太田祥一ブログ医の王道に向かって

〔第8回〕 急変について考えてみよう

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高齢者社会で救急搬送されてから、生活にどのように戻るか、これをスムーズに進めるためには、高齢者を取り巻く医療や介護、生活に関わる人々の連携が重要であるとされていますが、具体的にどのように連携するのがすれば良いのか、ということを議論する場として、高齢者救急地域連携塾を行ってきました。
そのなかで、高齢者が地域でより良く過ごせるように、在宅医療を地域に根差したものにするためにも、地域での顔の見える連携が重要だと考えるようになりました。このより有機的な連携を構築するために、烏山在宅医療連携塾を開催しています。
第1回は「救急を知ろう」、第2回は「急変について考えてみよう」というテーマで行いました。テーマの他にも正しい医学知識をわかりやすく伝え、日々に役立てていただく機会にしたいという想いで準備しています。

急変について少し考えてみますと、まず、急変といえば心肺停止ですが、蘇生は社会復帰を目標にしたものですから、その目標のためには、目撃者があることとバイスタンダーCPRが必要でCPRは質の高い、つまり、早く(1分間に100回以上)、強く(5cm以上押す)、絶え間なく行うことが重要です。
急変も予測されるものに関しては準備、つまり予防が可能です。例えば、熱中症はほぼ100%予防可能な病気です。体温や室温に気を付け、脱水にならないように水分管理すること、これは日頃から気を付けておきたいことです。これがうまくいっていないときに、何か具合が悪そう、食欲もない、何か変、というときに早めに対応するのが良いと思います。
予防するために前もってどこまでの医療を行うか、ということも含め、前もっていろいろとお話ししてお互いが納得することができれば良いと思います。

蘇生と同じく、救急搬送、病院受診は、ご本人やご家族のご希望とともに、その目的やゴール(効果)が前提に決定されるものだと思います。在宅医療は生活の場を大事にすることが基本ですので、ご自宅で今まで通りの生活を長く続けられるために救急搬送や病院受診が必要と判断されればそうすることに異論はないと思います。
次に、その目標を達成するために器具や器械を用いた積極的な救急集中治療をどこまで行うか、はその後の治療方針決定のために重要です。日頃から患者さんやご家族はもちろん、関わっている人々とこのようなお話をしてコンセンサスができて行けば良いと思います。

そうするためにも、地域包括ケアシステムで厚生労働省が発表しているシステムのイメージ図において、救急車や急性期病院がかかりつけ医経由になっているのだと思います。さらに地域に広がっていくのが良いのでしょうか。その結果、お看取りをどうするか、という順で考えて行くのが良いように思います。
それぞれの立場や状況でそれぞれの課題があるのだと思います。みんなで解決できるようにいろいろな機会にお話しする場を増やしたいと思っています。

これからの塾では、誤嚥性肺炎と口腔ケア等、歯科との連携や、転倒予防と骨折予防治療等リハビリテーションとの連携、についても取り上げたいと考えています。