、特に救急医療体制の確保が大きな課題です。このため平成24年にはドクターヘリを導入し、佐渡圏域および魚沼圏域では域内の病院や診療所、薬局などをオンラインで結ぶ医療連携ネットワークの構築を進めています。
こうした事情から、県外からの転職を希望する医師に対しての需要も高く、特に常勤医が不足しがちなへき地から盛んに求人募集が行われています。