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これからの臨床ニーズに応える、優れた最新医療機器

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日曜日夜の大人気ドラマ「下町ロケット」。後半パートとして取り上げられるテーマが医療機器の「ガウディ」だということはご存知でしょうか?最先端の技術が集積された医療機器に挑むストーリー展開に、さらに胸を熱くすることになりそうです。
実在する手術支援ロボット「ダヴィンチ」は、既に世界で大きな実績を上げており、その3D立体画像を見ながらのロボットアームによる手術は、従来の腹腔鏡手術と比べて革新的な成果をもたらしました。
磨き抜かれた技術、そして研究・開発にかける情熱やたゆまぬ努力は、医療機器の分野において、画期的な製品を次々に創出しています。
今回は、そのように日々生まれ続けている「優れた最新医療機器」のダイジェスト編として、注目の機器たちを紹介します。

心臓の動作診断、これからは着衣のまま心磁図計で「室温動作 36 チャンネル心磁図計」

室温動作 36 チャンネル心磁図計1室温動作 36 チャンネル心磁図計2誰でも一度や二度は経験がある心電図検査。それと同等の診断が得られると期待されているのが、心磁図計による検査です。開発したのは、九州大学大学院総合理工学による研究グループ。世界で初めて室温動作の36チャンネル計測に成功しています。(室温動作 36 チャンネル心磁図計)

これまで心磁図計測は、微弱な心磁界を捉えるために大掛かりな装置が必要とされ、開発が一向に進みませんでした。同研究グループでは装置スケールにも拘り、格子状センサーヘッドと胸部を20cm平方の正方形領域でカバーする程の心磁計ユニットを、高次元で実現。心臓の動作に伴って発生する両手首からの電圧波形も同時に計測し、そのピーク時点をトリガーとして、約2分間の計測で心磁図を取得することができます。さらに、冷却や加熱を必要としないため、取扱いの手軽さも開発ベネフィットとなっています。

特筆すべきは「服を着たまま計測できる」ということ。体外からこれまでより効率的に、高精度に計測できれば、心疾患の診断に大きな効果があると注目されています。

理想形を追求した高周波ナイフ「FlushKnife BT-S」

鉗子口から、「FlushKnife BT-S」を突出させた状態鉗子口から、「FlushKnife BT-S」を突出させた状態患者さんにできるだけ負担をかけないこと。それは医療機器メーカーにとって最大のテーマと言っても過言ではありません。富士フイルムは2015年10月、低浸襲治療の一つのESD(内視鏡的粘膜下層剥離術)用の処置ツールとして、ディスポーザブル高周波ナイフ「FlushKnife BT-S」を発表しました。

消化器疾患において、ESDは患者さんへの負担を軽減できる処置法として増加傾向にあり、今日では病変部を切開・剥離する際の処置性、操作性により優れた性能が求められていました。
FlushKnife BTシリーズは、通電により病変部の粘膜下層のスムーズな切開・剥離を可能にする他、ナイフ先端にボールチップを搭載することで、病変部への引っかかりを最適化。高い送水機能も装備しています。

さらに、形状にも手が加えられました。既存シリーズより手元部を約10%以上細径化し、先端径は同じ太さを維持。これにより内視鏡の吸引性能を向上させるとともに、鉗子口内でのブレを抑え、高効率と高精度を両立しています。
患者さんの身体的負担が少なく臨床ニーズの高いESD処置において、このように病変の処理効率に優れた機能的な機器の登場は、疾患を抱えるすべての患者さん、医師にとって朗報ではないでしょうか。

解析ソフトウェアで高精度な品質評価「CellActivision」

横河電機は2015年10月、細胞イメージングシステムや一般的な光学顕微鏡で撮影された非染色生細胞画像から、細胞の状態解析が可能なソフトウェア「CellActivision」を発表しました。
CellActivisionは、フィンランドのChip-Man Technologiesから譲渡された非染色画像解析技術をベースに製品化。機械学習技術を細胞認識に適用することにより、コンピュータ上で詳細に認識・解析することを可能にしました。細胞イメージングシステムや、一般的な光学顕微鏡で撮影された非染色生細胞画像の形態情報による細胞の種類や活性(各種機能の活発さ)を、効率よく確実に得ることができます。

その最大の特徴は、形態から細胞を解析するため、細胞を固定して蛍光染色する必要がなく、少ない細胞で時系列的に薬効評価ができることです。
顕微鏡目視を必要最小限に抑え、品質評価の効率化・均質化も可能となることから、製薬メーカー、創薬・再生医療などの研究機関、再生医療等製品の製造ラインとっては、待ちに待った解析ソフトウェアになると期待されています。


このように最新の医療機器の登場が、患者や現場に立つ医師に数々のメリットをもたらすことは言うまでもありません。しかし、研究・開発から実用化までの道のりは、こと日本では大変険しいものとも言われています。臨床試験を重ね、安全・安心を担保するまでのプロセスには、まだまだ課題が山積み。そんな中でも世界水準の医療環境に遅れをとらぬよう、薬事などの法整備を含め、新しいプラットフォームづくりが医療界全体を挙げて推進されています。

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