- 少子高齢化にも関わらず需要は増加、ライフスタイルに合わせた病院選びを
- 新生児から中学生(おもに16歳未満)の子供を対象に、発熱・腹痛・頭痛といった内科的な診療をはじめ、風疹・おたふく風邪・インフルエンザなどの予防接種から集団健康診断まで手がける小児科。自分の症状をうまく説明できない子供相手であり、また、ときには育児不安を抱える親へのカウンセリングやアドバイスを求められることもある小児科医には、医療スキルだけではなくコミュニケーション能力も必要とされます。
少子高齢化社会の日本では、小児科医の需要が減っていると思われがちですが、医療の細分化(専門化)が進んでいること、さらには、ちょっとした発熱や腹痛でも昼夜を問わず小児科にかけこむ親が増えていることなどから、その需要は増加の一途をたどっています。
厚生労働省『必要医師数実態調査』をみても、全国的に求人数が多く、また、小児科の場合、専門病院や地域の診療所・クリニックも数多いため、慢性的に人手不足な現状が見受けられます。夜間や休日診療を行っている施設も少なくないため、転職にあたっては、自分のライフスタイルやペースに合わせた病院選びがポイントです。
小児科は新生児~中学生くらいまでを対象とした臨床医学で、年齢区分による分類のためすべての臓器疾患や感染症を診療対象とします。一時期、産婦人科と並んで深刻な医師不足が問題視された診療科でもありますが、労働環境の改善などにより若手医師・学生の小児科離れにもブレーキがかかり、今後は絶対数の不足よりも地域偏差が重要なテーマとなっています。このため地方の医療施設からの求人案件が好待遇になりやすい傾向がみられます。厚生労働省の「医師・歯科医師・薬剤師調査の概況」によれば平成20年から24年までの4年間で医療施設に従事する小児科医は全国でおよそ15,230人から16,340人へと増加しています。約1,110人増、増加率約7.2%は医師全体の増加率(約6.2%)よりもやや高い水準となっており、また平均年齢をみると20年の49.2歳から24年の49.5歳とほとんど変わりがないため、若い医師が増加傾向にあると考えられます。
小児科は総合病院・地域密着型の公的病院・中核病院には欠かせない診療科ですから当然それらの求人案件も豊富です。しかし小児科クリニック、外来・検査を中心とするクリニック、個人宅並びに施設の訪問診療に特化した在宅専門クリニックなどさまざまな形態の医療機関からの需要があります。内科も診察可能な方はさらに優遇が期待できるでしょう。
職務の特性上当直やオンコール対応が期待されることもありますが、全般的に拘束時間は低減化の傾向にあり、当直回数も少なく、当直明けは勤務日とみなすものの朝/午前中のみの勤務となっているなど、医師の負担への配慮がなされている案件が多くみられます。また忙しさに対して高待遇で報いるという案件も少なくありません。
小児科の現員医師数は平成22年9月29日時点で8,537人、必要求人医師数は956人で、現員医師数と必要求人医師数の合計は現員医師数の1.11倍です。また現在は求人を募集していませんが、医療機関が潜在的に必要とする必要非求人医師数を含めた必要医師数は1,331人であり、現員医師数と必要医師数の合計は現員医師数の1.16倍です(厚生労働省 平成22年「病院等における必要医師数実態調査の概要」より)。現員医師数に対する必要医師数の倍率(全診療科平均)は1.14倍で、小児科はそれよりも若干高い数値です。
現在、少子化によって子どもの数は減っていますが、だからといって小児科医が足りているとはいえません。それどころか、小児科医の数も減少傾向にあり、需要は依然高いままです。特に小児科医の地域偏在化は問題視されており、小児科の常勤医を募集している求人は多くあります。
また、小児科は女性医師の割合が高いという特徴もあります。医師全体の女性医師の割合は20%ですが、小児科医師になると34%です。年齢別に見ると25~29歳では半数が女性医師であり、女性人気の高い診療科目だといえます。
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