太田祥一ブログ医の王道に向かって

〔第10回〕 地域包括ケアシステム

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地域包括ケアシステムはこれからの時代の医療、介護の基本的な体制です。下図で説明されていますが、その要点は、医療や介護を地域で、そして、住まいや生活のなかで考える、ことといわれています。


医療は、病だけを診るのではなく人も診る、というように習いますが、これからはその上にその人の生活をベースに診るということになるのでしょうか。先の国会でもこのシステムに関わる多くの法案が成立したそうです。
この地域包括ケアシステムの図にも救急車があります。ケアのなかにも救急医療は重要ですからこのシステム下で救急医療がどうなるかは重要な課題だと思います。そこで今回、「地域包括ケアシステムと救急医療」という特集を担当する機会があり、いろいろと勉強しました(『救急医学』2014年9月号、へるす出版)。12月号でも「地域包括ケアシステムと救急医療体制」というテーマで執筆する予定です。

この特集でも執筆をお願いしました厚労省の唐澤先生のお話を伺ったときこのシステムの要点がよくわかりました。
救急医療、というより急性期医療を受けるためには、その時の医療事情や重症度等によって地域の外に出ることが少なくありません。そうなると急性期診療の時点から地域に戻すことを考えることが求められるようになるのかもしれません。
これが、community-basedでありnarrative-basedに繋がるという考え方です。私が取り組んでいる研究テーマである防災でもそうですが、地域、コミュニティを大事にする時代が来ていると思います(「災害医療救護訓練の科学的解析に基づく都市減災コミュニティの創造に関する研究開発」)。認知症サポートでもコミュニティが大事になると思われます。これからは意識してきたいと思います。リハビリテーション・ケア合同研究大会 長崎2014 でも地域がテーマになっています。行って勉強してこようと思います。

在宅から状態が悪くなると急性期医療を受けますが、その後すぐには在宅に戻れないことも多いので、回復期医療、慢性期医療と移行し、介護を受けながら在宅に戻る、という循環を視野に入れた連携が求められます。この連携を作るために唐澤先生は、お互いがお互いを知って、お互いの状況に思いを馳せ、想像を膨らませる力を持つことが重要と仰っていました。そのとおりです。
想像力豊かなそれぞれの職種=プロフェッショナルが、多職種連携、チーム医療(+介護)を地域(コミュニティー)をベースに人を中心に進めて行くことになるのでしょう。

在宅医療の現場から肺炎(含む誤嚥)、心不全、虚血性心疾患、脳血管障害、敗血症等により救急搬送されることも少なくなく、これらの病態の早期発見、初期診療はまさに救急医療です。また、高齢者は重症になることが多く結果的に救命救急センターに搬送されることもありますが、救命救急センターを退院された方の最終的な生活の場は自宅、住まいです。そういう意味では循環している医療のなかで在宅医療と救急医療は隣同士、つまり生活を基盤とした在宅医療は救急医療ととても近いことになります。
在宅復帰率を高めるという観点からも、在宅医療と救急医療が今まで以上に強固に連携していければ良いと思います。