- 全国的に一定数以上の求人が見られる一方、突出して高いエリアも
- 食道・胃・小腸・大腸、さらには肝臓・胆道・膵臓などを幅広く受け持つ消化器内科は、内科の中で最も多くの患者さんを診療する科目のひとつといわれており、一般内科と循環器内科に次いで医師数が多い診療科でもあります(厚生労働省『必要医師数実態調査』より)。
全国的に一定の求人数がある半面、必要医師数に対する現員医師数の割合は都道府県によって大きな差があり、たとえば、東北地方をみると、宮城県や秋田県は90%を超えているのに対し、岩手県では約65%、福島県では約75%、山形県では約78%と、大きな開きが出ています。
投薬などで治せる疾患が比較的多い消化器内科ですが、病院によっては、内視鏡による消化器系ガンの早期治療に力を入れているところもあるため、転職時には、その病院の特徴や治療方針などを熟考したうえで、自分に合った病院を選ぶことをおすすめします。
内科の中でも、最も多い医師数を誇るのが消化器内科です。厚生労働省による「平成24年(2012年)医師・歯科医師・薬剤師調査の概況」では、消化器内科で勤務する医師の数が13,000人以上となっています。全診療科目の総数に占める割合は4.5%です。平均年齢は45.7歳で、全診療科目の総数における平均年齢よりは若いことがわかります。
消化器内科の医師に対するニーズも高く、さまざまな医療機関において求人案件も豊富にあります。日本人の死亡要因として長くトップに君臨している「がん」。がんの中でも、その約6割が消化器におけるがんだといわれています。そのため消化器内科ではがんの早期発見に力を入れている医療機関が多いのが特徴です。
胃や食道、腸などといった消化管に関する疾患の診察・治療を行う消化器内科では、受診される患者さんの症状が消化器官にできる悪性腫瘍やポリープ、急性胃炎、急性腸炎、便秘症、逆流性食道炎など、幅広くなっています。がんは生命に関わる重要な病気のため、緊急の対応が求められます。そのため、外科の医師と協力して治療にあたったり、がんなどの高度医療に特化した病院と連携して治療を行っている病院・診療所も少なくありません。
平成22年、厚生労働省の「病院等における必要医師数実態調査の概要」によると、消化器内科における現員医師数は約7,690人です。必要求人医師数は850人ほどで、倍率は1.11倍となります。
消化器の機能も年齢とともに低下していくため、将来的には患者さんの数が増えていくことが予想されます。そのため、医師の募集は消化器専門の医療機関だけでなく、診療所や慢性期病院、検診施設などで、幅広く行われています。求人案件に関しては、消化器内科の分野のみにとどまらず、内科診療を総合的に行える医師に対するニーズが高いという特徴があります。
消化器内科の必要求人医師数は853人で、現員医師数と必要求人医師数の合計は現員医師数の1.11倍です。また、現在は求人を募集していませんが、医療機関が必要だと考えている必要非求人医師数を含めた必要医師数は1,065人で、現員医師数と必要医師数の合計は、現員医師数の1.14倍です(厚生労働省 平成22年「病院等における必要医師数実態調査の概要」より)。
消化器内科は上部・下部消化管から肝臓、膵胆道系疾患と、幅広い分野の疾患を扱う診療科です。近年は内視鏡検査のニーズが増えてきた影響もあり、一般内科と内視鏡検査のスキルを必要とする求人が増えてきました。したがって、上部・下部内視鏡やERCP(内視鏡的逆行性胆管膵管造影)などの治療実績があれば、転職活動には有利に働くでしょう。キャリアアップのために「内視鏡専門医資格」を取得することもおすすめします。
消化器内科は、内科系診療科目としては一般内科、循環器内科に次いで求人医師数が多いので、常勤・非常勤ともに求人募集が活発です。好条件の求人も数多く見つかるでしょう。