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 > 〔4時限〕医療での英会話能力を向上させるために知っておきたいこと

【第5回】目指せ!国境なきドクター!

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インターネット、論文、国際学会…、英語が一般共通語となっている今、最先端の情報を得るためには英語の能力が求められています。
スマートDr.たるもの、問診に来た外国人ともペラペラとしゃべりたい!
今回は医療英語のプロであり、医療通訳の普及にも努めている日本大学医学部の押味貴之先生に医療英語学習のワザとコツを伝授していただきます。

押味 貴之

押味 貴之(おしみ・たかゆき)
1972年生まれ。
日本大学医学部 医学教育企画・推進室 助教(医学英語担当)、日本医学英語教育学会評議員、日本英語医療通訳協会(J.E.)理事、米国Cross Cultural Health Care Program 公認医療通訳トレーナー。
「医療英語」、「医療通訳」、「外国人医療」をキーワードに執筆・教育・啓蒙活動に携わる医師。
日本医学英語教育学会評議員として、医師や医学生などの医学英語教育に幅広く携わる一方、海外の医療通訳を中心に調査・研究活動を進め、全国各地で英語医療通訳者の養成に携わる。

スマートDr.養成講座 第5回 目指せ!国境なきドクター!

〔4時限〕 医療での英会話能力を向上させるために知っておきたいこと

■ 「理解できればいい」「伝わればいい」が会話の原則
サッカー選手のクリスティアーノ・ロナウドがマンチェスター・ユナイテッドで活躍していた時のインタビュー動画があります。
ポルトガル出身の彼の英語はお世辞にも「完璧」とは言えません。しかし彼はインタビューアーの質問をしっかりと理解して、自分の伝えたいことは全部伝えています。そうです、彼の英語は「完璧」に通用しているのです。つまり会話での英語で重要なことは、「相手の言うことを理解し、こちらの意図をしっかりと伝える」ということなのです。書き言葉を重視してきた日本人は、どうしても「完璧な英語を話さないと恥ずかしい」という思い込みが強く、この「通じればいい」という感覚に慣れないかもしれませんが、会話は「理解できればいい」「伝わればいい」のだということを、しっかりと認識しましょう。

■ 医療面接の基本
医師が患者さんから様々な情報を聞き出し、信頼関係を築くための面接を「問診」と区別して最近では「医療面接」と言いますが、英語では特に区別なく history taking と呼ばれます。ここではこの history taking での一般的な英語表現を紹介しましょう。

基本表現として下記のものをまず覚えてしまいましょう。
1. Chief complaint (主訴)
2. History of present illness(現病歴)
3. PAM HUGS FOSS

Chief Complaint(主訴)
How can I help you today?(今日はどうなさいましたか?)

History of Present Illness(現病歴)
ここでは "OPQRST" として覚えましょう。
Onset : 発症
"When did it start?"(いつからですか?)
Provoking and Palliating Factor : 悪化・緩和因子
"What makes the pain worse [better]?"(どうやったら痛みがひどく(楽に)なりますか?)
Quality : 質
"Could you describe the pain?"(どんな痛みですか?)
Region and Radiation : 位置と放散
"Exactly where does it hurt?"(具体的にどこが痛みますか?)
"Does the pain move or travel anywhere?"(痛みはどこか他の場所に移ったりしますか?)
Severity : 程度
"On a scale of one to ten, ten being the worst pain you can imagine, how severe is the pain?"
(10を考えられる一番ひどい痛みだとして、1から10で言うと、痛みの程度はどの数字ですか?)
Time : 時間
"How long have you had the symptoms?"(どのくらいの時間症状が続いていますか?)

PAM HUGS FOSS
既往歴や社会歴など、現病歴以外の周辺情報です。頭文字を取って PAM HUGS FOSSと覚えましょう。
P : Past medical history(既往歴)
Have you ever had any serious illnesses?(今までに何か大きな病気をしたことがありますか?)
A : Allergies(アレルギー)
Could tell me about any allergies you have?(何かアレルギーはありますか?)
M : Medication(薬)
Are you currently on any medications?(何かお薬を飲んでいませんか?)
H : Hospitalization(入院)
Have you ever been hospitalized?(今までに入院したことはありますか?)
U : Urinary problems(尿)
Do you have any problems with your waterworks?(お小水に関して何か問題はありますか?)
G : Gastrointestinal problems(便)
How about your appetite and your bowels, is everything normal?(食欲やお通じは普通ですか?)
S : Sleep pattern(睡眠)
Have you noticed any changes in your sleep patterns?(睡眠で何か変化はありませんか?)
F : Family history(家族歴)
Does anyone in your family have similar symptoms?(ご家族で同じような症状の方はいますか?)
O : OB/GYN (LMP, abortions)(産婦人科系、最近の生理、中絶)
When was your last monthly period?(最後の生理はいつですか?)
S : Sexual history(性歴)
When was the last time you were sexually active?(最後の性行為はいつですか?)
S : Social history(社会歴)
What do you do?(お仕事は何ですか?)
What is your marital status?(未婚ですか?既婚ですか?)
Do you drink alcohol?
How many times a week do you drink?
How much do you have when you drink?
Do you smoke?
How many cigarettes do you smoke per day?
At what age did you start smoking?
At what age did you quit smoking?
Are you using any illicit/recreational drugs?(麻薬を使っていますか?)

■ 専門用語ではなく一般用語を使おう
患者さん相手の場合、医学英語を使っても理解してもらえません。
胃腸炎なら gastroenteritisとは言わずに stomach flu、中耳炎なら otitis media ではなく middle ear infection、外反母趾はhallux valgusでなくbunions、帯状疱疹はherpes zosterではなくshingles、そしてアトピー性皮膚炎もatopic dermatitisではなくeczema のように表現するのが一般的です。このような一般的な表現を学ぶには3時限目で取り上げた動画コンテンツが有効です。

■ 口語表現に慣れよう
イギリスでは具合が悪いときに下記のような表現を使います。
"I feel under the weather."
これは「船上で見張り役としてデッキに出る=空の下に出る」という表現に由来します。つまり「船上で見張りをする=船酔いして具合が悪くなる」というわけです。ちなみにアメリカ英語では「吐く = vomit」を "throw up" と表現しますが、イギリス英語では "feel sick" と表現します。誤解を招きやすい表現ですので、問診の際には "Did you vomit?"「吐いたんですか?」などと確認する方が良いでしょう。
このように英語には病気や身体にまつわるものだけでもいろいろな言い回しがあります。ここでも活用したいのが動画コンテンツです。とりわけ参考になるのは、患者向けの動画コンテンツです。専門家である現場の医師が登場し、素人である患者さんに理解してもらうために病気をやさしく説明しています。使われている表現はもちろん、抑揚なども真似てみるといいでしょう。

■ 医療通訳に頼ろう
日本では普及が十分とはとても言えませんが、外国人の患者さん相手のときには医療通訳を活用してください。
日本に住む外国人の9割は英語を母国語としない方ですから、特に通訳が必要です。また言葉以外にも宗教や文化の違いという問題もあります。日本の病院では当たり前の対応が相手にとっては苦痛となることもあります。無用のトラブルを回避するためにも是非医療通訳を活用してください。

■ まとめ
最後に、医師としての英語のスキルを高める最善の方法を示しておきたいと思います。
それはなによりも「オン・ザ・ジョブ・トレーニング」。実際に英語を使って仕事をすることで、これに優るものはありません。
「国境なきドクター」を目指すためにも、積極的に英語を使って外国人の医師や患者さんに接してください。