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「入院してみたい!?」まるでホテルのようなおしゃれな病院

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この写真、何の写真だと思いますか?
なんだかオシャレなホテルの一室のようにも見えますが、実は"病院"なんです。不謹慎ですが、こんな病院があったら一度入院してみたくもなりますよね。
こちらの病院の正体は、吉祥寺にある、なんと設立80年という長い歴史を持っている水口病院。診療科は主に産科・婦人科、そして老年病科(療養病床)と高齢者向けの在宅訪問診療も行っています。
今回はこちらの病院のとてもオシャレな内装の秘密や、他とは一線を画す病院経営やその取り組みに迫ります。

病院なのに、なぜこのようなゴージャスな内装なのか?

冒頭の写真は、いわゆる入院患者さんが主に過ごすこととなる"病室"、その一室を写したものですが、エントランスから廊下、病室に至るまで、こだわりのゴージャスで洗練された内装で仕立てられています。さらには、エントランスから院内へ一歩踏み入れた瞬間に漂う心地よいアロマの香り。患者さんのリラクゼーションのために院内のいたるところでアロマが焚かれていて、見えないところまでその空間づくりが徹底されているのです。
これらは、病院が掲げている"マドレーヌサービス"というコンセプトから派生したアイディアなのだそうです。

"マドレーヌサービス"の"マドレーヌ"とは、あの貝殻型の焼き菓子のこと。病院の公式HPに、次のような説明があります。
"この名称は、マルセル・プルーストによる20世紀を代表する小説、「失われた時を求めて」に登場する「マドレーヌ(体験)」に由来します。小説の中で、「主人公がある日紅茶に浸したマドレーヌのかけらを口に含んだ瞬間、まるで玉手箱を開けたように甘美な喜びが胸いっぱいにひろがり、少年時代によく休暇を過ごした村の情景が鮮やかに甦って幸福感に満たされる・・・。」というマドレーヌ体験に重ねあわせて、「出産のときの祝福と感動に満ちた思い出が、いつまでもゲストの心のなかに甦り、満ち足りた幸福感を何度も味わっていただきたい」との願いを込めて・・・"

"マドレーヌ体験"の素敵なエピソードにまつわるこのコンセプトは、2004年に就任した現理事長によって打ち出されました。
それまで法律家だった理事長は、もとより芸術・文化・文学・歴史などに幅広く造詣が深く、また、畑違いであるからこその柔軟な発想がありました。それは、医師や医療技術だけではなく、「病院とは思わせないほど居心地のよい入院環境やホスピタリティを提供することで患者さんを感動させたい」というもので、現在の病院のコンセプトの原型となりました。
そしてこのコンセプトに基づき、女性の憧れとも言えるようなオシャレな内装の病室が誕生したのです。

水口病院ならではの特別な取り組み

独自の理念に基づいて患者さんへのホスピタリティを重んじ、特に出産のため入院される方々に喜ばれるサービスはとても充実しています。

アロマトリートメント
"補完医療"としても注目されているアロマセラピー。産前・産後関わらず、体調に合わせて受けることができます。好みのアロマで、デリケートな産前・産後の体の疲れから、不安になりがちな心まで、全身をリラックスさせることができ、とても好評のサービスです。
希望があれば、陣痛の際などにも、アロマセラピーに詳しい助産師が1対1でケアを行ってくれる場合もあります。

産前産後のアクティビティ
妊娠中でも安心して行える、安産に向けたカラダづくりのためのオリジナルアクティビティに参加できます。メニューはヨガ、ベリーダンスやピラティスなどバラエティ豊か。
さらに産後の方向けに、気になる体型を無理なく戻すためのメニューも用意されていて、通院されている方以外でも参加することができます。

セレブレーションディナー
ご出産の記念に、一流シェフの豪華なフルコースのディナーを、家族と一緒に院内で楽しむことができます。
メニュー内容は、出産したばかりのママの健康のことを考えた、体に優しく、おいしく、楽しく、華やかなメニューです。このディナーのファンも多く、リピートする方も多いのだとか。

選べる個室 大部屋のほかに、出産~産後まで、ゆっくりと快適に入院期間を過ごせるようにオシャレな内装を施した個室もあります。内装タイプはいくつかあり、流麗な内装のお部屋を好みに合わせて選ぶことができます。

バースアドバイザーとバースコーディネーター、育メン支援

出産時の様々なケアサービスを打ち出しているこちらの病院ですが、不安になりがちなママの心のケアを専任でサポートしてくれるサービスや、パパになる男性の育メン支援にも力を入れています。
産科看護副師長にお話を伺いました。

