- 求人倍率は低いが、施設数が多いため欠員補充や業務拡張によるニーズが多い
- 東京都の南に位置し、その結びつきも深い神奈川県。県下に12の大学病院/国立病院を有し、病院数は348、診療所/クリニックの数は6,000以上と、全国レベルでみても医療環境が非常に充実した地域といえます。ほぼすべての診療科目において、豊富な求人案件が登録されています。
また必要医師数を医師数(現員医師数)でほぼ賄えている病院が多い、つまり求人倍率が低い病院が多いといえます。また労働環境の面でも、比較的恵まれている県でもあるといえそうです。
神奈川県は首都圏に属し、特に県東部は東京都内への通勤人口が多い地域です。
横浜中心部に横浜市立大学附属市民総合医療センター、横浜北部に昭和大学藤が丘病院、昭和大学横浜市北部病院、横浜西部に横浜医療センター、横浜南部に横浜市立大学附属病院、相模原に北里大学病院、北里大学東病院、国立病院機構相模原病院、川崎エリアに聖マリアンナ医科大学東横病院、日本医科大学武蔵小杉病院、帝京大学医学部附属溝口病院、聖マリアンナ医科大学病院と、大学病院/国立病院だけでも県下に12の施設があり、日本全体でみても医療環境・水準ともにかなり充実した県といえるでしょう。
平成22年に厚生労働省が発表した「病院等における必要医師数実態調査」によれば、神奈川県の現員医師数は7,527.3人、必要求人医師数は575.2人となっており、求人倍率は1.08となっています。これは全国平均でみると比較的医師数が充足しているといえる状況で、東京都に次いで全国平均をかなり下回っています。
とはいえ神奈川県は348の病院と6,000を超える診療所/クリニックを有する医療機関の充実した県ですので、医師の転出・退職などに対する欠員補充や施設拡充・新規開業に伴う人員増など、常に豊富な求人案件が登録されています。
神奈川県は11の二次医療圏で構成されており、県土面積に比べて医療圏域数が多い点が目立っています。また、もっとも医療資源の充実した横浜南部圏域(人口10万人に対する医療施設従事医師数255.1)と県央圏域(同121.3)とでは医師数に2倍以上の開きがあり、医師の地域偏在が顕著です。
神奈川県の医療施設従事医師数は18,349人で、医師の絶対数としては多いのですが、人口10万人当たりでは201.7となっており、全国平均をかなり下回ります(平成26年 厚生労働省『医師・歯科医師・薬剤師調査』)。都道府県別の順位では全国39位であり、東京への医療依存がみられると同時に、医療資源不足が表面化しつつあるといえます。
神奈川県では医師の養成・確保が喫緊の問題であり、また各診療科の専門医師のほか、総合診療医を特に必要としています。県内での医師育成にも注力していますが、他県からの常勤医の転職を促進するため、医師のキャリア形成プログラムの作成、相談等を行う地域医療支援センターの設置や魅力ある研修体制、研修プログラムの開発に向けて積極的な検討が続けられています。求人募集の内容にも好待遇のものが多いです。