- 新設する病院が増加中で、とくに女性医師の求人需要が高まっている
- 罹患患者数が年間約7万人と推定されている乳ガンは、今後もさらなる増加が予測されており、乳腺外科を置く病院数は、診療所を含め全国に約640施設(平成25年現在)と、近年その数を増やしつつあります。
乳腺外科で扱う乳ガンや乳腺炎などの疾患は、男性がかかる場合もありますが、その比率は<男性1:女性100>というように圧倒的に女性の罹患率の方が高く、ほぼ女性特有の病気といっても過言ではありません。
このように女性の患者さんが圧倒的に多いこと、また、初診の段階では問診や視触診が行われることなどから、女性医師を希望する患者さんが多く、求人に関しても女性医師の需要が高まっています。
乳ガンは早期発見によって完治が見込める半面、再発率も病期がⅡ期でも約30~40%と高いことから、長期間に及ぶ経過観察が必要であると同時に、患者さんのQOL向上や精神的ケアなども求められるため、転職にあたっては長期で働くことを前提に、環境や条件なども含め自分に合った職場探しを心がけたいところです。
乳腺外科は女性の乳房の病気全体を扱う診療科ですが、乳がんが女性のがんの中で罹患率が第1位となり、またさらに近年増加傾向にあること、他のがんに比べてかかりやすい年齢が比較的若いことなどから多くの女性の注目を集めるようになり、乳がん検診などで多くの乳腺外科医が必要とされるようになりました。
婦人科検診・子宮がん検診の際に乳がん検診を同時に行う病院・クリニックも増加しています。また、特にクリニックでは女性医師への求人ニーズも高まっているようです。公益財団法人がん研究振興財団の資料によれば、2010年には1年間で6万8,000人以上の女性が乳がんにかかり、女性のがんの20.2%を占めるという結果が出ています。しかし乳がんは初期発見(非浸潤がんの段階での発見)さえできて適切な治療を受ければ100%近い救命率が期待できるがん(公益財団法人日本対がん協会 臨床周期Iの初回入院治療症例 5年生存率98.5%)であり、厚生労働省の「平成25年度地域保健・老人保健事業報告の概況」によれば平成25年度の乳がん検診受診者数は207万人以上にのぼっています。1~2年ごとに乳がん検診を受ける女性は着実に増加してきているようです。
乳がん検診は基本的に自由診療ということもあり、多くの病院・クリニックが実施していますが、子宮がん検診や法定健診、人間ドックなどと組み合わせた女性向け総合健診サービスを行っている医療機関も多く、それだけ乳腺外科の需要も高まっています。乳房視触診及びマンモグラフィ読影ができる乳腺外科医には、総合病院・一般病院・婦人科専門病院・クリニック・老人保健施設・在宅クリニックなど多くの医療施設から多くの求人があります。
また「乳房を男性医師に診られるのは抵抗がある」と女性医師を希望する受診者も多く、このため「女性医師による乳がん検診」をアピールするクリニックも少なくありません。女性医師が活躍しやすい診療科ともいえるでしょう。
乳腺外科の現員医師数は平成22年9月29日時点で714人、必要求人医師数は73人で、現員医師数と必要求人医師数の合計は現員医師数の1.10倍です。また現在は求人を出してはいませんが、医療機関が必要とする必要非求人医師数を含めた必要医師数は103人であり、現員医師数と必要医師数の合計は現員医師数の1.15倍です(厚生労働省 平成22年「病院等における必要医師数実態調査の概要」より)。現員医師数に対する必要医師数の倍率(全診療科平均)が1.14倍であることをふまえれば、まだまだ医師不足は否めません。
独立行政法人国立がん研究センターがん対策情報センターによると、日本人女性の乳がん罹患者数は2012年には7万人を数え(約11人に1人)、その後も罹患者が増加しています。
高度な医療が求められる大病院はもとより、地方病院でも乳腺外科医師の需要が増大傾向にあり、常勤・非常勤ともに求人募集が活発に行われています。転職チャンスが多い診療分野だといえます。
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