1. 流行だけではない「玄米菜食」の医学的見解

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流行だけではない「玄米菜食」の医学的見解

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書籍「医師たちが認めた玄米のエビデンス」近年、玄米菜食を中心とした日本の伝統食や、マクロビオティックが再び見直され、健康志向の人には欠かせないキーワードとなってきています。そこで今こそ学びたい、玄米を専門的に解説した本『医師たちが認めた玄米のエビデンス』をご紹介します。

【参考書籍】 書籍「医師たちが認めた玄米のエビデンス」(キラジェンヌ 2015年)

医学的に見直したい伝統食「玄米」

玄米を食べなくなったことで江戸時代初期には脚気(ビタミンB1不足)が流行し、精白米を食べるようになった頃から、さまざまな現代病が増えてきたことが知られています。玄米の糠(ぬか)には、想像以上にさまざまな効果のある物質が含まれていることが近年の研究でわかってきています。本著では、11名の医師や専門家が、それぞれの専門知識と臨床現場において、玄米をとりいれた食事を患者さんに推奨し、小児疾患、がん、緑内障、糖尿病、うつ、不妊症などのさまざまな症状が改善された事例が紹介されています。玄米食がもたらす効果の一部を見ていきましょう。

玄米は血糖値の上昇を穏やかにする

糖尿病の食事療法では、糖質制限のためにごはんを減らさなければならないように思われがちですが、低GI食品の玄米であれば血糖値の上がり方が緩やかなので、白米から玄米に替える方が、ごはんの量を減らすよりも持続しやすく、効果的なようです。また、メタボリックシンドロームの方に対して玄米菜食を勧めることで、糖尿病予備軍への移行を予防できる可能性もあります。

緑内障などの目の症状にも玄米菜食が良い

玄米は血液を浄化することから、緑内障や白内障などの目の症状を改善すると書かれています。玄米を主食とし、副菜は、亜鉛やビタミンCを多く含んだものを多く摂ることによって、血液が浄化され、血流が促進され、効果があったと語られています。また、玄米中心の菜食主義では貧血になるのではと懸念されますが、肉や魚を摂らないグループでも他の食品摂取群と遜色ない血中フェリチン値がでているデータもあることから、玄米を摂取していても貧血になりやすいとはいえないと結論付けています。血液に関わる症状でお悩みの患者さんに対して玄米菜食を紹介することは、意外にもその効果を発揮するかもしれません。

玄米には脳内伝達物質の働きを助けるビタミンB6が豊富

玄米に多く含まれるビタミンB6は、脳内伝達物質の働きを助けます。例えば、ノルアドレナリンは、酵素によって、フェニルアラニン、チロシン、ドーパ、ドーパミンと合成されますが、ドーパがドーパミンへ変換されるには、ビタミンB6と亜鉛が必要です。また、興奮系神経伝達物質であるグルタミン酸が、抑制系神経伝達物質であるギャバに返還されるときにもビタミンB6の助けが必要です。うつ病は、脳内のドーパミン、セロトニン、ノルアドレナリンなどの脳内アミンが減ってしまう状態とされているので、このような補因子が必要となります。
他にもさまざまな事例を紹介しています。玄米はさまざまな栄養素が含まれている栄養の宝庫であることが分かり、食を見直そうと思わされる1冊です。ご一読してみてはいかがでしょうか。

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