- 求人数は循環器内科の約1/4、転科、スキルアップも視野に入れた選択を
- 冠動脈バイパス手術やバチスタ手術など、心臓や血管の病気を外科的に治療する心臓血管外科(循環器外科)。医療系テレビドラマなどの影響で注目を集めてきましたが、近年では、循環器内科が担当するステントを使用したカテーテル治療が増えてきたことから、症例数は減少傾向にあり、関連3学会(日本胸部外科学会/日本心臓血管外科学会/日本血管外科学会)では、施設間のレベル格差を是正するために、施設の集約化を進めています。
それらは、求人数にも少なからず影響を与えているようで、厚生労働省『必要医師数実態調査』でも、心臓血管外科の求人数は循環器内科の約1/4と全国的に少ない結果となっています。内科的な治療では対応が困難な重篤症状や急を要する症状を治療する機会が増えており、より高いスキルを持つ心臓血管外科が求められている現状もあります。
心臓血管外科医の中には、一般外科や循環器内科への転科を希望される方も少なくありませんが、心臓血管外科医としてのスキルアップを目指される方は、より症例数の多い病院への転職も検討してよいかもしれません。
心臓血管外科医には心臓疾患や大動脈疾患などに対する外科手術の他、最近ニーズの高い血管内手術に関する高いスキルを持つ方が多いため、専門科以外にも多くの医療施設で必要とされ、求人数も多くなっています。特に高齢者医療関係の施設では、「いざという時のために」心臓血管外科のスペシャリストが欲しいところが多いようです。
心臓血管外科医は、その専門性を必要とする総合病院・一般病院・療養病院、脳神経外科や循環器科を中心とした専門病院など、多くの医療現場で活躍のチャンスがあります。
転職に際しては専門スキルを活かすこと以外にもQOLについてもお考え合わせになってみてはいかがでしょうか。
厚生労働省の「医師・歯科医師・薬剤師調査の概況」で平成20年と平成24年のデータを比較してみると、医療施設に従事する医師のうち心臓血管外科医の人数は2,900人前後とほぼ4年間で変動ありません。ただし平均年齢が43.3歳から44.5歳へと1.2歳上昇しています。高い専門性が求められ、また勤務先も入院施設を持つ病院に限られることから診療科の固定化が進んでいるように見受けられます。
最近の求人案件をみると心臓血管外科医に対して従来より柔軟性を持った職場を提供している医療施設も増えてきているようです。
例えば若手~中堅の先生で、より「高度な先端技術を追求したい」という方のためには最新設備を整えた大規模病院などが当直なしの求人を行っています。
また、透析専門病院や糖尿病外来、高齢者医療を中心とした医療施設に活躍の場を求めるという方向性も考えられます。これらの医療機関では大血管障害の患者さんも多いため、シャントやPTAといったスキルを活かしていただくこともできるでしょう。
近年、医療技術の進歩にはめざましいものがありますが、最も発展した領域の1つに心臓血管外科があります。日本における心臓血管外科は欧米諸国と比べてスタートが遅れたものの、現在は世界トップレベルの医療技術を持つ国として知られるようになりました。心臓血管外科は日本の三大死因に数えられる「虚血性心疾患」を扱うだけでなく、また、心臓や血管という命に関わる部位を専門にすることから、高度な知識・技術・経験が求められる分野です。生活様式の欧米化によって心血管疾患罹患率が増加の一途をたどっており、心臓血管外科手術の需要も日々高まっています。現在、日本では診療科目問わず医師不足が叫ばれていますが、生命に深く関わる心臓血管外科の地域格差は深刻な問題となっています。大病院のような高度な医療が求められる病院はもちろんですが、医療不足が叫ばれているへき地での求人募集も盛んです。全国的に常勤・非常勤医師の確保が行われているため、転職チャンスが多い状態といえるでしょう。
心臓血管外科の常勤医師求人情報を都道府県で絞り込む