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おもしろ医療関連トピックス

あなたの周りは菌だらけ?医師・看護師による院内感染リスク

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白衣や携帯電話、ペンから大量の菌を検出!

昨今、院内感染対策の重要性があらためて叫ばれています。 「きちんと手洗いもしているし、マスクや手袋も着用しているから感染対策は問題ない」と思っていても、実は身の周りは菌で満ちています。
院内感染について調査した研究では、医療従事者が着用している白衣149着のうち、約2割からMRSA(メチシリン耐性黄色ブドウ球菌)が検出されています(*1)。また、医師と看護師が使用している携帯電話200台を調査したところ、約8台に1台からMRSAが検出されたという報告もあります(*2)。
さらに、MRSAやVRE(バンコマイシン耐性腸球菌)などが発生している病棟に勤務する医師と看護師が使用したペンを調査した結果、病棟で発生している病原体と同じ菌株などが検出されています(*3)。

感染対策、本当に万全ですか?

アメリカ疾病管理予防センター(CDC)が1996年に発表した標準予防策(その後改訂)では、感染対策にもっとも大事なこととして「手指衛生」が挙げられています。
手指衛生の方法には「流水と石けん」「擦式消毒用アルコール製剤(以下、アルコール製剤)」を用いる方法があります。
時間や設備の観点から、CDCではアルコール製剤を推奨しています。ただし、物理的な除染除去はできませんし、蛋白質の汚染があると十分な消毒効果が期待できません。ですから、基本はアルコール製剤による洗浄とし、下痢の患者さんに触れた後など、明らかに手指が汚染されているときには流水と石けんの手洗いを追加するとよいでしょう。 流水と石けんで手洗いを行う手順について、簡単に確認しておきましょう。
①手洗い前に、指輪や時計を外します。爪が伸びている場合は、爪と皮膚の間に洗い残しが出るため、適切な長さに爪を切るようにしましょう。
②洗い残しの多い親指、指の間、指先、手のひらのしわ、手首、爪の間などを意識し、30秒以上かけて洗います。
③手洗い後に水道水を止めるときには、手指と蛇口の間にペーパータオルをはさむなどして、直に蛇口に触れないようにします。

手洗い後の「無意識」が落とし穴

手洗いについて、興味深いある観察実験の結果が報告されています。 手洗いを行った31人を観察したところ、そのうち10人が「手洗い後」に不潔域に触れていることがわかりました。手洗い場の鏡を見ながら髪やメガネ、白衣などの不潔域にさわる人が多いそうです。その理由を聞いたところ、全員が「無意識に触れた」と回答していました。手洗い後、皆さんも無意識に髪を整えたりしないように気を付けましょう。
また、患者さんに触った手袋を着用したまま歩き回ったり、カーテンやドアノブを触ったりしていませんか。患者さんに触った手袋の表面には病原菌が付着している可能性があり、そのまま歩くだけでも病原菌を院内にまき散らしかねません。
感染対策に欠かせないマスクは、確実に鼻と口を覆うようにします。マスクをつけたり外したりすると、手が鼻や口に頻回に触れてしまい、かえって危険が増すので注意。マスクや手袋は1回使ったら捨てることが原則です。

ノロウイルス対策には石けんと流水による手洗いが有効

昨年からノロウイルスが流行しています。ノロウイルスは非常に感染力が強く、数個の菌でも感染します。症状が消失したあとも、3~7日間は便中に菌が出てくるので、二次感染拡大への注意が必要です。
ノロウイルスの伝播・感染はウイルスに汚染された手指を介して起こることが多く、感染防止には、手指衛生が非常に重要になります。手指に付着したノロウイルスを物理的に除去するには、石けんと流水による方法が効果的です。手洗い後、さらにアルコール製剤を使用すると、手洗い効果が高まります。
感染対策については、各病院で細かいルールが定められていることがほとんどです。「自分のまわりは菌だらけ」だと認識し、ルールに則って感染対策に取り組みましょう。

(*1)Treakle,A.M et al:Bacterial contamination of health care workers’ white coats.Am J Infect Control,37:101,2009
(*2)Ulger,F et al:Are we aware how contaminated our mobile phones with nosocomial pathogens? Ann Clin Microbiol Antimicrob.8:7,2009
(*3)French,G.:Contamination of doctors’ and nurses’ pens with nosocominal pathogens.Lancet,351:213,1998

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