妊婦を支えるバースアドバイザーとバースコンシェルジュ
バースアドバイザーは、助産師が妊婦さんの産前産後の様々な悩みや不安などの相談に乗り、ときには医学的なアドバイスもしていくような役割です。医師には直接聞きづらいようなことなどを含めて、ほんとにちょっとしたことでも、なんでも話を聞いて不安を取り除いてあげるのがバースアドバイザーのミッションです。
バースコンシェルジュは、そういった専門的なこと以外の身の回りのこと、たとえばアクティビティの相談、上のお子さんなどの同伴入院などの手配・ご案内など、病院のサービスをより良く利用してもらうのが主な役割です。

育メン支援
当院では、まず診察の段階からパパも一緒に説明を受けてもらえるように診察室をゆとりある空間に作り変えたり、個室を用意したりして、ママだけではなくパパからの出産・育児への疑問・不安をバースアドバイザーに相談してもらえるように配慮しています。
また、プレシャスファミリークラスという全4回の出産・育児に関するセミナーを行っていて、多くのパパにご参加頂いています。1回目は出産に関する基本的な知識について、2回目は妊娠中の栄養や体重コントロールについて、3回目はおっぱいについて、4回目は出産の経過について、という風に毎回パパにとっても興味深いテーマを設定しています。

あとは4Dエコーと言って、赤ちゃんの動きをリアルタイムに見ることができるエコーがあるのですが、パパにはとても好評です。通常エコーは検診の必要時にしか行いませんが、当院では受診の予約さえしていただければ、何度でもエコーを行います。ママと違って身体的な実感がないぶん、何度もこの4Dエコーを見に来る"リピーター"もいます。

"育メン"サポートに力を入れ始めた背景や理由
東京など都心部では、いわゆる里帰り出産がまだまだ多いですが、この里帰り出産というのは一見素敵なことのようにも思われるかもしれませんが、実は思わぬ弊害もあります。というのは、里帰り出産をすると、パパにとっては出産の瞬間から生後1、2ヶ月まで我が子の顔をほとんど見ることができないので、いざ里帰り期間が終わって我が子を迎え入れた時に、自分が父親になったという実感が思ったより沸かないという人もいるのです。そしてそれが後々の離婚率上昇やひいては幼児虐待にまで影響するということがわかっています。

そこで当院では、先にお話した取り組みも含め、産前から産後までできるだけパパがママに寄り添って出産期間を過ごしたり、喜びを共有できる環境を整えることによって、里帰り出産を減らしていければと考えています。また、利用患者さんのご両親が見に来られやすいよう近隣のホテルとの提携するといったことも行っています。

今後の新たな取り組み
9月から母乳外来という診療科を新たに開設する予定です。
国際認定ラクテーション・コンサルタント(IBCLC)という母乳育児の国際資格を持った2名を中心に立ち上げの準備を進めており、出産後のママにとって授乳のサポートをメインに行うことを目的としています。
長い方だと2~3歳まで授乳期間がありますから、その中でやはり様々な悩みや問題を抱えているママも多いのです。ところが中々気軽に相談できる場所がないのが現状で、そこに当病院としてできることがあるのではと。何かあった時の駆け込み寺というような役割も含めて、そういった窓口になっていけたらと考えています。

水口病院の想い「女性の一生をトータルでサポートするというミッション」

水口病院では出産に関わる医療がメインですが、産科以外にも、「女性の一生をトータルでサポートする」というミッションを掲げています。婦人科、穏やかな空間と手厚いケアで最期まで自分らしくかけがえのない時間を過ごして頂く療養病床、また2010年には在宅療養支援病院として登録され、在宅訪問診療も開始しました。昨今、超高齢化が進む中で、在宅診療のニーズは高まり続けています。例えば、「ちょっと散歩に付き合って欲しい」「お茶に付き合って欲しい」といった治療以外のニーズにも応えられるような、柔軟できめ細やかな診療体制作りに力を注いでいます。

出産のための医療という枠組みを超え、核家族・少子化の時代だからこそ出産を特別なものにしたいというニーズに総合的に応えることに加え、高齢化する社会において女性の一生をホスピタリティと真心を持ってトータルサポートしていく。
オシャレな個室内装の裏側には、広い視野を見据えた確かなコンセプトや理念、地域医療への真摯な想いがありました。

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