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メダカの神経細胞で解明?「恋心」のふしぎ

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メダカの恋は「一目ぼれ」ではない

「恋の病」「恋わずらい」という言葉があります。
恋が病であるなら、いったいどんな異変が脳の中で生じているのでしょうか。恋をしている脳の働きがわかれば、「恋の病」も治せるかもしれません。

そこで「メダカの恋」を研究対象にしてそのナゾを解こうとした脳科学者がいます。東京大学大学院理学系研究科の竹内秀明助教(現岡山大学准教授)と奥山輝大博士(現マサチューセッツ工科大学記憶研究所)のグループです。
この研究でメダカのメスは、一度も見たことのないオスよりも、見たことのあるオスを積極的にパートナーとして選ぶことがわかったというのです。どうやら、メダカの恋は、「一目ぼれ」よりも「デートの回数が多い」ほど成就しやすいらしいのです。

恋をしているメダカは“GnRH3ニューロン”が活性化する

研究はメスとオスのメダカを透明なガラスで仕切った水槽に入れ、一晩「お見合い」をさせるという実験からスタートしました。翌朝、お見合いをしたメダカを同じ水槽に入れると、メスはすぐにオスの求愛を受け入れました。ところが、お見合いをしなかったメスとオスのメダカを同じ水槽に入れても、メスはオスの求愛を受け入れるのには時間がかかることがわかりました。このことから、メダカは異性を目で見分けて記憶する能力を持っていること、その能力に基づいてパートナーを選択することも判明したのです。

さて、では、メダカのメスがオスの求愛を受け入れるとき、メダカの脳ではどんなメカニズムが働いているのでしょう。それを調べるために、メスの脳の神経活動を研究したのです。
すると、パートナーと一晩お見合いをして、オスの求愛を受け入れやすくなったメスのメダカの脳では、GnRH3というニューロン(神経細胞)の活動が活発になることがわかりました。そしてこのGnRH3というニューロンは、見知らないオスからの求愛を抑制する働きもあることが判明したのです。メスのメダカのGnRH3ニューロンを破壊してしまうと、そのメダカは見知らないオスからの求愛も受け入れてしまうことになるのですが、いずれにしろ、GnRH3というニューロンこそが、恋心のスイッチの役割をしていることは間違いなさそうです。

「恋に効く薬」の開発ができるかもしれない!?

このように、メダカのメスの場合、一度お見合いをした方が恋の相手として相応しいと感じるようです。
しかし、グッピーという魚は逆に、これまで一度も会ったことがない新規の異性に出会うと、恋のスイッチが入ってパートナーになりやすいというのです。動物種によって、恋心も実にさまざま。きっと脳の中のニューロンの働きもさまざまなのでしょう。

この研究から、ヒトの恋愛感情や他者を区別して記憶するための分子神経機構について探れる可能性があるとされています。将来、研究が進んで、私たち人類の恋心にはどんな脳内ニューロンが関係しているのかが明らかになれば、そのニューロンをコントロールできる薬剤「恋に効く薬」の開発も夢ではないかもしれません。

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