- 日常疾患から難病まで、多岐にわたるシーンで需要が高まる
- 蕁麻疹やにきび、水虫などの日常的な疾患はもちろん、アトピー性皮膚炎や帯状疱疹、また膠原病、皮膚リンパ腫といった難病の皮膚疾患まで、皮膚に関するさまざまな病気を扱う皮膚科ですが、近年では、褥瘡(床ずれ)や老人性乾皮症、おむつかぶれの患者が増加するなど、とくに高齢者医療における皮膚科医の需要が高まっています。
エリア別に見てみると、東北地方での皮膚科医不足が見受けられ、現員医師数は全国にいる皮膚科医のうちのわずか0.6%程度であり、もっとも現員医師数の多い東京都の半数にも満たず、また、全国の皮膚科医求人数のうち約20%が東北6県という現状です(厚生労働省『必要医師数実態調査』)。
日常的な疾患から難病まで、あらゆる皮膚疾患を対象とする皮膚科ですが、病院によっては、遺伝子レベルでの病態解明や新しい治療方法の開発など、臨床を含めた研究に注力している施設も少なくありません。転職にあたっては、エリア選定も含め、目的に合わせた病院選びが重要といえるでしょう。
厚生労働省の「平成24年(2012年)医師・歯科医師・薬剤師調査の概況」によると、病院勤務の皮膚科医の平均年齢は40.9歳。これは全診療科目の中でも形成外科医の40.3歳に次いで若くなっています。ただし診療所勤務医の平均年齢55.8歳は他の診療科目と大きくは違わず、ある年齢で独立開業する皮膚科医が多いのではないかという推測が成り立ちます。
厚生労働省の「診療科目別にみた一般診療所数・歯科診療所数の年次推移」によると皮膚科の診療所数は約12,840所となっており、これは特定の診療科目による診療所の中では上位を占めます。このため求人案件でもクリニックからの募集が目立ちます。全国の医療施設に従事する皮膚科医師の総数は平成20年に8,210人ほど、平成24年におよそ8,690人となっており、この4年の間に約470人増加しています。増加率にすると5.7%ほどで、この伸び率は全医師平均の6.2%とあまりかけ離れていません。
これらの数値は厚生労働省の「医師・歯科医師・薬剤師調査の概況」を参考にしたものですが、厚生労働省の調査では一般皮膚科医と美容皮膚科医の識別がなされていません。しかし化粧品メーカー大手、資生堂の調査によれば美容皮膚医療は日本でも1990年代後半から拡大し、日本国内における美容皮膚医療の施術患者数は2002年に約170万人であったのに対し、2005年には約480万人とおよそ2.8倍にも急伸しているとしています。レーザー脱毛やボトックス注入などの美容・アンチエイジング施術、そしてAGA治療などといった従来と同じ皮膚科の領域外にも、皮膚科医師が活躍する場は広がっています。またこれらの多くは自由診療であるため、美容皮膚医療に携わる求人案件の報酬は比較的高額に設定されているものも多く見受けられます。「最新の美容皮膚医療技術を学んで将来の独立開業に備えたい」という方にとって、そうした案件は魅力的ではないでしょうか。
皮膚科の現員医師数は平成22年9月29日時点で3,347人、必要求人医師数は213人で、現員医師数と必要求人医師数の合計は現員医師数の1.06倍です。現在、人員の募集はしていませんが、医療機関が潜在的に必要とする必要非求人医師数を含めた場合、必要医師数は331人であり、現員医師数と必要医師数の合計は現員医師数の1.10倍です(厚生労働省 平成22年「病院等における必要医師数実態調査の概要」より)。
現員医師数に対する必要医師数の倍率(全診療科平均)の1.14倍を下回りますが、依然として皮膚科の医師は足りていない状況です。
皮膚科は顔や手足、胴体、口の中など、ほぼ外から肉眼で見える部分が診療範囲です。やけど、じんましん、水虫をはじめ、皮膚の異常に対して手術や治療を行います。近年はライフスタイルの変化や、日常生活のストレスによって「アトピー性皮膚炎」にかかる患者が増えており、皮膚科医師の需要は今後も高まることが予想されます。
大病院はもとより、地域の診療所でも常勤・非常勤問わず求人募集が活発です。転職に強い診療科目といえます。
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