- 一般病院からのニーズの高まりが、全国的な求人数の伸長に
- 内科系の疾患のなかでも、血液・骨髄・リンパ腺に起こる病気を診療する血液内科。白血病やリンパ腫など進行の早い悪性腫瘍なども担当しているため、これまでは特殊な設備を持つ病院における常勤雇用がほとんどでしたが、近年、患者さんのQOL向上や専門病院の病床不足などの理由から、特殊な設備を必要としない血液系疾患(急性白血病などを除いた疾患)の投薬治療や予後観察を専門病院以外でも行うようになってきました。
それに伴い、特殊な設備を持たない一般病院においても血液内科専門医のニーズが高まっており、常勤・非常勤を問わず、全国的に求人数が増えてきています。
転職を成功させるためには、特殊な設備を持つ専門病院や大規模病院で先端の臨床に携わるか、それとも、患者さんのQOL向上のサポートを含め日常的に患者さんと向き合う治療をしていくのかなど、自分のキャリアや将来を見据えた上での病院選びがポイントといえるかもしれません。
血液内科では主に血液細胞を対象として血液の病気全般の診療を行います。具体的には造血器腫瘍、貧血性疾患、血小板異常などに対応しますが、救急医療の現場やチーム医療には欠かせない存在としてその重要性が高まってきており、総合病院、救急指定病院はもちろん、在宅診療クリニックや検診クリニックからの求人も多くなっています。
血液内科医は近年増加が目立ちますが、それでも需要数の増加に対しいまだ追いついておらず、また医師不足とともに地域による偏在化も大きくなっています。このため地方からの求人案件も豊富です。血液内科で扱う疾患の多くが悪性疾患で、特に急性白血病など、治療開始が遅れれば患者さんの死につながるものも少なくありません。
しかし近年は急性白血病、悪性リンパ腫などの造血器悪性腫瘍に対する化学療法は長足の進歩を遂げ、また末梢血幹細胞移植、骨髄移植などの造血幹細胞移植技術も確立されてきました。さらに副作用の少ない分子標的薬治療などの新しい治療法が続々と臨床に投入され、めざましい成果をあげています。
血液内科医の数も、厚生労働省の「医師・歯科医師・薬剤師調査の概況」によれば平成20年から24年にかけての4年間で1,867人から2,353人へと486人も増加。この期間の全医師の増加率5.8%に比べ20.7%という高い伸び率を記録しています。しかしそれと時を同じくして総合病院や地域中核病院などチーム医療を推進する医療機関では、多くの疾患に対して血液の専門家である血液内科医の必要度が高まっています。また高齢者急性骨髄性白血病など高齢者血液疾患の増加に対応できる血液内科医も必要とあって、在宅診療クリニックなど高齢者医療施設からの求人案件も増加してきました。血液内科医は小児科医や産婦人科医、救急救命医と並んでもっとも不足している医師のひとつに数えられています。
血液内科の現員医師数は平成22年9月29日時点で1,709人、必要求人医師数は174人で、現員医師数と必要求人医師数の合計は現員医師数の1.10倍です。また、現在は求人を出してはいませんが、医療機関が必要としている必要非求人医師数を含めた必要医師数は256人で、現員医師数と必要医師数の合計は現員医師数の1.15倍です(厚生労働省 平成22年「病院等における必要医師数実態調査の概要」より)。現員医師数に対する必要医師数の倍率(全診療科平均)が1.14倍ということをふまえれば、まだまだ需要の多い分野であるといえます。
主に溶血性貧血・再生不良性貧血といった難治性貧血や、白血病・悪性リンパ腫・骨髄腫といった、いわゆる「血液のがん」の治療を行う分野です。薬剤投与による副作用に対して、臨機応変に対応できる高度な診療能力が求められるので、知識や技術を持った血液内科医師は全国各地で需要があります。現在、慢性的な医師不足により、常勤・非常勤ともに求人募集が盛んに行われている状況です。比較的転職しやすい診療科目といえます。
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